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神戸うすなが牧場

和牛繁殖肥育 兵庫県
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神戸市西区にある神戸うすなが牧場は、新幹線が停車するJR西明石駅から車でおよそ30分の立地。肥育から繁殖まで行う但馬牛の一貫生産を行っています。現在あわせて500頭を育て、神戸ビーフや純但馬うすなが牛など、複数のブランドで展開中。生産以外にも、直営店での販売や飲食店の経営もグループ内で手掛けています。

コンセプトは「ボクらが食べたい但馬牛」

神戸うすなが牧場が目指しているのは、自分たちが食べておいしいと思える但馬牛を育てること。ただ数年前までは、市場で評価されるサシの多い牛肉づくりを重視していたそうです。その方向性を改革して現在に至ります。

「農家さんは市場で評価されるサシの入った肉を作るのは得意ですが、消費者がそれを望むとは限りません」と語るのは牧場の代表を務める碓永芳輝さん。そこに生産者と市場の乖離があると気づき、シンプルに「僕らが食べたいと心から思える牛肉を作ろう」と転換しました。

その乖離について、大学生のころに働いていた焼肉店での経験が役に立ちました。「味の感想だったり、こういうお肉が食べたいとか、お客さんから直接話を聞けたのが大きかったですね」と振り返ります。

口溶けがよく、なおかつ旨味が最大化された牛肉は、餌へのこだわりがあってこそ。碓永さんたちは輸入に頼らない「100%国産飼料」への取り組みを進めています。現在は「半分以上が国産」にまで達したオリジナルの肥育飼料には、酒粕やみりん粕、ビール粕など、人が口にする食材から出る副産物を配合。さらに自家栽培の米を焙煎して粉末状にしたものも加えています。

代表の碓永 芳輝さん

手塩にかけて育てた牛は、肉質を損なわず提供するために、信頼できる卸会社や直営店舗を中心に販売中。そのほか、焼肉店「神戸牛WASSIA」やハンバーグ専門店「Wagyu Jockey」など、グループで運営する飲食店でも提供しています。

いい牛を育てるため「人が働きやすい」環境を

ユニークな取り組みは飼育方法のみではありません。例えば、これまで取得した飼育データに改良を加えた「牛飼いマニュアル」を作成。「農業学校を出ていない初心者でも牛を育てられる」環境を整えています。

そしてなんとこの牧場、「勤務時間は8時から17時、週休2日制」という超ホワイトな労働環境です。あえて短い勤務時間に設定しているわけは、「人材を集める」目的に加えて、碓永さんが抱くある思いにあります。

Wagyu Jockeyのチーズハンバーグ

「空いた時間を活用して自分たちが稼げる手段を考えてほしいんです。労働時間が短い分だけ牛飼いとしてバリバリ働いてもいいし、副業にチャレンジしてもいい。世間的に牛飼いの給料は決して高くありませんから、自由にできる環境を整えることも重要だと考えています」

さらに碓永さんは、「将来は独立を」と考えるメンバーに牛舎の一角を貸し出し、独立に向けた支援も行っています。柔軟な働き方や、一人ひとりの将来を見据えた取り組みは、平均年齢20代で半数が畜産未経験というチームの大きな活力へとつながっています。

「自分の牛を育てることで、『どうすれば利益が出るのか』考えて実践する経営体験ができます。その経験は将来に必ず役立ちますし、牧場全体にも還元されると考えています。今後も新規就農者を積極的に受け入れていくつもりですし、独立する野心を持ってどんどん稼いでもらいたいです」

神戸うすなが牧場の取り組みは、脈々と受け継がれてきた但馬牛の魅力を伝えつつ、牛飼いの世界に新たな風を吹き込んでいます。

// スタッフの声

小形さん 入社1年目

岩手県の畜産農家の出身で、跡を継ぐために修行中。慣習にとらわれない飼育方法をオープンに発信する碓永さんの方針に魅力を感じ、神戸うすなが牧場で働くことに。「ここで学んだことを将来実家でもどんどん取り入れていきたい」と意気込んでいます。現在は牧場の一角を間借りし、日々の仕事と並行しながら自身の牛を育てている最中です。

仲宗根さん 入社2年目

兵庫県内の農業高校で学び酪農の道へ。その後、一般企業での事務職を経て「やっぱり牛を育てたい」と考え、神戸うすなが牧場で働くことになりました。「働きやすい環境に魅力を感じました」と語る一方で、現在は繁殖牛舎の場長を任される立場に。「子牛の病気がゼロの牛舎を作りたい」と大きな目標を掲げています。