家族経営から企業経営へ移行。「なんじょう牧場」は俺たちが盛り上げる!
この記事の登場人物
中村 成則株式会社 なんじょう牧場
この記事の登場人物
池谷 豪貴株式会社 なんじょう牧場
沖縄の南城市にある株式会社なんじょう牧場(以下、なんじょう牧場)。
家族経営の牧場「アーミーファーム」としてスタートしてから徐々に規模を拡大し、10名規模の企業へと成長しました。変化を恐れず挑戦を続けてきたフロンティアスピリッツの裏には、中村社長と、ひとりの男性の出会いがありました。
もくじ
「儲けるためにやるのではない。」経営のプロが考える6次産業化のあるべき姿とは
お父様が営んでいた牧場を引き継ぎ、平成16年に新規就農した社長の中村成則さん。
限られた牛舎の規模で利益を上げるために、中村さんが目をつけたのが「6次産業化」でした。
早速、6次産業化の方法を教わろうと、中村さんはとある地元のジェラートショップを訪ねることに。その店を経営していたのが、現在なんじょう牧場で副社長を務める池谷豪貴さんだったのです。
池谷さんは経営者であり、企業再生などの相談も受けてきた“経営のプロ”として、中村さんにはすぐに6次産業化のイロハを教えることはありませんでした。
2年間、中村さんとじっくり話をし、コンサルタントという立場でなんじょう牧場の業務を把握。そのうえで、少しずつ経営全体を見直していったのです。
愛着のある牧場の名前を改名。なんじょう牧場が踏み出した新たな一歩
池谷さんの考えにより、6次産業化を急ぐのではなく、改めて経営の根本を改善しはじめたアーミーファーム。2018年の4月には事業社としての名前を変更しました。中村さんの愛娘の名に由来する、愛着のある牧場名「アーミーファーム」を捨てることには、一体どのような意味があったのでしょうか?
池谷さん 「私が経営に関わることで、やり方はこれまでの家族経営から大きく変わり、社長としてはやりたくないことをやらされることもあると思います。そういったことも受け入れながら、企業として成長していけるか……社長の姿勢を見たかったんです。」
中村さん「愛着のある名前でしたから、戸惑いがなかったといえば嘘になりますが、新しい考えを取り入れない限り発展はありません。池谷さんと何度も話をしながら『この人なら信頼できる』と思い、改名することを決めました。」
2人の想いが合致した結果、「株式会社なんじょう牧場」が誕生。池谷さんが副社長に就任し、新たな一歩を踏み出しました。
「人柄」と「頭脳」なんじょう牧場を牽引する最強コンビ!
なんじょう牧場は2つ経営理念を掲げています。それがこちら。
・酪農による文化的な生活への貢献を目指す
・エコロジーを重視し地域との調和を図る
そして、事業としては乳牛を育成して搾乳する「酪農事業」に加え、糞尿分離型システムを採用した「堆肥事業」も展開。100%牛フンを使用した「すくすくゆうき」というオリジナルの肥料も製造・販売しています。
一般的に家族経営の牧場の場合、生活の一部として酪農の仕事がルーティン化されているため、そのやり方を見直し事業を拡大させるというのは難しいもの。
しかし、なんじょう牧場は、確固たる経営理念のもと、定期的に打ち合わせの場を設け、社員同士で意見を交わしながら、目的意識をもって取り組むという「企業」としての姿勢を大切にしています。
こうした発想をなんじょう牧場に持ち込んだのは、紛れもなく副社長の池谷さんでした。
時にはシビアに決断し、ロジカルに物事を捉える頭脳派の池谷さんと、柔軟な思考で池谷さんを信頼し、経営の舵取りを任せながらも、持ち前の人柄の良さで人望を集める中村さん。
年齢も離れ、キャラクターも異なりますが、2人はまさに最強コンビ。酪農を経営するうえで、ひとつの理想的な形と言えるかもしれません。
中村さん「酪農はうまく経営できている農家とそうでない農家の差が大きい業界。例えば、飼育頭数や牛舎の規模が同じような農家でも、収入は10倍くらい違うなんてこともあります。池谷さんに出会えた僕はついてるんです(笑)。ただひとつ誇れることは、誰かに相談しようと思って行動したことと、池谷さんの経営手腕を信じ、任せられたこと。これからは沖縄の酪農が次世代につながるよう、新しい就農者の育成に力を入れていきたいと考えています。」
株式会社 なんじょう牧場
- 営業時間:ー
- TEL:ー
- 定休日:ー
- アクセス:〒901-0616 沖縄県南城市玉城字前川1138番地
全頭数:150頭