上勇知の大自然がお手本!安全で超美味なたまごの話。 | どっこいしょニッポン

上勇知の大自然がお手本!安全で超美味なたまごの話。

このページを印刷する

インターネットのマップが導いてくれた目的地には、野原が広がっているだけ。不思議に思い電話を入れると「その世界水準のマップでも、ウチにはたどり着かないのよねぇ」という陽気な声が。取材班が目指したのは北海道稚内市のはずれ、上勇知という小さな集落。ここにこだわりの養鶏に取り組む魅力的なご夫婦がいるのです。

 

 

夫婦の夢を実現させたフィールド、稚内上勇知地区

カヤニファームの伊藤さん一家

「あらあら、すみません」笑顔で迎えてくれたのは、伊藤香織さんと輝之さん。わが国最北の地稚内、その南部に広がる丘陵地で自然卵の養鶏に取り組んでいます。

香織さん、いきなり失礼な質問でゴメンナサイ。どうしてこの場所で養鶏を?

「鳴き声だったり、匂いだったり、養鶏って周囲への気遣いも大切なんです。なので最初から『その家の先には誰もいない』という場所で始めようと決めていたんです」

 

さらに、ここに以前住んでいた方も養鶏家だったこと、ご主人が北海道の広大な大地を舞台に子ども向けの自然学校をつくりたかったことなども決め手になったとか。

カヤニファームの養鶏場

「おかげで、どんなに朝早くコケコッコーの合唱が始まっても、苦情が来たことはありませんよ(笑)」

 

 

自然の中で暮らしているように、鶏を育てること

カヤニファームの伊藤香織さん

香織さんは札幌の出身。札幌で子どもたちの環境教育やエコツーリズムに取り組むNPO団体で輝之さんと出会います。2004年に結婚、その後自分たちらしい生活や生産活動を考える中、香織さんが選んだのが平飼いの養鶏でした。

カヤニファームの鶏

「NPO時代のハードな働き方で食生活が乱れ体調を崩し、その経験から、本当に体に必要な食べものをつくる仕事がしたくて。数ある仕事の中で自分の身の丈にもあい、気持ちにもしっくりくるのが『養鶏』だったんです」

夫婦で上勇知地区に移住したのは2007年、その年の暮れにカヤニファームを設立します。養鶏は全くの未経験でしたが、香織さんは当初から飼育法にとことんこだわりました。その手本としたのは、目前に広がる雄大な自然。

カヤニファームの鶏が産んだ卵

 

「まずは土の上で飼うこと。周囲も外気や陽光を遮断しない、まるで自然の中で生きているかのような飼い方です。鶏たちは四季を通じて自由に歩き回り、体が欲すればエサを食べ、休みたければ止まり木で眠ります。そんな自然のまま、たまごを産み落とすわけです」

またヒヨコには抗生物質などの薬剤は一切使用せず、成長しても成分強化や栄養補助のための人工的な添加物も使わないようにしたとか。

カヤニファームで採れた卵

「おいしいたまごとは、豊かな自然環境と健康的でストレスのない日々の中で培われるもの。そんな鶏たちが産むたまごは活力にあふれ、昔ながらのやさしく豊かな味わいになるんです」

 

 

 日々のエサにも気を配るから、うん、おいしい!

カヤニファームの鶏たち

カヤニファームが鶏たちに与える飼料もひと味違います。

「地元産または北海道産のみ。季節や鶏たちの体調に配慮しながら、小麦や米ぬか、ホタテの貝がら、魚粉(酸化防止剤を含まないもの)などに、稚内市内の水産工場から仕入れた宗谷近海の鮭、利尻昆布などを混ぜた独自の飼料を与えています」

もちろん「遺伝子組み換えやポストハーベストの疑いが少しでもあるものは使用しない」が、カヤニファームの厳しいルール。

カヤニファームの伊藤さん一家

「たまごは鶏が食べたもので作られます。だから顔の見える安全な素材、安心な飼料にこだわるのが養鶏家の勤めだと思うんです」

カヤニファームで採った卵

未経験からのスタートゆえに数々の失敗も繰り返しましたが、およそ10年の歳月を経て、現在カヤニファームは350羽の鶏を飼育し、日産およそ200個の新鮮なたまごを生産しています。鶏舎には雄鶏もいるため、たまごの多くは有精卵です。

カヤニファームの伊藤さん

「養鶏は私がメインに担当しているので、今の規模がちょうどいい感じ。これ以上になると鶏の体調管理にも、飼料の配合にも、たまごの微妙な変化にも目が行き届かなくなりますからね。そうなるとお客様に申し訳ないでしょ」

舞台は北海道の小さな集落。そこで営まれるコンパクトサイズの養鶏。でもオーナーの香織さんのたまごにかける思いや情熱は、実に寛大で温かいのです。

ボールに入った割った卵

→「カヤニファーム」のその他の記事はこちらから。

自然卵養鶏 カヤニファーム

http://ameblo.jp/saihokunikurasu

  • 営業時間:要問合せ
  • TEL:0162-73-9900
  • 定休日:要問合せ
  • アクセス:〒098-4581 北海道稚内市上勇知1099-4

この記事を書いた人有限会社シーズ

北海道札幌市で、取材編集やデザインワークに取り組むプロダクション。

インタビューやルポから、各種誌面・webサイトの企画制作などのオシゴトをアレコレと。近々、酒場にまつわる下世話なハナシをまとめた『サカバナ』という本を出版する予定。お買い求めいただいた方から「なにこれ?」と評されること、必至であります。

有限会社シーズ http://www.cs-sapporo.com/

この記事が気に入ったら
いいねしよう!

新着記事をfacebookでお届けします

関連記事