読みもの

㈱須藤牧場の動物が絵本に! 絵本を通して伝えたいメッセージとは?

  • #六次化

この記事の登場人物

須藤 陽子
株式会社 須藤牧場
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株式会社 須藤牧場では、牛のみならずポニーなどの様々な動物が飼育されています。そんな㈱須藤牧場の可愛い動物達がなんと絵本になっており、現在は幼稚園などでの読み聞かせの活動が行われるなど、たくさんの子供達に楽しまれているそうです。

今回は㈱須藤牧場発の絵本、「牧場のおはなし『モモコ』」「牧場のおはなし『いのち』」の生みの親である須藤陽子(ようこ)氏に絵本について伺ってみました。本を作ろうと思ったキッカケは?また、本を通じてどのようなメッセージを伝えたいのでしょうか?

生みの親である陽子氏に伺ってみた

「牧場のお話『モモコ』」という絵本を作ろうと思ったきっかけを教えて下さい

――「牧場のおはなし『モモコ』」は、母と娘の絆がテーマなんです。「自分が産んだ赤ちゃんをしっかり責任を持って、大切に育ててもらいたい」、そういう思いから作った絵本です。ちなみに、書くのに4年ほどかかりました。4年間ずっと色んなエピソードをメモにとり続けて、文章を組み立てるのにとても時間がかかりましたね。

どのようなストーリーなのでしょうか?

――㈱須藤牧場では色んな動物を飼育しているんですけど、赤ちゃんが生まれるとお母さんが赤ちゃんを飼育するんですね。でも、牛の赤ちゃんだけは生まれてからすぐお母さんから離されちゃうんです。人間が赤ちゃん牛のお世話をしてあげて、その間にお母さん牛には仕事をしてもらうんです。

「牧場のおはなし『モモコ』」では、産まれた直後にすぐに親の元から離されてしまう赤ちゃん牛のモモコが物語の主人公なんです。モモコが牧場内を散歩していて、他の動物はしっかりお母さんに育ててもらえているのに「なんで私にはお母さんがいないの?」というところからはじまり、最後にはお母さんと会えるというストーリーです。

この物語を通じて伝えたいメッセージは何でしょうか??

――子供達が読んだ時に、「モモコちゃんがお母さんと会えたー!」でいいと思うんです。でもどちらかというとお母さんに読んでほしい物語なので、お母さんが自分の子育てに対してどのように感じてもらえるかですよね。親が愛情を持って子供を育てる、それを「牧場のおはなし『モモコ』」から学んでもらいたいです。ちなみにモモコちゃんの話には続きがあるんですよ!

続きというのはこれから本にされるご予定なのでしょうか?

――いいえ。普段子供たちに読み聞かせをする時は、プロジェクターに絵本のページを写して、耳に被せ物をつけたりして大人がボランティアで劇をしてるんですね。モモコちゃんのお話の続きは本にはしてないのですが、劇の中で続きのストーリーを演じたりしています。

2冊目である「牧場のおはなし『いのち』」はどのような想いでつくられたのでしょうか?

――この「牧場のおはなし『いのち』」を書いた年は、1年を表す“今年の漢字”が「命(いのち)」の年だったんですね。いのちの大切さを改めて実感する年でした。
そして、この物語が生まれたきっかけというのが、学校の生徒さんたちが体験学習でいらっしゃった時に起きた出来事なんですよ。それはもう、衝撃的な出来事でした。

偶然にも牛のお産が始まり、目をキラキラさせながら「もうすぐ産まれる!」って息を止めながら見ていたんですよね。そうしたら、「死産」だったんです。子供たちからしたら、お産というのは元気な子牛が産まれてくるイメージをお持ちですから、産まれてきた子牛が死んでいて、子供たちはもちろん校長先生も大泣きだったんです。

「いのち」を大切にしなきゃいけないというメッセージを伝えなければいけないと思いました。「牧場のおはなし『モモコ』」は書き上げるまでに4年かかりましたが、「牧場のおはなし『いのち』」に関しては3日ほどで書き上げました。

そのような体験のなかで、何か思うところがあったのではないでしょうか?

――「どのような言葉を添えて体験学習を終わらせるか」というのが大事なんですよね。その時の言葉も全部本の中に書いてあります。この本が生まれたきっかけ自体は衝撃的な経験をしたからではありますが、酪農家は日々命が「生まれたり」「亡くなったり」という経験をしますから、いのちの大切さは子供たちに伝えられると思っています。

酪農家として、絵本を通して伝えられることはどのようなことでしょうか?

――絵本に限らず、酪農家として社会貢献できることがあればやっていきたいとは思っています。その時代に合わせて、社会が求めていることに対して「酪農家」としてサポートできることは積極的に応えていきたい。なので、今の社会において酪農家として何ができるかなというのはずっと考えていますね。絵本の制作もその活動の一部分なので、これからも酪農家として伝えられることがあれば、酪農教育ファームとしての活動や絵本の制作を通して伝えていきたいと思います。

株式会社須藤牧場 

住所:〒294-0005千葉県館山市安東337
電話番号:0470-22-9732
ホームページ:http://www.sudo-farm.com/

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