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平野養豚

養豚 千葉県
  • #六次化
  • #若手が活躍
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千葉県木更津市に残る、唯一の養豚場。現在は3代目の代表・平野賢治さんと妻の恵さんを中心とした家族経営で、従業員らと共におよそ1400〜1500頭の林SPFを育てています。地元飲食店をはじめ、都内で人気のとんかつ店などシェフからも指名買いされ、六次化した加工品「木更津の恵みポーク」は、その味を求めて直売所を訪れるお客さんが後を絶ちません。

出荷のバトンを渡すまで、大切に育てる

朝6時。平野養豚はお母さん豚たちがいる豚舎の餌やりから始まります。人の気配を感じた瞬間から一斉に鳴き始める豚たちに、手分けして手際よく餌をあげて回ります。週2回、出荷の日は、運搬車が到着する7時前までに、餌やりから掃除、出荷する豚の仕分け、移動まで行って準備を整えます。

2人1組で1枚の板を使い、道筋を作って約100キロある豚たちを誘導していく連携プレイは見事。豚舎には「ゴー!ゴー!ゴー!」という威勢のいいスタッフの声が響き、豚たちが通路を勢いよく駆け抜けていきます。

その後賢治さんが体重測定をしながら運搬車に乗せ、大切に育ててきた豚たちのバトンはここで、市場まで運んでくれる運転手さんへと託されます。平野養豚では、こうした関連業者との繋がりも大切にしています。

▲タイヤをていねいに消毒し、「行ってきます」の合図とともにゆっくりと走り出す運搬車

出荷が終わると、豚舎の洗浄消毒、子豚の肥育舎への移動やワクチン接種など、母豚のいる豚舎・分娩舎・子豚舎・肥育舎、合わせて6棟を効率よく移動しながら、多くのタスクをテキパキと確実に終わらせていきます。移動しながらも1頭1頭の健康状態を目視し、別棟からわずかに咳の音が聞こえれば後で必ず確認に行くなど、全員が目・耳・鼻…五感を働かせながら豚舎の豚たちに全神経を集中させます。

怒涛の朝の時間が一旦落ち着くのが、午前9時。朝一番で1日の流れを確認すれば、ここまで互いにほとんど会話はなく、あうんの呼吸で乗り切る少数精鋭のチームです。

▲子豚たちはできる限り一緒に生まれた兄弟と同じ群編成で管理。ケンカなどによるストレスが少ないためだという
▲お母さん豚がいる棟に下がるカルテには、1頭1頭の生年月日から産歴、病歴、治療、成績など細かい情報が書き込まれ、スタッフ全員に共有されている

リピーター続出の「木更津の恵みポーク」

朝9時からの休憩時間には、加工品の直売所に「木更津の恵みポーク」を求めるお客さんが並びます。ウインナー・白ウインナー・フランク・ベーコン・モモハム・ハンバーグのタネ…どれも人気の商品ばかり。「一度食べたら他の加工品は食べられない」「朝食にベーコンを炒めて、残った脂でスクランブルエッグを作って食べるのが日課。脂まで甘くて本当においしい」「こんな地元に養豚場があるなんて知らなかった。マルシェで知って、それからは家族で大ファン」とリピーターのお客さんばかり。

▲平野養豚は、日本でも数少ない “作り手の顔が見える養豚場”

直売の後は、種付けや糞尿処理、堆肥詰め、豚舎内の設備修理など日々の業務が待っています。「“おいしい”を届けるために、できることはすべてする」。平野養豚を見ていると、日々、細心の注意と集中力で1頭1頭と向き合う現場だからこそ、生まれるおいしさがあるのだと感じます。

▲平野養豚はすべて本交配。これも健康な豚を育てるためのこだわりのひとつ

休みだってしっかり取る。働き方改革を実践中

生産現場の先頭に立つ賢治さんと、飲食店や肉屋など外部との繋がりを守り、主に経営面を担当する恵さん。家族経営でありながらも「休み無しが当たり前だった畜産農家の形を変えなければ次世代には続かない」と、忙しい中でも時間を調整して趣味の釣りやバイクのツーリングを楽しむなど、畜産農家の新しい働き方・生き方を提示されています。

地元木更津が愛される場所になるように、次世代にとってまた戻ってきたい場所になるようにと、マルシェなどへの出店や地元の小学校の学校給食へ食材を提供した食育も続けておられます。同じベクトルで進みたいと思えばこそ、従業員に求めるレベルも高まりますが、その分共に働く喜びは大きい農場です。

// スタッフの声

淳哉さん アルバイト2年目

平野養豚でアルバイトとして働き始めたきっかけは、将来動物関係の職に就きたいと考える中で、命について学びたいと思ったことと、今通っている専門学校で学ぶ愛玩動物だけではなく、畜産動物の勉強もしたいと思ったことでした。自分で母豚の種付けをしてそこから生まれてくる生命を見た時はとても感激しました。1つの仕事が終わってまだ時間が余っていた時に、次にする作業の準備などをして時間や周りの人の動きを見ながら効率よく動けるようになったり、常に命に寄り添い流動的な現場において、その時々にベストな選択・優先順位を考えて仕事ができるようになったことは、この約1年半で成長したと思う部分かなと思います。残りの約1年でもっと様々なことを学び、それを活かせるように日々努力していきます。

汐里さん 正社員1年目

観光牧場に5年間勤めたことがきっかけで、「もっと畜産について知りたい!学んだ上で畜産について伝えることができたら!」という想いで平野養豚に飛び込みました。この頭数を少人数で管理していることへの驚きや、的確かつスピーディーな動き、それぞれの意識の高さを日々感じています。ここは毎日向上心をもって働ける場所です。まだ入ったばかりで作業を覚えることやこなしていくことに必死ですが、少しずつでもレベルアップできるよう、今は豚に関する知識や飼育技術を学びながら、あうんの呼吸で作業できるチームの一員になれるように日々奮闘中です!

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// 農場情報

名称

平野養豚

所在地

千葉県木更津市上望陀330

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