牧場と人・街をつなげる、ナカシマファームの手作りチーズ
この記事の登場人物
中島 大貴ナカシマファーム
佐賀県嬉野市のナカシマファームでは、2012年から6次産業として手作りチーズの製造をしています。
この取り組みには、「地域と共に生きる牧場を目指していきたい」という願いが込められています。
そんなナカシマファームのチーズ作りについて、中島大貴(ひろたか)さんと妹の中島千明さんにお話を伺いました。
もくじ
牛を好きになってもらうために生まれた手作りチーズ
ナカシマファームのチーズ作りは、「地域の人にもっと牛を好きになってもらいたい」という大貴さんの想いから始まったそうです。
「牛を好きになってもらうために、もっと食卓に入っていきたいと思っていました。そして、たどり着いたのがチーズ作りでした。チーズは大人から子どもまで食べられます。朝でも昼でも夜でもいいですし、食事にもおやつにもなりますよね。ナカシマファームと地域の人との繋がりをつくるのに、チーズを食べてもらうという方法がいいと思ったんです。」と、大貴さんは言います。
現在販売されているチーズは6種類。
チーズの製造を始めてから3年後の2016年には、国産チーズのコンクール「Japan Cheese Award 2016」に3種を出品し、3種とも受賞しています。
中でも、こちらの「牧場の花」は、同コンクールのフレッシュバラエティ部門で銀賞を受賞。
フロマージュブランというチーズの上にドライフルーツが乗せられています。
チーズ製造を始めたもうひとつの目的は、「地元で働くきっかけを酪農でつくりたい」
ナカシマファームのチーズ製造には、もうひとつ大きな目的があります。
それは、「地元で働くきっかけを酪農でつくりたい」ということ。
「チーズ製造では、私の母や妹をはじめ、女性が活躍してもらえる場所の提供をしたいと考えました。製造や包装、配送など、女性ならではのきめ細やかさが活かせる分野はたくさんあるからです。」
大貴さんは、チーズ製造が地域の雇用創出、そして地域の活性化の火種になってほしいとも考えています。
「仕事があれば、地元に戻りたい人が帰って来やすくなりますし、子育てなどで大変な方は、家から近い仕事の方が働きやすいはずです。チーズ製造は、6次産業をしたいと思ったのではなくて、地域の中で酪農ができることを追求した結果から始まったんです。」
「ナカシマファームを通して、“もっと自分らしく働ける”ということが伝えられればと思っています。」と、千明さんもおっしゃっていました。
チーズ製造を始めるとともに、ナカシマファームでは、自社のブランディングにも力を入れるようになりました。
チーズそのものだけでなく、チーズのパッケージやギフトボックス・ラベルなど自社商品のデザインはすべて大貴さんが手がけています。
こちらの看板も、大貴さん作。
「ここからここまでが酪農の仕事だと制限せず、酪農はこうあるべきだ、と断定せず、柔軟な考え方で新しい酪農スタイルを創出したいと考えています。」
酪農の仕事のみならず、様々なことに取り組み、楽しく仕事をする。
製造から販売まで何でも自分たちでやってみて、その経験を元に改善したり新たなアイデアを出したりするのが、ナカシマファームの酪農スタイルです。
チーズを通して牧場と人、そして地域を繋げたい――
地域とともに生きる酪農でありたい――
そんな想いを体現するために始まったナカシマファームのチーズ作り。
地域活性化・集落営農のモデルケースのひとつとして、今後の展開に要注目です。
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ナカシマファーム
http://www.nakashima-farm.com/
- 営業時間:-
- TEL:090-5293-8680
- 定休日:-
- アクセス:〒849-1421佐賀県嬉野市塩田町大字真崎1488