アイデア満載の新鮮卵、宮崎から海外へ!
この記事の登場人物
香川 憲一農事組合法人 香川ランチグループ
宮崎県「香川ランチグループ」の卵は、すべて自社で内容成分を決めた完全指定配合飼料を使用。誰もが自由に入ることのできる見学通路には、とうもろこしやチキンオイル、小麦など、実際に配合しているたくさんの種類の餌が目に見えるように展示されており、消費者に安心感を与えてくれます。
もくじ
新たな付加価値とアイデアが生まれた瞬間
このように、餌にこだわったさまざまな種類がある香川ランチの卵ですが、その中でも特筆すべきは、香川社長のアイデアとイノベーション精神によって、海外にまで進出した卵があるということです。
香川社長が就農してから23年が経ちますが、はじめから農産物の価格決定権が他人にあることに疑問をおぼえていたそう。そこで「おいしい卵を作って付加価値をつくり、自分で値段をつけよう」という思いで、クエン酸の一種であるフルーツ酸を入れ、腸内細菌バランスのよい健康な鶏が生んだという付加価値をつけた「フルーツ卵」を作るなど、試行錯誤。
しかしそんな折、ある新聞記事で「付加価値のついた卵は3,000~4,000種もある現代、本当に付加価値といえるのか?」という問題提起がされていたのです。
ふっくら新鮮な卵が持続する、画期的な仕組みとは
そのとき思いついたのが、卵に味の付加価値ではなく、別の付加価値をつけること。新鮮な卵の証は割るとふっくらしています。これは産まれたての卵が、卵の中に炭酸ガスをたくさん含んでいるからです。
しかしパックには隙間が空いているため、炭酸ガスは目に見えない表面から流出。出荷から日数が経つと、割った時のふっくら感がなくなってしまいます。
そこで、香川社長が実践したのが、炭酸ガス発生剤をパックの中に入れて密封すること。消費者の方が袋を買って開けるまで、産まれたての新鮮な状態が保たれる…この原理を利用した画期的な商品が「鮮々生々(せんせんなまなま)」です。
ついに夢の海外進出が実現!
さらに香川社長が挑戦したのが、海外への商品進出です。日本のマーケットは少子高齢化社会で人口も減り先細りしています。そこで社長が考えたのが、富裕層をターゲットにできる香港への輸出でした。
それまで生卵は賞味期限の問題で輸出は難しいとされていましたが、この画期的な商品のおかげで長く鮮度が保たれるようになり、輸出ができるように。さらに香港からPB(プライベートブランド)の要望もあり、商品「鳳凰(ほうおう)」が生まれました。
香川社長は最初、「鳳凰」を香港で販売するということで、産地などの表記を広東語にしようと考えていましたが、香港の市場からは「あえて日本語を使用して、“宮崎産”と表記してほしい」という要望が。その理由は、広東語で表記してしまうと卵が中国産と思われ、現地での評価が下がってしまうためでした。
「海外では日本の卵だからこそ、品質がしっかりしているという信頼感がある。」
その事実を知った香川社長は、日本の農業の未来は、まだ多くの可能性を持っていると確信しました。
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農事組合法人 香川ランチグループ
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事業内容
・農業組合法人 香川ランチ(雛生産・鶏卵加工・鶏卵販売)
・宮崎デリカフーズ(㈱)(鶏卵加工・食品販売)
・有限会社 美国フーズ(食鳥処理・加工・販売)
・香川ランチ物産館 善太郎屋