畜産を学ぶ

「畜産の未来は明るい」──次世代を担う農高生が鈴木農水大臣に直撃!これからの時代に求められる視点・経験とは?

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今年も8月にどっこいしょニッポンの「畜産に生きる会議」が開催決定!

全国から集まる農業高校生・大学生など畜産を学ぶ学生と生産者、畜産関係者、みんなでワクワクする畜産の未来を考える1日を予定しています。

そこで、これからの畜産業界に貢献できる人になりたい! と熱い闘志を燃やす農高生たちが農林水産省の鈴木憲和大臣を訪ね、その思いを届けるとともに、この先どのような人材が求められているのかなどを聞いてきました!

いざ、農水省へ!

始まる前から学生一人ひとりに「どこの学校?」など気さくに話しかけてくださる鈴木大臣。「最寄りの駅はどこ?」「JR八高線の箱根ケ崎駅です」「八高線はまだ乗ったことがないなぁ」「今度ぜひ乗ってください!」といったやりとりの後、和やかにインタビューがスタート。

学生によるインタビュー

栃木県立矢板高校・大貫誠樹(農業経営科 3年)

僕は学校で畜産とカーボンニュートラルについて研究していて、持続可能な畜産について考えています。鈴木大臣が考える未来の畜産の姿と、そのためにどんな人材が求められるか、聞かせてください。

鈴木大臣 世界人口が増える中、今まで貧しかった国も経済成長して豊かになり、タンパク質の需要が今すごい勢いで伸びています。地球という限られた資源の中で、どうやってタンパク質を人類に供給し続けることができるかが、おそらくこれからの大きな課題になってきます。畜産は動物を飼うことでCO2やメタンなど温室効果ガスを排出します。でも温室効果ガスを出すのは実は畜産だけでなく、稲を育てる田んぼからも出ているんです。だからそれらをいかに抑えて持続可能な畜産業を作っていけるか、大貫くんが今研究しているようなことがこの先とても大事になってきます。日本が今後そうした技術を世界に広めていける可能性もあるんです。だからこそ、世界がどうなっているかに関心を払い、その中で自分たちの存在意義を考えられる人になってほしいと思います。

神奈川県立中央農業高校・野本悠太(畜産科学科 3年)

僕は将来畜産について教える農業高校の先生になりたいと考えています。僕らはこれからどんな経験や勉強をする必要があると思われますか?

鈴木大臣 やっぱり英語、語学を頑張ってほしいです。もちろん受験の勉強は必要ですが、それプラス、世界の人と物怖じせずにコミュニケーションが取れるようになることは大切です。世界ってすごく広いんです。だからさまざまな国や地域に行って、私たちが想像のつかないような環境に置かれた人たちがいることを、ぜひ若いうちに知っていただきたいです。特に先生になって次世代の子どもたちに伝えていくなら、自分で見たことがあるか、自分でその空気を吸ったことがあるか、リアルに経験したかどうかはとても大事になると思います。社会人になるとどうしても時間が限られてしまうため。海外に行きたいな、アフリカに行ってみたいなと思っても、仕事があるからなかなか時間が取れない。だからチャンスがあるうちにいろんなところに行ってください。英語を上手にしゃべろうなどあまり難しく考えずに、コミュニケーションができるかが大事だと思います。

神奈川県立相原高校・佐々木柚奏(畜産科学科 3年)

牧場に実習に行くと、農家さんたちが次世代育成の機会を作ってくださることは多いのですが、国から何かを受けた実感はほとんどありません。国が次世代育成のために力を入れていることを知りたいです。

鈴木大臣 いい質問です。ありがとうございます。農業高校に入る皆さんは、必ずしも家が農家ではないですよね。むしろ非農家のほうが圧倒的に多いと思います。そんな中、高校生になって初めて携わる農業の現場が昔ながらの設備であれば、ダサいなと思ってしまうかもしれません。だからできるだけ学校の設備は最先端のものに変えていけるよう、設備投資にお金を出すようにしています。そして、以前「高校卒業後は大学での研究ではなく、農業の現場に近いことを学びたいけど、2年制の農業大学校では大卒にならないから困る」という声をいただいて、その両方を叶える大学(静岡県立農林環境専門職大学・東北農林専門職大学)を作りました。こうした学びの場の多様化も推進しています。

東京都立瑞穂農芸高校・加瀬福人(畜産科学科 3年)

僕は今黒毛和牛の肥育を勉強しているのですが、赤身肉人気が高まってきている中で、今後和牛の需要はどのように変化すると思われますか?

鈴木大臣 今年4月にはバングラデシュに行き、経済連携協定(EPA)の締結により和牛肉の関税の段階的な撤廃が決定されたように、世界にはまだ和牛の良さを知らず、今後求めてくださる人もたくさんいます。そうした需要に応えていけるようにすること、そして、みんなが感動するおいしい肉を生産すること。餌もそれなりで早く太らせて出荷してしまうのもひとつのやり方ですが、やはり脂の質も求めて、長い期間をかけて本当においしい肉を作って、“もっと食べたい”と思ってもらえるようにするほうが、今後和牛はうまくいくと思います。和牛が脂っぽすぎると思っている方にはぜひ私の地元の山形の米沢牛を食べてみてほしいです!

神奈川県立相原高校・加藤陽奈子(畜産科学科 3年)

中学生に向けた高校の説明会で、畜産の魅力をもっと伝えたいのですが、中学生の中で「汚い」とか「臭い」、大動物は「怖い」など、マイナスなイメージが強いなと感じています。

神奈川県立中央農業高校・宮岡梓(畜産科学科 3年)

私は中学時代は不登校で3年間学校に行けていなかったのですが、高校で牛と出会ったことで、前を向くことができたので農業高校の魅力をもっと伝えたいのですが、どうすればいいと思われますか?

鈴木大臣 まず現実的な話をすると、農業は“稼ぐことができる”という状態にすること、そして地域への貢献だと思います。農林水産業は日本人の命を支える大切な産業です。スーパーに行けば当たり前のように食べ物が手に入るけど、それは作ってくれている人がいるからです。やはりその価値をみんなに伝えていくことで、“農業の道に進んでみたいな”と思ってくれるんだと思います。そして、せっかく農業高校に入ったのに設備が古いとさっき話したようにがっかりしてしまうので、未来を感じられるような世界にすることが大事だと思っています。「怖い」であれば、子牛に触れてみてもらうとか、親しんでもらうのもひとつ。そうすると命をいただくという気持ちも生まれるかなと思います。

東京都立瑞穂農芸高校・森岡大河(畜産科学科 3年)

僕は高校で豚の魅力にどっぷりハマりました! 世界をご覧になっている鈴木大臣から、日本の畜産物のここがすごいぞというところを教えてください!

鈴木大臣 これはもう、圧倒的においしいということです。

日本で畜産物を積極的に食べるようになったのは明治時代以降ですよね。西洋から牛肉を食べる文化が持ち込まれて、日本らしくすき焼きなどに発展して今に至っています。各地で黒毛和牛の血統を守りながらここまで育ててきてくれたことは財産だと思うんです。これをもっと世界中の方々に知ってもらい、味わっていただくことが稼ぎにつながると思っています。もちろん畜産分野には向き合わないといけない難しさはたくさんありますし、思うようにいかないこともありますが、可能性しかないですよね。マイナスのイメージって、どんな仕事にもあるんです。だからそれをことさら言う必要はないと思っています。第一次産業に携わる人たちは、儲かっていても「儲からない」と言う傾向にあるけど、僕はちゃんと「儲かる仕事」と言い続けることが大切だと思います。みんながYouTuberに憧れるのも同じでしょ? 稼げるってわかっていたら、自分もやろうかなって思うじゃない。

栃木県立矢板高校・金子‹彩香(農業経営科 3年)

私は畜産に携わる道に進みたいと考えていますが、周りには不安になったりこの道を諦めてしまう学生もたくさんいます。そんな私たちにエールをお願いします!

鈴木大臣 “やりたいな”と少しでも思った方は、絶対にやってください!

必ず未来は稼げますから。画像センシングなどAIのテクノロジーが著しく進化してきている中で、畜産の現場ではまだまだ導入しきれていないのが現状です。皆さんの世代が現場を回す頃にはきっと今とはまったく違う畜産の世界になっていると思います。例えば「臭い」というマイナスのイメージであれば臭くない糞になる開発がされる可能性もありますよね。だって臭いは何かの菌の発酵からくるものなんでしょ? 日本の畜産物は育てる時にまったく臭くないらしいぞとなれば、その品種をほしいと思う国も出てくるよね。そんな時代を作っていけたらいいなと思います。だから、やりたい人はやってください。絶対後悔しないと思います。

それに、「安いもののほうがいい」と考えていた僕たちより上の世代と違い、みんなの世代は食育や地域の大切さを学校で学んでいます。これからはいろんなことを考えて消費をしていくと思うので、日本の未来は明るいと思います。ただそのためには、いくらきれいごとを言ったって稼げないといいものは買えないわけだから、良い循環を国全体で作っていくことだと思います。

インタビューを終えて

森岡大河

バングラデシュのことや海外の話を聞きながら、日本の畜産は世界の視点から見ても誇れるものだと知ることができました。畜産は大変な仕事ではあるけれど、好きであれば、他の国よりも品質が良いものを生み出してしっかりと稼いでいける仕事になること、そして畜産がいかに大切な仕事かを再認識しました。これからは今以上に畜産や動物について知り、現場だけではなく多角的視点で、周りが見れる人になりたいと思いました。

金子彩香

鈴木大臣の「畜産の未来は明るい」という言葉で、畜産の道が今までより良い印象になりました。周りではこの道を諦めてしまう学生も多く、家畜にマイナスな印象を持つ人もいる中で、今畜産業界で仕事をされている方々はいろんな工夫をされていて、改めてすごいなと思いました。私も将来自分が畜産を楽しめるように、高校や大学でたくさん勉強と経験を積んで、畜産について考え、人との関わりを増やしていきたいと思いました。

佐々木柚奏 

驚いたのは日本の畜産にはマイナスイメージがあるという声に対して鈴木大臣がとてもポジティブに答えられたことです。例えば「臭い」イメージに対して、それは仕方のないことで、変えていける可能性がある、変えられればそれは今後の売りになるとおっしゃって、確かにそうだなと思いました。自分がマイナスだと思っているだけで本当はマイナスでもなんでもないことの方が多いのかもしれないし、もしかしたら畜産に関わる仕事にはもっとポジティブに物事を捉える考え方が必要なのかなと強く感じました。

野本悠太  

最初はうまくしゃべれるかわからず緊張していたのですが、大臣がとても気さくで優しく、楽しく畜産についてお話しすることができました。大臣の話を聞いて、日本の食を支える畜産の仕事に自分が携わるのが、さらに楽しみになりました。県内外、海外の酪農家さんのところにも行ってそれぞれのやり方を学び、より良い酪農経営について考えられるようになりたいです。そして将来は農業高校の生徒に畜産を楽しいと思ってもらえるような授業ができる先生になりたいです。

加瀬 福人  

鈴木大臣の話はどれも勉強になる話ばかりで、中でもこれからは「稼げる時代を作る」といった話をしてくださったのが印象的で、特に和牛は楽しそうだなと思いました。一緒に参加した高校生も農業高校に入ったことで人生が大きく変わったり、海外研修でオーストラリアに行っていたり、すごいと思うと同時に自分も頑張らなきゃなと思いました。自分もやりたいことに向かって勉強に励み、いつかこのインタビューに参加して良かったと言えるようになりたいです。

大貫誠樹  

畜産のマイナスイメージである「臭い」や「大きい動物が怖い」といった要素をどのように改善、またはプラスに持っていくか、中学生や一般の方々に伝えられるかという質問に対して鈴木大臣から「品種改良で糞が臭くないようにできないか」「臭い臭いと言ってるけどその人たちも牛乳とかお肉とか食べてるよね」など自分の中にはなかった発想の返答があり、現場と消費者の日常の繋がりについて考えることができる良い体験でした。他校のメンバーと一緒に案を出し合うことで、自分の成長や楽しさも感じました。

宮岡梓

鈴木大臣が現場の声や若い世代の考えを大切にされている姿勢が伝わってきました。自分が日頃取り組んでいる山地酪農や放牧の研究も、日本の農業の未来につながる挑戦なのだと感じ、学びや活動へのモチベーションが高まりました。改めて畜産に携わる仕事は、ただ動物を育てるだけではなく、人の暮らしや地域、そして日本の食を支えるとても大切な仕事だと感じました。私は牛と出会ったことで前向きになることができました。これからは自分も、牛にも人にも優しい畜産の未来づくりに関わっていきたいと思います。

加藤陽奈子 

畜産を楽しいと思う反面、重労働や低賃金、臭いなどとマイナスなイメージへの不安も持っていたため、鈴木大臣が「畜産の未来は明るい!」と言ってくださったことで、自信を持って魅力がたくさんあると断言できるようになりました。高校で取り組んでいる食育活動についても大臣の意見を聞くことができました。私も農業高校に入って初めて牛の温かさや命の大切さ、食のありがたみを身をもって感じることができたので、この経験を伝えていくことが大切だと思いました。

■あなたの可能性をひろげる「畜産に生きる会議2026」開催決定!

8月24日(月) 東京(御茶ノ水)にて
OPEN:9:00/START 9:45(CLOSE:18:00予定)
@御茶ノ水トライエッジカンファレンス 
入場料:学生無料

自分の未来を、その手でつかみに行こう!

参加申し込み受付開始!

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