畜産を学ぶ

酪農のメッカで学ぶ、3つの専門学科:栃木県立那須拓陽高等学校

高校 関東
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栃木県蚕業試験場西那須野支場であった地に1945年に開校した那須拓陽高校。
校訓は「耕学一如」「冷暖自知」。普通科2クラス、農業系学科3クラス(農業経営科・生物工学科・食品化学科)、家庭系学科1クラス(食物文化科)からなり、一人ひとりの生徒が明るくのびのびと学校生活を送っています。

より深く学ことができる、3つに分かれた農業系専門学科

那須拓陽高校では、普通科と農業系の農業経営科、生物工学科、食品化学科、家庭系の食物文化科の5つの学科が設置され、より専門的に学ぶことができます。

  • ・農業経営科では畜産・野菜及び農業経営についての知識や技術を学びます。畜産が学べる学科はここです。
  • ・生物工学科ではバイオテクノロジーと野菜
  • ・果樹・草花の栽培についての知識や技術を学びます。
  • ・食品化学科では農業に関する基礎・基本から、食品の成分・加工・流通についての知識や技術を学びます。
  • ・食物文化科では、食生活を総合的に学習し、食文化を伝え創造するとともに、食生活関連産業で活躍するための知識と技術を学びます。
実習教員の舘野翔太郎先生。舘野先生も拓陽の卒業生

農家出身・非農家出身の学生が切磋琢磨する校風

どっこいしょニッポンが主催するオンライン勉強会「農高アカデミー」に高校1年生の頃から参加してきてくれた、農業経営科に通う、後藤徹平さん(高3)と木村日音(かなり)さん(高3)にお話を聞きました。

実家が酪農を営む木村さんは、本校食品化学科を卒業したお姉さんが、「今までで一番楽しい学校生活だった」と話す姿が印象的だったようです。その後、どの学科に進むか悩んでいた時に出会ったのが、WEBのニュースに上がっていた、農業経営科の関澤拓実先生の記事。コロナ禍に学生とともに「A2ミルク」の研究を進めていると知り、“こんなに生徒のために動いてくれる先生がいるんだ”と心動かされ、農業経営科を選択。その後、関澤先生が担任になったのは「運命だと思う」と木村さん。

実家は肥育農家を営み、本校生徒会長を務める後藤さんは、「周りの農家さんにも拓陽出身の方が多かった」といいます。後藤さんもお姉さん2人が拓陽出身だったことから、迷わず選択。「僕たちの代は特に農家の跡取りが多くて、将来家業を継ぐために今何を学ぶべきかと前向きに学ぶクラスメイトたちからもたくさん刺激を受けています」。

学科を超えて全校生徒で肉や野菜をいただくBBQは人気行事のひとつ

「5学科の調和と共生」を目指す那須拓陽高校は、学科を越えて選択できる授業の制度や、各学科が連携する行事も多くあります。中でも10月に行われる「収穫祭」で、農業経営科が育てた牛のお肉や食品化学科が育てた野菜などの作物を、収穫後の大山農場に集まって普通科も含めた全校生徒でいただくバーベキューは圧巻で、みんなが楽しみにしている行事のひとつだそうです。

大学・専門学校進学・就職…幅広く広がる進路

すべての学科において、進路は多方面に広がっています。国公立大学の合格者は専門学科も含めて5年間で50名、就職内定率は16年連続100%。大学や専門学校、就職…とそれぞれの生徒が希望する進路が叶うようサポートする先生方の体制も整っています。木村さんは指定校推薦で東京農業大学デザイン農学科、後藤さんは指定校推薦で明治大学農学部へ進学されます。

大山農場の歴史を伝える大山記念館洋館

那須拓陽高校が所在する下永田地区は、明治の元老であり後の陸軍大将・大山巌が開いた大山農場の一部だったそうです。立派な正門は、大山巌の次男・大山柏が、ある旧家から譲り受け解体所有していたもので、現在、本校の大山農場内には、大山巌が居住した洋館と和館が遺され、「大山記念館」として栃木県の有形文化財に認定されています。

乳牛と肉牛を飼養する乃木農場には、指導教員として本校卒業生の方々もおられるので、先輩方のお話を聞くことができるのも魅力のひとつ。乃木農場の牛舎には、木村さんの自宅で生まれたジャージー牛のカナリちゃんも暮らしています。

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