畜産を学ぶ

北海道で学ぶ酪農・畜産業界のタマゴたち![北海道立農業大学校編]

大学 北海道
  • #大規模農場
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数多くの酪農・畜産の現場に伺い、農と向き合う人の熱い思いを発信する本サイト。そんな素敵な先輩方に追いつけ、追い越せとばかりに北海道で酪農・畜産を学ぶ「タマゴたち」にスポットを当てました。瞳を輝かせてインタビューに答えてくれたのは、「北海道立農業大学校」「帯広畜産大学」「酪農学園大学」の学生たち。

今回は十勝エリア本別町の北海道立農業大学校を訪れました。メンバーは2年生の福地一貴さん(写真左)、大澤然さん(写真中央)、水野楓さん(写真右)です。

キーワードは「北海道」と「実践的な学び」

北海道立農業大学校は十勝エリアの本別町に位置し、240haの広大なキャンパスには農場や牛舎、加工施設といった設備が充実。教養科目や専門科目の授業・実習を通し、農業経営者に必要な力を育んでいます。さらに、学生が主体となって取り組むプロジェクトによって、自ら学ぶ積極性も養成。家畜人工授精師(牛)や牛削蹄師(2級)、各種重機の資格も取得できます。

Q:酪農・畜産業界に興味を持ったきっかけは?

 子どものころに「サッカー選手になりたい」とか「ケーキ屋さんになりたい」と同じレベルで、将来は農業に携わりたいと思ったんです。何となく抱いた夢ですが、ずっと変わることはありませんでした。

 私は6歳の時に父にすすめられたんです。酪農家になったらお昼寝もできるし、お金持ちになれるって(笑)。

 実家が音更町の酪農家。僕は長男なので小さいころから家業を継ぐのかな…と見据えながら牛のお世話を手伝っていました。

Q:北海道立農業大学校に進んだ理由は?

 父も母もウチの学校の卒業生。せっかく酪農・畜産を学ぶなら、福地家の流れに乗ろうと思ったんです。あと、両親と同じ学校で勉強し、将来自分のほうが経営を上手く回せたら、「オレのほうがスゴい」と自己満足にも浸れそうで(笑)。

 私は大阪出身で府内の農業高校の畜産科に進みました。ただ、都会ということもあって、実習先は思い描いたような酪農の現場よりも小ぢんまりとした印象。せっかく進学するなら、大阪とは対象的な北海道十勝の広大な規模で学んでみたいと思ったんです。

 僕は兵庫から岩手の山村留学を行う高校に進学しました。町営牧場で搾乳や肉牛の育成、イベントの運営といったさまざまな研修を受けられましたが、自分的にはまだまだ勉強不足。北海道立農業大学校は酪農・畜産を実践的に学べること知り、進学することを決めたんです。

牧場を運営する感覚が磨ける畜舎当番。

Q:授業のどんなところが魅力?

 基本的に午前中が座学中心で、午後からが実習。中でも、総合実習という授業が面白いです。学生が主体となって牛のお世話をして、分からないことを先生に聞くスタイル。戸惑うことも多いけれど、失敗を糧に成長できる気がします。

 僕は座学も好きです。最初は右も左も分からない状態で入学するので、実習でもなぜこの作業をするんだろうと思うことも少なくありません。例えば、乾乳(母牛の体を休ませること)の処置やカルシウムを与える理由が分かることで、実習の作業も理解度が深まります。

 授業はもちろん、クラスが1~3班に分かれて牛のお世話をローテーションする畜舎当番が実践的です。朝夕の搾乳はもちろん、牧草の種まきや収穫も皆でコミュニケーションを取りながら作業を分担しています。当然ながら先生が見てくれていますが、牧場を運営するという感覚に手応えは満点!

Q:逆に大変だと思うことは?

 1年生のうちは、畜舎当番は朝も早いし体力的にもキツかったです。でも、地元の大阪に比べて環境も空気もキレイですっかりお気に入りの時間になりました。

 先生方は普及指導員の経験者ばかり。なので、現場に即した知識やスキルが学べる反面、蓄積されたノウハウが多すぎてあらゆる選択肢を与えてくれます。どれが正しいのかと迷ってしまうことも。

 確かに!でも、いろんな上司がいろんな教え方をしてくれるという組織のあり方を自然と学んでいるのかも(笑)。

Q:福地さんは実家の酪農に取り入れられそうな学びもある?

 そうですね。子どものころから家業を手伝っているとはいえ、他の牧場を見たことはありません。乾乳の管理は実家でも取り入れなければならないと思っています。

将来は十勝に残って就農したいという学生が多数!

Q:学校は全寮制だとか。休日は何をしているの?

 本別町内も酪農や畜産が盛んで、搾乳のバイトに行っています。

 お金を稼ぐというよりは、技術の習得とか牛の飼い方を学ぶという意味のほうが大きいですね。でも、バイト代で牧場が運営するソフトクリーム屋さん巡りも楽しんでいます。

 僕は実家が音更町と近いので、休みには帰ることも多いですね。あとは、クルマでドライブに出かけています。

Q:将来の夢はもう決まってる?

 う~ん…北海道の環境が心地よすぎるので、地元には帰らない予定です。今のところは本別町に残って、農協職員になりたいと考えています。ゆくゆくは十勝管内の酪農家のお嫁さんになるのが夢ですね(笑)。

 自分も本別町に残って畜産農家に就農したいと思っています。今は人手不足ですから、きっと受け入れてくれる牧場は多いはずです。それに、このマチは人がやさしくて、ずっと住み続けたいという魅力にあふれています。

 二人とも本別町に残るんだ!ウチの班のメンバーも十勝で就農したいという仲間が多いから、同窓会も頻繁に開けそう(笑)。自分は実家を継ぎますが、今は牛の頭数に比べて人手が足りていない状況。いずれは飼い方を変えるか、頭数を減らして一頭一頭にじっくり手をかけるスタイルにしていきたいですね。

北海道立農業大学校

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/ngd/ 

  • 営業時間:ー
  • TEL:0156-24-2121
  • 定休日:ー
  • アクセス:北海道中川郡本別町西仙美里25番地1