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本場ヨーロッパにも匹敵!?北海道産ナチュラルチーズと北海道産ワインで楽しむ、極上マリアージュ!

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この記事の登場人物

大床 敏風
ソムリエ
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北海道のナチュラルチーズが、目覚ましい進化を遂げていることを知っていますか?
そもそもチーズには、生乳を乳酸菌や凝乳酵素で凝固させて熟成させたナチュラルチーズと、ナチュラルチーズを加熱し、成形したプロセスチーズがあり、酪農大国と呼ばれる北海道でも、チーズ作りの歴史は長くプロセスタイプが主流でした。

北海道のナチュラルチーズが、目覚ましい進化を遂げていることを知っていますか?
そもそもチーズには、生乳を乳酸菌や凝乳酵素で凝固させて熟成させたナチュラルチーズと、ナチュラルチーズを加熱し、成形したプロセスチーズがあり、酪農大国と呼ばれる北海道でも、チーズ作りの歴史は長くプロセスタイプが主流でした。

ところが近年、ナチュラルチーズ作りに挑む、情熱を持った生産者が次々に登場し、チーズ作りのレベルが急上昇。もとより、「生乳」の品質は世界トップクラスであることも後押しし、北海道産のナチュラルチーズが、世界的にも話題となっています。

また、北海道産ワインも近年、その美味しさと品質の高さが評価され、各コンクールで受賞歴を持つワインも続々登場。そんな北海道産ナチュラルチーズと、相性抜群の北海道産ワインをご紹介するのが本記事です。

今回、取材にご協力頂いたのは、北海道を代表するソムリエの一人であり、ヨーロッパ各国のチーズ事情にも精通する大床敏風さん。曰く、「北海道のチーズは、本場ヨーロッパの美味しさに限りなく近づいています!」とのこと。それでは、大床さんが厳選した6組のマリアージュを一挙にご紹介します~!

※記事中の商品価格は参考価格です。予告なく変更になる場合があります。

 冨田ファーム(興部町)「ジャパンブルー おこっぺ」
千歳ワイナリー(千歳市)「北ワイン ケルナー甘口 2018」

 北海道の北東部、オホーツク海沿岸にある興部町の冨田ファームが手がける「ジャパンブルー おこっぺ」は、山吹色のボディに青カビを生育させたセミハードタイプのチーズ。栗や金時、さつまいもを思わせる、ねっとりとした質感と濃厚なコクが特徴で、そこに青カビによる梨のようなフルーティーさが加わって、ウニやカラスミのような味わいを醸し出しています。そのまま味わうのはもとより、蜂蜜をかけても美味しく、パスタにあえても最高!焼リンゴ、洋ナシのコンポートなどデザートとの相性も抜群です。

こんなチーズと合わせるなら、甘口白ワインやミディアム(完熟または甘みを感じる品)~フルボディの赤ワインがオススメ。北海道産ワインであれば、千歳ワイナリーの「北ワイン ケルナー スイート 2018 KIMURA VINEYARD」が一押しです。

「北ワイン ケルナー スイート 2018 KIMURA VINEYARD」は、緑がかったライトイエローで、光沢のある輝き。ミネラル分が豊富で、青リンゴや梨のようなフレッシュな香りが広がります。甘口ですが、サラリとした口当たりで、ほどよい酸味のとのバランスが秀逸です。

チーズと一緒に味わうと、「北ワイン ケルナー スイート 2018 KIMURA VINEYARD」の優美な甘みと酸味が、チーズのコクと強い塩味を包み込んで見事に調和します。さらに、双方の味わいが引き立ち、それぞれの味の輪郭がよりしっかりと感じとれます。個々では個性的で対照的なタイプの品ですが、組み合わせることで素晴らしいマリアージュを楽しめます。

「ジャパンブルー おこっぺ」 100g 1,296 円
タイプ:セミハードタイプ
生産者:冨田ファーム(https://www.tomita-farm.jp/

「北ワイン ケルナー甘口 2018」 750ml 2,754円
タイプ:白・甘口
生産者:千歳ワイナリー(http://www.chitose-winery.jp

 白糠酪恵舎(白糠町)「モッツァレラ」
奥尻ワイナリー(奥尻町)「シャルドネ 2017」

 モッツァレラは南イタリア原産のフレッシュチーズです。白糠酪恵舎の「モッツァレラ」は、表面は艶やかで、もちもちと弾力があり、口に入れるとジューシーなミルクが溢れ出します。ミルクそのものを味わっているような、ほのかな甘みと酸味を感じ、豊かな風味も魅力。トマトと一緒に味わう定番のカプレーゼをはじめ、オムレツやココットなどの卵料理との相性も抜群です。水気を切ってわさび醤油を添えると、和食や日本酒にも良く合います。

モッツァレラと相性が良いのは、ライト~ミディアムの辛口白ワイン。特にフレッシュ感がある若めのワインだと、お互いの良さが引き立ちます。北海道産ワインであれば、奥尻ワイナリーの「シャルドネ2017」をチョイスしたいところ。

北海道奥尻島にある奥尻ワイナリーは、日本で唯一の離島ワイナリー。潮風を受けることで、ミネラル分が多く含まれ、海を感じるワインとしても知られています。「シャルドネ2017」はイーストのような香りが広がり、若いバナナやパイナップルのような風味。すっきりとした味わいが魅力の辛口ワインです。

モッツァレラと一緒に味わうと、シャルドネの酸味が心地よく広がり、チーズの酸味との豊かなハーモニーを楽しめます。オリーヴオイル、バジルペースト、夏野菜のグリル(ズッキーニ、ナス)などと合わせることで、より風味が深まり豊かになります。

「モッツアレラ」 130~155g 830円
タイプ:フレッシュタイプ
生産者:白糠酪恵舎(http://rakukeisya.jp/

「オクシリ シャルドネ 2017」 750ml 2,300円
タイプ:白・辛口
生産者:奥尻ワイナリー(http://okushiri-winery.com/

 しあわせチーズ工房(足寄町)「幸(さち)」
ふらのワイン(富良野市)「シャトーふらの2018 白」

 しあわせチーズ工房の「幸」は、通年放牧された牛の生乳で作られたハードタイプのチーズです。ハードと言っても、食感はホクホクとしたサツマイモのようで、ナッツやマッシュルームのような香りが広がります。酸味は無く、ミルクの甘さと豊かなコクが堪能できます。スライスしてそのまま味わっても美味しいですが、チーズを削ってグラタンやリゾット、ボロネーゼにかけてもGOOD。2016年のジャパンチーズアワードでは、金賞と最優秀部門賞を受賞しています。

このチーズと好相性なのは、ライト~ミディアムの辛口白ワイン。若くても熟成しても楽しめますが、北海道内のワイナリーから選ぶなら、ふらのワインの「シャトーふらの」がオススメです。

「シャトーふらの」は樽熟成をせず、ほどよい甘さでオイリー(なめらかの意味)な質感のワインです。白桃、洋ナシ、バナナのような豊かなアロマ。柔らかな酸味とコクが見事に調和し、マイルドでバランスの良い仕上がりです。

「幸」の濃厚なミルクの味わいと、「シャトーふらの」のコクとのバランスが非常に良く、一緒に味わうことで優美な余韻が深く、長く持続します。穏やかな風味のチーズとワインは食材の旨味を堪能できるマリアージュです。

「幸(さち)」 100g 1,080円
タイプ:ハードタイプ
生産者:しあわせチーズ工房(https://www.shiawasecheese.com/

「シャトー・ふらの 2018」 720ml 3,000円
タイプ:白・中口
生産者:ふらのワイン(富良野市ぶどう果樹研究所)(http://www.furanowine-shop.jp

 山田農場(七飯町)「ガロ」
北海道ワイン(小樽市)「おたるミュラー・トゥルガウ スパークリング」

 北海道内でも限られた工房でしか作られていないシェーブル(山羊のチーズ)。そのひとつが、北海道南部の七飯町にある山田農場の「ガロ」です。山羊のチーズと言っても、獣臭さは一切無く、味わいは淡泊でフレッシュ。レモンのような酸味と濃厚なミルク感が口いっぱいに広がり、かすかな塩味が味わいを引き締めます。フランスの伝統的な食べ方は横半分にスライスして、切り口を上にしてトースターで焼き上げ、サラダに乗せます。風味が一層豊かになり、香ばしさも楽しめる食べ方です。今回発見した新たな組み合わせは、山羊チーズとレモンカード。レモンカードの甘さと酸味が、チーズの風味と味わいを進化させ、驚くほど美味しいです。

山羊のチーズに合わせるなら、ライトな辛口白ワインがオススメ。酸味が豊かな白やシャンパン辛口、冷やした軽めの赤も好相性です。北海道産ワインならば、北海道ワインの「おたるミュラー・トゥルガウ スパークリング」が第一候補。

ミュラートゥルガウは、ドイツ原産のワイン専用品種で、柑橘系のさわやかな香りと豊かなミネラル感、ドライな味わいが特徴。フルーティで飲みやすく、クセがないので食前酒向きです。酸味が豊かで切れが良く、シャープな印象を受けます。

「ガロ」「おたるミュラー・トゥルガウ」はそれぞれの酸味の相性が良く、心地よいバブルを楽しめる組み合わせ。チーズのフレッシュさとワインの若々しさも類似し、バランスが秀逸です。お互いを邪魔せず引き立てるので、どちらもフレッシュなうちに味わうのがオススメ。昼間のパーティーやピクニックにも最適です。

「ガロ」 80g 800円
タイプ:シェーヴル(山羊)
生産者:山田農場(http://yamadanoujou.blog.fc2.com/

「おたるミュラー・トゥルガウ スパークリング」 720ml 2,200円
タイプ:白・辛口
生産者:北海道ワイン(株)(http://www.hokkaidowine.com

 共働学舎新得農場(新得町)「笹雪」
十勝ワイン(池田町)「ツバイゲルト 2016」

 本場ヨーロッパのチーズ作りに学び、模倣を経て、ついに共働学舎のオリジナルチーズ第一号として誕生した「笹雪」。北海道に自生する熊笹入りの塩を使い、仕上げに熊笹の葉を巻いた白カビタイプのチーズです。外皮はしっとりとしたマット状で、食べると濃厚なミルク感が口いっぱいに広がります。バターのような豊かな風味と甘みがあり、鼻をくすぐる香りはナッツやホワイトマシュルームのよう。ほのかな酸味も食欲を刺激します。噛みしめるたびに豊かな旨みが溢れ出る秀作で、ジャパンチーズアワード2016では銀賞を獲得しています。

「笹雪」のような白カビタイプには、ミディアム~フルボディの赤ワインが定石。特に熟成が進んだチーズであれば、フルボディのワインが好相性です。北海道産ワインから選ぶなら、新得町からも近い池田町の十勝ワイン「ツバイゲルト 2016」がマッチします。

「ツバイゲルト 2016」は淡いガーネット色で、エッジはピンク。熟したカシスやブルーベリーの香りに紫陽花やスミレの香りがほのかに漂います。味わいは柔らかですが、しっかりとした酸味が残り、しなやかさやコク、奥深さを感じさせる仕上がり。きめ細やかですが、確かな渋みがあり、黒胡椒やクルミのニュアンスも。スケール感が大きいフルボディです。

このマリアージュは、チーズの濃厚さとワインのボディが共に強く、しっかりとしています。どちらも勝るとも劣らず、味わいのバランスがベスト。相乗効果で共に引き立てあい、味わいが一層深まります。ミルク(乳酸)の酸とワインの酸のバランスが抜群なので、比の付け所がない相性です。

「笹雪」 250g 2,001円
タイプ:白カビタイプ
生産者:共働学舎新得農場(http://www.kyodogakusha.org/

「ツバイゲルト 2016」 720ml 2,266円
タイプ:赤・ライト~ミディアム
生産者:十勝ワイン(池田町ブドウ・ブドウ酒研究所)(https://www.tokachi-wine.com/

 のぼりべつ酪農館(登別市)「ピエール カレ」
鶴沼ロンド 2017

 登別市は温泉の町として知られる一方、高品質な生乳の産地としても知られており、その魅力を存分に楽しむことが出来るのがウォッシュタイプの「ピエール カレ」です。「ウォッシュタイプ」とは、外皮を塩水や酒で洗いながら熟成させたチーズのこと。「ピエール カレ」は北イタリアで生産されているダレッジョによく似ていて、薄いオレンジに白カビがまじり、柔らかくしっとりした質感。藁やキノコのような香りが広がり、塩味とミルクのコクを感じます。食べ飽きない美味しさです。

「ピエール カレ」と合わせて楽しみたいのは、ミディアム~フルボディの赤ワイン。酸が穏やかでコクのある辛口白ワインもオススメです。北海道産ワインでは、空知地方の鶴沼ワイナリーから生まれた「鶴沼ロンド 2017」がグッドチョイスとなります。

ワインの色は濃いガーネットで、熟したブルーベリーやプルーンの香り。ミルクのような乳酸の香りも漂います。ボディはミディアム~フルボディで、ほのかな甘みを感じさせながら、きめ細やかで程よいタンニンが印象的。濃縮した果実感があり味わいにコクがあります。酸味はマイルドで穏やか。バランスが良く飲みごたえのある赤ワインです。

「鶴沼ロンド 2017」は、チーズの風味とのバランスが良く、ワインの程よいタンニンとチーズのコクの相性が最高。癖が強くなく、食べ飽きない組み合わせです。チーズは茹でたジャガイモに乗せて溶かして食べると最高の美味しさに。クミンをふりかけて食べるのがフランス流で、カレーの香りが心地よく、風味豊かになりアクセントが生まれます。

「ピエール カレ」 100g 1,023円
タイプ:ウォッシュチーズ
生産者:のぼりべつ酪農館(http://www.rakunoukan.com/

「鶴沼ロンド2017」 720ml 2,200円
タイプ:赤・ミディアム
生産者:北海道ワイン(株)(http://www.hokkaidowine.com

終わりに

現在北海道各地には150軒以上のチーズ工房があると言われており、本記事でご紹介した以外にも、さまざまなタイプのナチュラルチーズが生産されています。

ぜひ皆さんも自分好みのナチュラルチーズを見つけて、お気に入りの北海道産ワインと共にマリアージュを楽しんでみてください!

< 取材協力 >

チーズの店コンテ
札幌市中央区大通西24丁目2番3号プレミエール円山1F
011-624-7084
https://www.cheese-conte.com/

適正糖質メニュー&ワインバー LowCave(ローカーヴ)
札幌市中央区北2条西3丁目1-29 タケサトビル地下1階
011-596-0876
http://lowcave.com/

自社輸入ワインショップ Cabinet de Vin Sapporo(キャビネ ドゥ ヴァン 札幌)
札幌市中央区北1条西2丁目札幌時計台ビル 地下1階
011-206-9911
http://www.wine-sapporo.com/

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