自然の中で生きる。牛も人も幸せになれる放牧酪農 | どっこいしょニッポン

自然の中で生きる。牛も人も幸せになれる放牧酪農

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20年ほど前に茨城県から北海道新冠町へ移住して、自然に囲まれながら放牧酪農を営む益子(ましこ)さん。

海外での酪農体験を経て、自分のやりたい酪農を見つけた益子さんにとって、その理想を実現できるのが新冠町の魅力だといいます。

牧場に建てたログハウスでご家族と暮らし、「40歳を過ぎましたけど、今まで生きてきて今が一番楽しいです」という益子さんに、お話を伺いました。

 

新しい生命の誕生は、自然分娩で行います

母牛と産まれたばかりの仔牛

「さっきも一頭生まれたばかりで、そろそろ産みそうだと思えば見に行くんですけど、なるべく手は出さないです。ちょっとおかしいなと思ったら、手を入れて中の子牛の状態を確認して、異常がありそうなら助産したり、 獣医さんを呼んだりしますけど、基本的には自然に任せての分娩です。」

 

なるべく牛の管理をしない「牛まかせ」の放牧酪農

ましこ牧場の益子さん

「なるべく牛の管理をしないようにしているんですよ。管理をすることで乳量はたくさん搾れるようになったかもしれませんけど、それで酪農家は幸せになったのかなという疑問があって。牛って習慣で行動する動物で、エサを食べる時間になれば牛舎に帰ってきます。帰ってこない時はほっといて待っています。自分一人なので、別に仕事が終わるのが遅くなってもいいかなって。」

 

ましこ牧場の牛たちは、半分野生のような生活をしていますが、ふだん自由にしてもらえているからか、穏やかで人に慣れやすく、人と働くことを嫌がらないそうです。

 

茨城から北海道へ。最初は酪農家になるつもりじゃなかった?

移動中のましこ牧場の牛

「地元の茨城から、22歳の時に北海道に来ました。就職情報誌に従業員の募集を出している牧場があったんです。最初は酪農家になろうという気は無くて、とりあえず半年~1年くらい行ってみようかなって。そのうち仕事の意味が分かってきたら面白くなってきて、アメリカへ農業実習に行きました。そこでの出会いをきっかけに、次はメキシコに行きたいと思いながら日本へ帰り、青年海外協力隊の募集を見ていたら、たまたま「メキシコで家畜飼育」の要請が来ていたんです。」

 

自分の牧場を持つことを決めたのは、メキシコで読んだ一冊の本

ましこ牧場の益子さん

「就農を決めたのはメキシコに行っている間です。それまで放牧酪農には反対派だったんですけど、落合一彦さんの「放牧のすすめ」という本を同僚が貸してくれて、「放牧って生産性が悪い訳じゃないんだな」ということが分かって。少しずつ放牧のことを調べているうちに、「自分がやりたい酪農のやり方」が見つかり、それをやるなら自分で経営するしかないと思い立ちました。」

 

自分がやりたい酪農を見つけたら、新冠町で始めるのがオススメです

ましこ牧場の牛舎

「酪農の場合、道東や十勝だと新規就農受け入れの研修施設もしっかりあるんですけど、新冠周辺にはあまり無いんですよね。逆にそこがメリットで、自分がやりたいと思っている酪農ができるんです。今、うちの牧場は道内酪農地域に比べて小規模ですが中小規模で牛飼いをやりたい人には良いですよね。札幌や新千歳空港が近くて交通の便も良いですよ。」

「新規就農はどんどん増えてほしい」という益子さん。

新冠町では今年2組が新規就農したものの、後継者不足などで離農した方は4組いるそうです。益子さんは「新冠放牧の会」に所属し、新規就農を増やす為のイベントに携わっている他、牧場のツイッターも始めて情報配信を行なっています。

 

放牧酪農が、牛乳を安く生産できて、農家も消費者も幸せになれる農法だということを知ってほしい

牛

「放牧している牛乳だからといって、そこに付加価値をつけて高く売るのは嫌なんです。価格として外国産に対抗できるようなやり方ができたら嬉しいですね。これからは、現場をいろいろな人に見てもらって理解してもらうことも必要ですけど、放牧酪農が、牛乳を安く生産できて、農家も消費者も幸せになれる農法だということを知ってもらえたら良いなと思っています。」

放牧されているましこ牧場の牛

→「ましこ牧場」のその他の記事はこちらから

ましこ牧場

ましこ牧場

  • 営業時間:要問合せ
  • TEL:0146-47-5061
  • 定休日:要問合せ
  • アクセス:〒059-2344 北海道新冠郡新冠町字美宇156-1

この記事を書いた人矢倉 あゆみ

国際的なオンラインマガジン「SHIFT」編集部ライター。北海道クリエイティブを発信する複合施設「MUSEUM」と「クラークギャラリー+SHIFT」の広報も担当。創造的な事に関わる人物や施設、その作品や商品にスポットを当て、読者が取材対象のファンになってくれるような記事づくりを心がけている。休日はお散歩しながら風景写真を撮るのが楽しみ。   SHIFT http://www.shift.jp.org

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