ゼノアック(日本全薬工業)、目指すは「ワンヘルス(One Health)」の未来。福井寿一社長にその思い聞く
この記事の登場人物
福井 寿一ゼノアック
もくじ
2026年4月21日(火)から24日(金)まで東京国際フォーラムで開催された第41回世界獣医師会大会(WVAC 2026)にプラチナスポンサーとして出展したゼノアック(日本全薬工業株式会社)。日本で世界獣医師会大会が開かれるのは、1995年の横浜大会以来、実に31年ぶり。本大会に寄せたゼノアックの思いに迫ります。
動物医薬業界のリーディングカンパニーとして

ゼノアックのロゴマークに込められた「好奇心の瞳(Gaze)」の思想をモチーフにした巨大な球体LEDビジョンを中央に据え、1946年の創業以来、日本の獣医療現場を支え続けてきた独自の「製造×直販」体制から、グローバル展開を見据えた「Vision 2030」への挑戦まで、ゼノアックの現在と未来を、没入感のある空間体験を通じて世界に向けて発信。「日本発」の現場力と品質を基盤に、次なるステージへの挑戦を表明しました。

福井寿一社長に、スポンサーシップへの思いを聞きました。
福井 日本で開催されるのは31年ぶり。今回日本獣医師会の藏内会長が世界獣医師会会長に就任されたことで、日本での開催に至りました。世界中から獣医師や研究者の方々が集まる大会ということで、やはり日本のメーカーとして貢献したいという思いがありますし、国内メーカーをリードしていきたいという思いもあります。
…「ワンヘルス(One Health)」を掲げたブースのコンセプトについて聞かせてください。
福井 今大会のテーマ「ワンヘルスで世界の獣医療が示す未来」を受け、我々も境界を超えたワンヘルスを大きく掲げています。これは人の健康も動物の健康も環境の健康もすべてはつながっているという、昨今世界で盛んに言われるようになったテーマでもあります。会場を見ていると、以前より動物用医薬品業界の重要性が認知されてきているのを感じますし、企業にも注目が集まるところがあるかと思います。

…今後、ゼノアックが挑戦していきたい未来はありますか?
福井 動物の健康を守るというやるべきことをやり続けるということが第一だと思っています。また、ゼノアックはメーカーでありながら営業員がいる直販体制を取っていることが強みであり、社員が現場で見聞きしたことの蓄えは我々の財産でもあります。これらを今後目に見える形にして、幅広く活用していければと思っています。
…日本企業として、世界の動物医薬業界で果たしたい使命はありますか?
福井 ものづくりを通じて世界に追いつきたいという思いはもちろんあります。現時点では世界の企業に比べると規模規模など追いつけないところはありますが、日本には優秀な学生さんが数多くいらっしゃいますし、基礎研究力は我々の誇る部分だと思っています。ですので、海外に新しいマーケットを広げながら、製品の輸出はもとより、基礎の段階からライセンス契約をするなど、ビジネスの仕方も柔軟に考えていきたいと思っています。今は変化のど真ん中という感じですね。

長年にわたり獣医師会の発展に多大なる貢献をされた先生方に贈られる日本獣医師会 獣医学術賞 授与式の様子

ゼノアックのブースで、ロングセラー製品「鉱塩」の広報を務める「鉱塩Boy&Gir (公式Instagram)」を発見!

ゼノアック キャトル営業本部に所属する松田簾氏がアメリカ ニューヨーク州北部で研究した、鉱塩によるミネラル摂取がホルスタイン牛の生産性に及ぼす影響についての発表もおこなわれました
<ONE WORLD, ONE HEALTH, ONE MEDICINE>

福井社長の話にも出た「ワンヘルス(One Health)」について少し説明を加えておきます。
「ワンヘルス(One Health)」とは、人・動物・生態系の健康を一つのものとして捉え、守っていこうとする考え方で、新型コロナウイルス感染症を機に、世界的に関心が高まっています。
その背景には、増え続ける「動物由来感染症(人獣共通感染症)」の存在があります。新型コロナウイルス感染症も動物由来感染症の一つ。SARS(重症急性呼吸器症候群)やエボラ出血熱もそうです。過去100年、動物由来感染症は急激な増加の一途をたどってきました。
これらの感染症の増加の背景には、世界人口の増加、人やモノの移動距離の総数、森林破壊などが関係していると考えられています。また、口蹄疫や豚熱、鳥インフルエンザなど動物の感染症も、我々に甚大な被害をもたらします。越境性動物疾病は、動物検疫などの水際対策や農場レベルでの侵入防止対策などを強化して未然に防ぐことが求められます。
このように動物と人間の健康、環境の健康はすべてつながっていて、医療・獣医療・環境行政・地域社会が横断的に連携することが不可欠とする考え方が「ワンヘルス(One Health)」です。

「WVA One Health Summit」のパネルディスカッションでは、アメリカ、ドイツ、インド、ベトナム、日本…各国の獣医師らが集い、ワンヘルスへの理解度の現状、診療にAIをどのように活用しているかなどの情報が共有されました

肺エコーや講師の消化器疾患に関する臨床研究の第一人者であるTheresa Ollivett先生(米国ウィスコンシン大学獣医学部)による発表の様子
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