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「1次産業×2次産業×3次産業=6次化」が叶える、カミチクファームの究極の一貫体制

  • #六次化

この記事の登場人物

日髙 明生
カミチクファーム
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鹿児島県では初の乳肉一貫体制での牛づくりに取り組み、独自の6次化スタイルを展開しているカミチクファーム。
具体的にどのような取り組みをしているのか、また6次化に成功した理由について、常務取締役の日髙さんにお話を伺いました。

エサづくりから繁殖・飼育・食肉加工・外食店舗経営・オリジナルブランド牛まで。カミチクファームの6次化スタイル

●地域の強みを活かしたオリジナル飼料「TMR発酵飼料」

▲WCS(飼料用イネ)。

カミチクファームでは、九州の契約農家でつくってもらったWCSという飼料用イネをメインに、焼酎粕や澱粉粕などの地域の副産物、一部輸入穀物などをブレンド発酵させたオリジナル飼料「TMR発酵飼料」をつくっています。

「牛の肉質には、エサが一番影響するんですよ。」と、日髙さんは言います。

▲WCSを機械の中に入れ、中で混ぜ合わせている様子

契約農家と連携し、農場の牛糞でつくった堆肥を使う循環型の農業にも取り組んでいます。

▲「TMR発酵飼料」をパッキング。

国産で飼料をつくるとコストが高くつきそうなイメージですが、広い視野で見るとそうでもありません。安定した価格で高品質な飼料を確保できる上に、いい飼料はいい肉質にも繋がります。

 
「手をかければかけるほど、牛はきちんと答えてくれます。エサ入れに散在したエサは、このように箒で一か所に集めると牛が好奇心を刺激されてよく食べてくれます。こうやって少しでも手と目をかけることが大事です」

▲どの牛も食欲旺盛だったのが印象的でした。

●よりよい牛をつくるために。人工授精所で受精卵を研究

 
カミチクファームでは、2008年に許認可を取得し人工授精所を開設。受精卵の研究も始めました。

ここで種を採り、繁殖させた子牛の成績を見て、血統を分析し、また繁殖に役立てるのがカミチクの6次化スタイルの強みです。グループの直販部門や、外食店舗でのお客さんの反応をブランド牛育成に役立てています。

こちらの大きな牛は、「隆華姫」。今授精所にいる種牛10頭の中で一番好成績の種牛だとのこと。

 
人工授精所には放牧地を設けています。人工授精で妊娠しにくかった雌牛を放牧し、種牛から生付けします。

●と畜からアウトパックまでを一貫で行う、加工センター

カミチクの加工センターでは、と畜から製品のアウトパックまで一貫で処理するラインを設置しています。徹底した衛生管理で安心・安全な製品づくりに取り組み、食品安全マネジメントの国際規格であるISO22000も取得しています。

従来は大きな単位でしか提供できなかった牛のホルモンを小パックで提供するなど、消費者の立場に立ったアウトパックをしています。

こうして丁寧に処理された肉は、卸売りだけでなく、カミチクグループの直販部門や外食店舗でも販売。お客さんの生の声を聞き、生産に役立てています。

●外食店舗経営、海外進出にも注力

▲鹿児島直産のお肉が食べられる焼肉店、Beefar’s

2006年にスタートした外食事業は、2018年には香港にも進出。今後は、肉の輸出や外食店舗経営だけでなく、カミチクの6次化事業モデルをそのまま海外に輸出しようと取り組んでいます。

「カミチクが今まで培った技術や文化を、海外の違う土俵でも育んでいきたいです。現地の文化も柔軟に取り入れながら進めることで、新しいイノベーションが起こるかもしれません。楽しみですね」

●カミチクファームのオリジナルブランド牛

また、カミチクファームファームでは、オリジナルブランド牛の生産も行っています。代表的なブランド牛をご紹介します。

▲薩摩牛 4%の奇跡(提供:カミチクホールディングス)

こちらは、カミチクの最高級ブランド「薩摩牛 4%の奇跡」。

薩摩牛の生産者が出荷する牛の中から厳選したA5のBMS10番以上を最低条件としている超プレミアムな肉質で、繊細な霜降りが見た目にも美しい牛肉です。
この響きの良いブランド名は、カミチクの社員で考えたのだそうです。

▲元米牛(提供:カミチクホールディングス)

こちらは、九州産のお米を食べて育った牛、「元米牛」。
脂があっさりとしていて食べやすく、ヘルシー志向にマッチした牛肉です。脂の融点が低いため、口の中でとろけるような味わいが特長。

なお、カミチクグループのオリジナルブランド牛は、鹿児島県内だけでなく、東京や大阪の「黒毛和牛焼肉 薩摩 牛の蔵」・「産直焼肉ビーファーズ」・「薩摩産直 炭火焼肉 うしかい」・「炭火焼肉 ホルモン 丹田」・「炭火焼肉のて」で食べられます。

牛肉・豚肉・乳製品・加工食品・外食事業まで。幅広い展開を成功させた理由とは

 
そもそもなぜこのような6次化スタイルに至ったのでしょうか。日髙さんに伺いました。

「生産を安定させて付加価値を付けていくためです。そうでないとこれから生き残れません。我々の一番の強みは生産者がエサづくりから繁殖・飼育・加工としっかり手をかけた肉を、産地直送で届けられるということです。また、乳肉一貫体制、乳製品製造、自社での外食店舗経営などを通して、よりブランド力を強めるべく取り組んでいます。」

独自の6次化を成功に導いたポイントとは

 
このような独自の6次化の成功には、地域との連携が必要不可欠だと日髙さんはいいます。

「一貫体制をつくってコストを抑えたことや、社員の採用・教育など、たくさんの要因がありますが、外部的なことでお話しすると、地域と連携していく姿勢だと思います。新しい地域に入る時は、必ず地域の方のご理解が必要になります。なので、説明会を開いたり、地域の行事に参加したり、積極的に関わらせていただきます。そうすることで、土地を貸していただけたり、契約農家と連携した飼料づくりに取り組めたり、地域に根ざしていくことができます。地域の方に信頼していただけるような誠実で素直な姿勢を心がけています」

株式会社 カミチクファーム

http://www.kamichiku.co.jp/ 

  • 営業時間:
  • TEL:0993-77-0141 
  • 定休日:
  • アクセス:〒899-3516 鹿児島県南さつま市金峰町浦之名2682  

●全頭数18,000頭 

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