スケールメリットを活かす、1万頭超の飼育頭数を誇る牛の肥育牧場 | どっこいしょニッポン

スケールメリットを活かす、1万頭超の飼育頭数を誇る牛の肥育牧場

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1万頭を超える牛の肥育牧場を経営している有限会社金子ファームは、最初から拡大路線で来たわけではない。

経営者の高齢化や後継者難で維持が難しくなった牧場の経営を引き継いだり、支援したりしているうちに、気がついたら今のような飼育頭数となった。

出荷頭数が増えれば従業員の雇用も発生する。従業員が増えれば休みも取りやすくなる。このように金子ファームはスケールメリットを活かして、持続可能な畜産業の仕組みを再構築したのだ。

 

牛10頭でのスタートから、今や1万頭超もの牛を飼う大規模牧場に

金子ファームの牛舎

金子ファームの大規模牧場が広がるのは、青森県七戸町。

東北新幹線七戸十和田駅にほど近い位置にある。もともと青森県六ヶ所村で勤めながら自給自足の農業をしていた金子春雄さんが、牛の肥育を手がけたくて41年前に七戸町に移り住み始めた。

牛一頭からのスタートだったが、周辺の畜産農家の高齢化や後継者難もあり、牧場経営の引き継ぎを依頼されることも増え、今では協力牧場分も含めて1万2000頭余りの規模の牧場になった。

 

創業者の父の名代で牧場経営を任され、グループ牧場を束ねる

金子ファームの牛舎にいる牛達

全頭数のうち3割ほどは、もともと個人の畜産農家に金子ファームの名前を使ってもらっている、いわばフランチャイズスタイル。利益を独占するのではなく、共存共栄の精神を大事にしている。

公職で忙しい春雄さんに代わって、現在は取締役で長男の吉行さん(40)が牧場の仕事を任されている。

 

牧場経営の安定化を目指し、あえて多品種飼育で飼育技術を培う

金子ファームにいる牛

飼っているのは、ホルスタイン種、交雑種、黒毛和種、ジャージー種の4種。

「時代の波や経済の流れに飲み込まれないよう、あえて単一種に絞らずに、あらゆる牛の飼育技術を磨いて経営の安定化を図るのが金子ファームの方針です。」と、吉行さん。

 

大量に出る堆肥と広大な用地を活かし、エサにするトウモロコシを栽培する

牧草を食べる金子ファームの牛

こだわっているのは循環型畜産。

エサには、トウモロコシ、大豆、麦を中心に調合した配合飼料と、県内産稲藁、デントコーン(家畜用トウモロコシ)、牧草を粗飼料として与えているが、堆肥で豊かな土づくりをしてデントコーンを育て、それを牛に食べさせるというサイクルが出来上がっている。

金子ファームで栽培中の菜の花

また、菜の花を栽培し、搾ったなたね油をオリジナル商品として販売しているが、その搾りかすも牛のエサになる。ちなみに、菜の花には蜂が群がるので、養蜂家との協力ではちみつも商品化している。
菜の花やひまわりが満開の頃には、それを楽しみに農場を訪れる人も多く、花を愛でて飲食を楽しんで帰っていく。すべてはこのように循環している。

 

若い人が希望を持って、はつらつと働ける畜産業のあり方を模索している

金子ファームの牧場

金子ファームの従業員は、牧場部門と飲食部門を含めて100名弱。そのうち半数以上が30代だ。今でも働きたいという希望があればどんどん受け入れ、適性を見て適材適所で働いてもらっている。必要なのは、真剣に畜産という仕事に対して向き合う気持ちと、経済を読む力に尽きる。

 

金子ファームの吉行さん

家族経営の畜産農家で育った吉行さんは、子どもの頃から家の仕事を手伝わされ、休むことも出来ない畜産が嫌で嫌でしょうがなかった。大学に入り、そのままサラリーマンになるつもりでいたが「逃げ切れなかった(笑)」と、吉行さんは笑う。

しかし、北海道の牧場に修行で就職した際、きちんと休みをもらうことができ、そのための支援や仕組みがあることを初めて知った。仕組みを変えていけば、畜産という仕事にもまだまだポテンシャルがあると、吉行さんは考えている。

金子ファームの牧場と青空

→「金子ファーム」のその他の記事はこちらから

有限会社 金子ファーム

http://kaneko-farm.jp/

  • 営業時間:要問合せ
  • TEL:0176-62-6393
  • 定休日:要問合せ
  • アクセス:〒039-2567 青森県上北郡七戸町鶴児平41

この記事を書いた人加藤隆悦

秋田市在住のフリーライター兼フリーカメラマン。企業探訪からレジャー情報まで、守備範囲は広範。地元の媒体を中心に、東北での取材案件があると全国誌等からも電話一本メール一本で声がかかり、クルマで東奔西走。長く続くフォトコラム、温泉探訪記の連載を持つ。 編集プロダクション studio woofoo by GMO

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