松下牧場
静岡県富士宮市、標高850mの富士山西麓に広がる朝霧高原に佇む松下牧場。ホルスタインやジャージー、ブラウンスイスなど、搾乳牛約60頭と育成牛約40頭を飼育しています。
また、搾乳や給餌、ブラッシングやバター作りなどの酪農体験が行える「酪農教育ファーム認証牧場」として、年間1万人が訪れています。
もくじ
目の前には富士山。豊かな環境で人と動物が共存する“ハイジの世界”
松下牧場は戦後間も無く長野県下伊那郡から移住して広大な土地を開拓し、わずか数頭の牛を飼い始めたところからスタートしました。
現在代表を務めるのは3代目の寛さん。妻の知世さんと従業員2名で牧場を営んでいます。
2棟の大きな牛舎に、15ヘクタール(東京ドーム3個分)の広大な牧草地。牛だけでなく、犬や猫、ヤギがともに暮らし、目の前には富士山の絶景という豊かな環境は、まさに私たちが思い描く“ハイジの世界”。
動物たちの鳴き声とともに、風の音や木々のざわめきが聞こえてきます。
ロボット導入で作業負担を減らし、従業員の充実したライフスタイルを実現
牧歌的な雰囲気とは裏腹に、松下牧場は働く人にとってより良い環境を目指し、先進的な技術導入にも力を入れています。そのなかで、この地域ではいち早く搾乳ロボットを取り入れました。
搾乳ロボットとは、牛舎内に設置したロボットの中に乳牛が入ると、乳房の位置をカメラやセンサーで検知し、自動で搾乳してくれるシステムです。通常は1日に2回の搾乳作業を人の代わりに行ってくれるので、従業員の負担が大幅に軽減されます。
松下牧場は搾乳ロボットを導入したことで、4名の働き手で60頭の搾乳を無理なくこなし、酪農教育ファームとしての取り組みにもより一層力を入れながら、残業はほとんどなし。仕事の後は仲間と食事に出かけたり、家族との時間を過ごしたりと、プライベートも楽しみ、充実したライフスタイルを実現しています。
年間1万人が訪れる観光牧場。酪農の魅力を伝え、地域活性化にも貢献
松下牧場は牛乳の出荷を経営の主軸にしながら、社団法人中央酪農会議・酪農教育ファーム推進委員会公認の「酪農教育ファーム認証牧場」でもあります。
一般の人だけでなく、県内外の小中学校が食育授業の一環としてプログラムに取り入れ、年間1万人もの人が訪問。搾乳や給餌、ブラッシングやバター作りを体験しています。
牛との触れ合いから、改めて命の尊さや食べ物の大切さを学ぶ貴重な体験。これまでには「私も小学生のときに松下牧場で酪農体験をしたんです!」と話す学校の引率の先生や、酪農体験をきっかけに酪農の道に進んだ人もいるのだそう。
「体験を通して酪農の仕事の素晴らしさやこの土地の魅力をたくさんの人に伝え、この地域をさらに盛り上げていきたい」と、寛さんは語ります。
// 農場情報
- 名称
松下牧場
- 所在地
〒418-0101 静岡県富士宮市根原221
- 電話番号
0544-52-0729