【Vol.5】今月も8日は母ちゃんと母牛に感謝!栗原新平さん、今月のレシピは?
No.313
たべる
特集 \食べて地方を応援しよう!!/どっこいしょ和牛名店探訪・都内編
東京・浅草の老舗焼肉屋の息子として育ったオーナーが手がけるのは、北十勝の短角和牛ステーキが看板メニューの「CARNEYA」。
大自然のなかでのんびり放牧された短角和牛のやさしくてクリーミーな味わいに悶絶すること間違いなしです。
都営大江戸線 牛込柳町駅から歩くこと5分。今回訪れたのは、住宅地に囲まれた大通り沿いに立地する、創業9年目のイタリアンレストラン「CARNEYA」です。
CARNEYAを訪れる人のお目当ては、良質な肉を使用したステーキをはじめとする肉料理の数々。
オーナーの高山己さんは、東京・浅草出身で、ご実家は3代続く老舗焼肉店「富味屋」とあって、週6で焼肉を食べて育った、生粋の肉のプロフェッショナルです。イタリア・フィレンツェやローマなどで修業後、お肉主体の店をということでオープンしたのが同店でした。
特筆すべきは、炭火焼きステーキ「北十勝ファームの短角牛 40日熟成 Lボーン」1万5000円。北十勝ファームは、北海道の十勝平野の大自然のなかで短角和牛を放牧飼育しているところです。
高山さんと北十勝ファームの生産者の上田さんとの出会いは、赤身肉や熟成肉の魅力を発見するイベント「赤肉サミット」。同イベントで高山さんは、熟成肉のおいしい調理法についての講師を務めています。
高山さん曰く、「上田さんは、実にのほほんとしたおだやかな方なんですよ(笑)。そんな生産者にのんびり広々とした環境で育てられた牛はストレスがないから、まろやかでやさしい味になるんだと思います」とのこと。
上記メニューを炭火で焼いているときに高山さんに誘われて香りを嗅いでみると、BBQ特有の肉の臭みはいっさいなし。それどころか、ナッツのようなパンのようなクリーミーな香りがたちこめていて驚きました。
しかも味つけはシチリアの海塩のみ。高山さんはイタリアでの修業時代、塩はあくまでも素材を高めるものだと気づいたといいます。
「肉には個体差があるので、素材によって味も風味も異なります。だから、料理人はゼロの目線で素材を引き立たせる黒子に徹するのが重要なんです。肉によっては塩をまったく使わないこともありますよ」と、高山さん。
同店では、定期的にドライエイジングされた骨つき肉を塊で仕入れ、なるべく大きめにカットし、ミディアムレアで提供しています。
高山さんは、骨のまわりがおいしい理由について教えてくれました。
「肉を食べるということは、血液をいただくということなんです。骨つきで塊のまま焼いて提供することで、骨が副え木代わりになり、焼いた後に身が縮みにくくなる。だから骨のまわりはジューシーで特においしいんですよ」
そんな解説の後にいただいた北十勝ファームの短角和牛の炭火ステーキ。
味がしっかり濃くて、噛むごとに芳醇な香りが広がります。高山さんおすすめの食べ方は、ナイフでカットするときにいろんな角度からカットしてみること。繊維に対して直角にカットすると、よりジューシーに味わえることを発見しました。
噛みしめるごとにジューシーで旨味のある短角和牛を味わっていると、味つけは時には塩さえもいらないということがよくわかります。
高山さんの地元・浅草は、何代も続く商店が多いエリア。いつ来ても変わらない高い品質を維持しながら提供することが一番のサービスだといいます。その信頼と安定感が、9年間人気をキープしてきたゆえんなのは間違いありません。
今後、高山さんが新店舗として企画しているのはなんと、肉うどんのお店だそうです。新店を訪れる前に、まずはめくるめく美味なる肉体験をCARNEYAでしてみることをおすすめします。
(農場情報)
取扱い農場:北十勝ファーム(北海道・足寄町)