安心・安全な牛肉を次世代へ。生産者と消費者をつなぐ食のサイクルを目指して
この記事の登場人物
薄 一郎株式会社 すすき牧場
“消費者が安心できる食肉の提供”を追求しているすすき牧場。
長年にわたる研究やさまざまな取り組みを重ねることによって、安全性の高い牧場づくりと、食肉の生産・販売体制を実現しています。
そんなすすき牧場が牛の健康にこだわるようになったのは、ある出来事がきっかけだったといいます。
もくじ
自分の子どもにも自信を持って食べさせられる牛肉を
「2001年に起こったBSE問題は、生産者が牛肉の安全性の責任を持たなくてはならないと再認識させられた出来事でした」と、株式会社すすき牧場・代表取締役の薄一郎さんはいいます。
当時はBSE問題の風評被害により、すすき牧場の牛肉の出荷量は1/3ほどに落ち込み、大きなダメージを受けました。
そのとき薄さんは、「自分の子どもにも自信を持って食べさせられる牛肉を、消費者へ送り届ける仕組みを作りたい」と心に誓ったとのこと。
すすき牧場が実践する食のサイクルとは?
BSE問題発生の翌年、2002年からは、行政機関の支援を得ながら飼料用の稲の栽培を始めました。
生産者としてできることを模索した結果、最初にはじめたのは餌の見直し。
現在では、地域で生産した安全な飼料を使い、ホルモン剤・抗生物質・農薬は使わないという方針をとっています。
また、牛の健康管理や環境づくり、牧場内の衛生管理、従事者に対する教育・訓練などを徹底するようにし、総合的に安全性も追求していきました。
「消費者が口にする牛肉が、いつ、どこで、どのように作られたのか。どのように消費者へ届いたのか。生産者がトレーサビリティを徹底する事で、消費者は安心して牛肉を購入できます」
牛肉の生産から消費者へ届くまで、一貫して責任を持つことが、すすき牧場が実践している食のサイクル。
これは、一朝一夕にできたものではなく、長年にわたる研究や実践の結果によって築かれたものなのです。
HACCPに加えて、国際認証SQFも取得
2012年には、農林水産省の定める「畜産農場における飼養衛生管理向上の基準(農場HACCP認証基準)」に適していることが認められ、HACCPの国内第1号認証を取得。
2014年には国際認証規格「SQF」のレベル3認証を得ています。
SQFとは、食品製品について生産から加工、調製、処理することを証明する最高基準の認証プログラム。
この認証は、肉牛分野では、すすき牧場が先駆けとなって取得したことになります。
「私たちは安全な牛肉を消費者へ届けるために、国内基準だけでなく世界の認証規格も研究してきました。これからも手間ひまを惜しまずに、食の健康について取り組んでいきます」
薄さんとすすき牧場の食の安全に対する追求は、さらに続いていきます。
すすき牧場
- 営業時間:ー
- TEL:0940-32-6300
- 定休日:ー
- アクセス:〒811-3402 福岡県宗像市河東1番地
●肉牛肥育 約2,200頭(所有地 20ha)
●牛ふん堆肥製造・販売