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小美玉ヨーグルトサミットに参加。  地域と酪農を盛り上げる若い力

  • #六次化

この記事の登場人物

木名瀬 一也
木名瀬牧場
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2018年の10月20日・21日の二日間、全国でも有数の酪農地域である茨城県の小美玉市で「第1回全国ヨーグルトサミット」が開催されました。
北は北海道から南は九州まで、全国各地のご当地ヨーグルト100種類が集結し、さまざまな催しが行われたこのイベント。地元で両親とともに木名瀬牧場を営む木名瀬一也さんは、実行委員として重要な役割を担いました。

就農6年目の若手酪農家が仕事の合間を縫ってイベントの企画に参加した理由とは?木名瀬さんにお話を伺いました。

地域のイベントを地域住民の手で作りたい―

―ヨーグルトサミット参加への思い

サラリーマン経験を経て就農した木名瀬さんは、結束力の強い地域の組合に支えられ、先輩酪農家の背中を追いかけながら日々奮闘しています。

そんなコミュニティの繋がりで、木名瀬さんは小美玉市が企画する

ダイヤモンドシティ・プロジェクト」に参加することに。

地方創生の一環として、地域の特色を活かし、出会いや結婚、出産、子育て、教育、就業など、多くの人が小美玉に魅力を感じるさまざまなストーリーを創出するこのプロジェクトは、ヨーグルトサミットを成功へ導くための基盤となりました

「ダイヤモンドシティ・プロジェクトのなかで、僕は酪農家の仲間と一緒に、酪農家の人材育成に関する企画を進めていました

その流れでヨーグルトサミットに参加しないかと主催の方から声をかけていただいたんです。ダイヤモンドシティ・プロジェクトに参加して仲良くなったメンバーが多く関わることになったので、田舎特有の利権が絡み合うようなこともなく、自由に意見を出し合うことができました。

プロモーションの部分やメインコンテンツのヨーグルト総選挙などは電通さんにお願いをしましたが、そのほかのコンテンツはすべて自分たちで考えたので、誰かにお願いしているような感覚ではなかったですね。“自分たちの企画”という思いで関わることができました。

「人の引きが強いんです!」酪農家として地域活動に関わる理由

さまざまな企画が行われたヨーグルトサミットの中で、木名瀬さんが関わったのは、ヨーグルトをビジネス的な観点で考える「ビジネスサミット」

東北大学大学院 農学研究科教授 齋藤 忠夫さんやカップヨーグルト研究会の向井智香さんなど、豪華なゲストを招いた講演が二日間にわたって開催され、大盛況のうちに幕を閉じました。木名瀬さんはビジネスサミットの企画から登壇者の人選、さらには登壇の交渉まで全てを担当したのだそう。

僕はすごくラッキーな人間で、いつも“人の引き”が強いんですよ。自分がやりたいと思ったことを叶えてくれる人や、協力してくれる人がいつも周りにいるんですよ。僕みたいに頭が悪いヤツは誰かに頼るしかないから(笑)。人に恵まれていること、それだけが自分の取り柄です。

3Kイメージに囚われているのは酪農家自身では?意識は些細なことから変えられる

仕事に対しては「まだまだ下っ端です」と恐縮しながら、臆することなく積極的に地域活動に関わる木名瀬さん。そこには、「酪農の魅力をもっと知って欲しい」という多くの人に向けた思いとともに、同じ酪農家にも向けたあるメッセージが込められていました。

「酪農って、『臭い』とか『汚い』とか、一般的にすごく悪いイメージばかりが植え付けられていると思っていました。しかし、自分が就農してみて、酪農家自体がそのイメージに囚われていることに気が付いたんです。

『牛屋だから結婚できない』『牛屋だから遊びに行かない』『牛屋だからオシャレできない』『牛屋だから表舞台には立たない』とか……。

でも僕から見た酪農家の先輩は『かっこいい!』『こんな酪農家になりたい!』と憧れる存在

僕が積極的に地域活動に関わって酪農家の魅力を発信することで、自分たち酪農家自身の意識が少しずつでも変わればいいなと思っています。

例えば、外出するときは作業服を脱いでちょっと綺麗な格好に着替えるとか、ちょっとしたことで印象はガラッと変わるじゃないですか。そういう些細なことから始められることはたくさんあるはず。」

当事者自身がイメージに囚われている……これは他の仕事や業界でもあることなのかもしれません。

異業種から就農することで酪農の仕事を客観視し、自らを「ラッキーな人間」と語る人当たりの良さで周囲との関係を深め、積極的に地域活動に参加する木名瀬さん。

若き力は小美玉の酪農業界に心地よい風を吹かせているようです。

木名瀬牧場

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  • 営業時間:ー
  • TEL:ー
  • 定休日:ー
  • アクセス:小美玉市柴高 428 

飼養頭数 93頭

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