乳肉複合型経営のメリットって?カミチクグループが手がける酪農業に迫る | どっこいしょニッポン

乳肉複合型経営のメリットって?カミチクグループが手がける酪農業に迫る

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牛に携わる世界でも、肉牛をつくるための繁殖・哺育・肥育を専門にする畜産農家、それと乳牛を飼育しミルクを販売する酪農家、これらは全く別のものと言っていいでしょう。肉と乳では必要とされる技術がまったく異なるため、肉牛と乳牛両方を育てる「乳肉複合型」の経営をしている農場はあまり多くありません。

しかし、カミチクグループでは、鹿児島県で最初に「乳肉一貫体制」に取り組みました。

なぜこのような取り組みを始めたのか、またそこから生まれた乳製品について、常務取締役の日髙さんに教えてもらいました。

 

鹿児島では初!乳肉一貫体制の試みを始めた理由とは

カミチクファームは、鹿児島県では初の試みとなる「乳肉一貫体制」での酪農を行うため、2012年に伊佐牧場をスタートさせました。※創業時の名称は株式会社ケイミルク

「私たちカミチクグループでは、乳牛であるホルスタインの雌牛に和牛の受精卵を移植して、和牛の子牛を生ませています。こうして育てた和牛を肉牛として収入を得る一方で、母牛から搾乳したミルクを販売したり、このミルクを原料にさまざまな乳製品をつくったりして、さらなる収入を得ています。

このような方法により、和牛だけ繁殖・哺育する場合と違って大幅にコスト削減できます。なぜなら、和牛を繁殖させる場合、母牛のエサ代だけがかさんでしまいますが、乳牛を母牛にすると、同じようにエサ代はかかりますが毎日ミルクを得られます。だから、トータルで考えると無駄がありません。乳肉一貫体制だと、コストを抑えながらも酪農と畜産の両方に取り組めるのです。

こうしてお話を伺うと、とても効率よく運営されているように感じますが、伊佐牧場を運営スタートされた時は苦労の連続だったそう。

ミルクの味はその日の健康状態や食べる量によって決まるとても繊細なものです。肉牛とは違い、乳牛に関しては素人だったので軌道に乗せるまでに時間がかかりました。

それでも乳肉一貫体制にいち早く取り組んだのは、市場に左右されることなく、安定した経営をしていくためでした。現在の畜産業界を取り巻く状況は、子牛価格の高騰やTPPによる安価な輸入肉増大の可能性など、年々厳しくなっています。
だからこそ、自社で繁殖から、加工・乳製品製造・外食店舗経営と、牛に関わるすべてを一貫体制で取り組む方向性へと、カミチクグループはいち早く舵を取りました。

 

あっさり優しいミルクと、日本人が毎日食べられるチーズを生産!伊佐牧場の取り組み

伊佐牧場では、九州の水田を利用してつくった「飼料用イネ・飼料米」をベースに、自社でつくったエサを牛に与えています。エサにお米や稲わらを与えた牛のミルクは、あっさりと優しい味わいが魅力です。牛乳が苦手な人でも飲みやすいミルクなのだとか。

また、乳牛用のホルスタインだけでなく、無脂乳固形分が豊富でチーズつくりに適していると言われているブラウンスイスも飼育しており、それを、自社の工房でチーズに加工しています。

伊佐牧場では、「日本人が毎日食べられるチーズ」を目標に、フレッシュで食べやすいチーズがつくられています。加熱することでとろ〜りとろける「カチョカヴァッロ」や、なめらかさを最大限に引き立てた「クリームチーズ」が人気。

伊佐牧場で生産されたチーズや乳製品は、「伊佐牧場 直売所」で購入できます。

あっさりと食べやすくフレッシュなチーズ・乳製品は絶品。もし鹿児島に行くチャンスがあれば、ぜひ寄っていただきたい場所です。

▶カミチクファームのその他の記事はこちらから

伊佐牧場 直売所

http://isaboku.com/market.html

  • 営業時間:公式サイトをご確認ください
  • TEL:0995-29-3080
  • 定休日:火曜日
  • アクセス:〒895-2635 鹿児島県伊佐市大口山野1145-1

株式会社 カミチクファーム
http://www.kamichiku.co.jp/
〒899-3516 鹿児島県南さつま市金峰町浦之名2682
0993-77-0141

この記事を書いた人横田ちえ

鹿児島在住フリーライター。WEBと紙の両方で企画から撮影、執筆まで行っています。(取材範囲は九州が中心)鹿児島は灰が降るので車のワイパーが傷みやすいのが悩み。温泉が大好きです。 Twitter(@kirishimaonsen)  

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