たまごソムリエ 友加里の「NO EGG,NO LIFE !!」 たまご2個で、みんなニコニコ【後編】~たまごって長持ちするの!?たまごの誤解を一挙解決~
この記事の登場人物
松本 邦義松本米穀精麦株式会社
この記事の登場人物
友加里たまごソムリエ
たまご2個で、みんなニコニコ【前編】~たまご1日2個運動に迫る~に引き続き、後編となる今回も、たまごソムリエの友加里さんと、松本ファーム代表取締役で日本卵業協会の副会長を務める松本邦義さんに、たまごのお話を伺いました。
もくじ
たまご2個で、みんなニコニコ【前編】~たまご1日2個運動に迫る~に引き続き、後編となる今回も、たまごソムリエの友加里さんと、松本ファーム代表取締役で日本卵業協会の副会長を務める松本邦義さんに、たまごのお話を伺いました。
教えていただいたのは、「たまごに関する疑問」について。
「たまごは1日1個しか食べちゃダメ」という世間の常識を覆す、「たまごは1日2個食べよう説」を熱く説いていただいた前編に続き、今回もたまごに関する驚きの事実が明らかに!
これで解決!たまごに関するQ&A
Q.たまごは栄養価が高いって、本当!?
まずは、たまごの栄養価についてのお話から。
たまごは栄養価が高い――これって本当ですか?
「本当です!」
たまごは、栄養価の高さを表すアミノ酸スコアが100の食品。「完全栄養食品」ともいわれるほど、栄養満点の食べ物なのです。
「人間に必要な栄養素のなかで、たまごに含まれていないのはビタミンCと繊維質だけ。それ以外はすべて含まれています。」と、友加里さん。
「玄米が主食だった時代は、玄米とたまごを食べていれば、それだけで栄養が足りていたくらいです。玄米にはビタミンCと食物繊維が入っていて、同時にたまごで栄養素を補えますから。そういう意味で、たまごかけごはんって、すごい食べ物なんですよ。」松本さんも、そうおっしゃっていました。
○アミノ酸スコアとは、人間が生きていくために必要な「たんぱく質のもと」であるアミノ酸のうち、食品から摂取しなければいけない必須アミノ酸の含有量を表した数値。この数値の上限は100で、数値が高ければ高いほど栄養価が優れた食品だとされています。
Q.たまごはカロリーが高いって、本当!?
それだけ栄養価が高いということは、たまごってカロリーも高いのでは?
「ブブー!たまごは、実は低カロリーなんです!」
これも、たまごに関する誤解のひとつ。栄養が高いゆえに高カロリーだと誤解されがちですが、たまごのエネルギーは1個あたり90キロカロリー程度です。
年間1,000個はたまごを食べているという友加里さんも、とってもスリム。
「私は、たまごにはヘルシーな食べ物という印象しか持ってないですよ」とおっしゃっていました。
ちなみに……
このように、たまごは栄養満点で低カロリー、しかも消化が早いので、アスリートの食事にもぴったり。
ラグビーワールドカップの準備に余念がない地元熊谷の大学のラグビーチームも、監督と栄養士の監修のもと、練習の合間にたまごかけごはんを食べて栄養補給しているとのこと。
「たまごを食べて、チームは五輪大会にいったんですよ(笑)」と、松本さんは笑います。
なお、アスリートのなかには、たまごの黄身を除いて白身だけを食べる人も。このことに関しては、おふたりとも非常に残念そうな顔に。
「黄身には栄養が詰まっています。それに、黄身の脂質やカロリーなんてわずかなもの。ぜひとも全卵で食べてほしいですね!」と松本さんはおっしゃっていました。
Q.たまごは日持ちしないって、本当!?
みなさんのなかには、たまごって日持ちしないと思っている人もいるのでは?
でもこれは……
「まちがいです!」
一般的にお店で売られているたまごパックに書いてある賞味期限は、14日程度。でも、おふたりによると、たまごはもっと日持ちするとのこと。
「たまごの殻と白身には、細菌を遮断する機能があるんです。そのため、たまごは保存がきく食品なんです。」
松本さんいわく、たまごパックに表示されている14日間という賞味期限は、「おいしく食べるための保証期間」のようなもので、日本の気象条件では温度管理をきちんとしてさえすれば21日間は生で食べられるとのこと。
これは、日本で売られている国産の鶏卵であればみな一緒。
今まで賞味期限が過ぎたからといってたまごを捨ててしまっていたという方、それはもったいないですよ!
Q.おいしいたまごの選び方ってあるの!?
「よく、おいしいたまごの見分け方ってあるのか聞かれるんです。」という友加里さん。
でも、これに関して「こういうたまごがおいしいよ!」という答えはないようです。
というのも、日本のたまごの品質は世界水準をはるかに上回っています。そのため、「粗悪なたまご」というのはまず存在しないのだそうです。
また、見た目や手触りから良し悪しを判断することはできません。それに、先ほどのお話にもあったように、たまごは賞味期限が長いため、賞味期限を見て判断すればいいというわけでもないそう。
さらに、たまごの色(赤茶色か白色か)による栄養価の違いや味の違いも、実はないとのこと。
「おいしいたまごを選ぶには、パックに書かれている生産農場を見るのが一番かなと思います。いろいろな農場のたまごを買ってみて、好みのものを探すのがいいでしょう。」と、松本さん。
Q.安いたまごは品質が悪いの!?
一般的なスーパーでのたまごの価格は、10玉で200円前後。1個あたりわずか20円ということになります。実は、たまごの価格は昔から変動が少ないそうです。
「昔から養鶏農家などたまごに関係している方々の努力により、この価格が継続できているんです。」と、松本さんは言います。
たまごに関わるみなさんの努力で、栄養たっぷりのおいしいたまごが身近な価格で買えているんですね。
「“こんなにすごい日本の食品(たまご)が身近な価格で買えるってすごいことなんだ”という思いを消費者に伝えていきたいですね。」
松本さんは、こうもおしゃっていました。
Q.たまごって生で食べて大丈夫なの!?
日本では、生たまごを食べるのがめずらしいことではありませんよね。でも、これって本当に大丈夫なのでしょうか?
松本さん「もちろん、大丈夫です。」
日本のたまご業界における衛生管理の徹底ぶりは、世界でも類を見ないほど。生産現場、出荷・流通現場それぞれで管理体制が行き届いているからこそ、生食が可能なのだそうです。
「日本のたまごは、間違いなく世界で最も安心・安全だと言っていいでしょう。生で安心してロッキー(※某有名ボクシング映画のように、生のたまごを飲むこと)できるなんて、日本くらいなんですよ(笑)」
安くておいしくて栄養満点!たまごをもっと食べよう!
最後に、おふたりに、今後の活動の展望や夢を語っていただきました。
友加里さん「世界中の人に、たまごかけごはんを食べてもらいたいです。それが私の夢なんです。」
「お寿司だって、昔は海外ではほとんど食べられていませんでしたが、今では世界中でみんなが食べています。たまごも、そうあってほしいですね。」
そして、そのためには、「日本のみんながたまごをもっと好きになることが必要。」だとのこと。
お寿司が世界に広まったのは、日本人がみんな好きでよく食べているから。
同様に「たまごも、もっともっと日本人が好きになって、もっともっと日常的にたくさん食べるようになれば世界に広がっていくのでは?」と、おふたり。
さらに、松本さんは、「そのためには、“たまごが完全栄養食品であること”、“1日に食べる個数制限はないこと”など、たまごに関する正しい知識を伝えることが重要だと思っています。」ともおしゃっていました。
いかがでしたか。
今回ご紹介したように、世間一般にいわれているたまごの常識には、まちがったものがたくさん。ぜひまわりの方にも正しい知識を教えてあげてくださいね。
そして、こんなにも素晴らしいたまごを、もっともっと食べましょう!