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牧場の仕事を子どもたちのあこがれのシゴトに!

  • #乳製品
  • #六次化

この記事の登場人物

新村 浩隆
有限会社 十勝しんむら牧場
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「酪農の根幹は土づくり」というポリシーのもと、十数年の歳月をかけて土壌改良に取り組み、自然のおいしさそのままの牛乳を生産しているのが、有限会社十勝しんむら牧場の新村浩隆さん。決して妥協しない「ものづくり」の姿勢は、牧場のブランディングや商品開発にも活かされています。

やりがいに満ちた誇らしい職業であることを伝えたい。 

十勝しんむら牧場の真ん中、ひときわ目を引くキュートな建物が「クリームテラス」。ヤギたちのお出迎えにほっこりした後、中央のガラスの扉を開けると、すてきなショップスペースが目に飛び込んできます。ミルクジャムの瓶やスコーンの数々、食器や可愛らしいグッズ、ステーショナリーなどが、ところ狭しとラインアップ。うん、かわいい。そしておしゃれ!

こうしたオリジナルのグッズ制作や加工品の製造に、積極的に取り組んでいるのも同牧場の特徴。こうした活動の根幹には、牧場の仕事を子どもたちのあこがれの職業にしたいという新村さんの強い思いがあります。

「酪農、農業は命を育む仕事です。自然に根差し安心でおいしい食べ物をつくりだす。その食べ物の恩恵で、人々はすこやかに暮らしています。こんなすばらしい仕事、誇らしい職業なのに、カッコ悪いとか所得も低いというような偏見で見られてしまうことも。そんなイメージを覆し、魅力ある仕事だと広く知っていただくために、ロゴマークを一新したり、オリジナルの加工品づくりなどに取り組んだわけです」

欧米では牧場主はあこがれの的。一国一城の主として、世間的にも高いステイタス性を誇る存在とされています。新村さんら若手牧場主たちが、センシティブな活動を展開していけば、日本の酪農や畜産業界のイメージも大きく変わるかもしれません。

自然が育む牛乳をふんだんに使ったミルクジャム。 

新村さんが乳加工製品の製造をスタートさせたのは、就農6年目のこと。中でも新鮮な素材と砂糖だけでつくるミルクジャムは発売と同時に火がつき、今では同牧場の看板商品に。

ミルクジャムは、古くはフランスの農村部で作られていた保存食。牛乳と砂糖を煮つめるシンプルなレシピですが、それだけに素材の鮮度とクオリティ、作り手の技術やこだわりがダイレクトに味にあらわれるのだとか。

「このミルクジャムの原料は、うちの放牧牛乳と北海道産グラニュー糖のみ。専用の釜で3分の1の量になるまでじっくりと煮つめていきます。ただ牛乳の脂肪分等が季節や天候によって変わるため、その時間は一定ではありません」

火からおろすタイミングを決めるのは、経験豊かなスタッフ。一年中、牛や牛乳と向き合っているからこそ、常に高い品質を保持することができるのです。

牧場の仕事に新しいステイタスを。 

土壌や草にとことんこだわった十勝しんむら牧場の牛乳。そのおいしさが濃縮したミルクジャムは、濃厚な風味なのに後味はさっぱりしているのが特徴。

「添加物や保存料など、余分なものは一切使用していないので、小さなお子様にも安心です」と新村さんもニッコリ。

プレーン味のほか、はちみつ、メープル、バニラ、イチゴ、抹茶などなどテイストも多彩。スコーンやパン、クッキー、フルーツ、コーヒーや紅茶などと合わせるのはもちろん、お料理の隠し味にもオススメだとか。同牧場のホームページでネット販売にも対応しています。

牧場の仕事のネガティブなイメージを変えたい。子どもたちが魅力を感じるような職業にしたい。この新村さんの思いは少しずつ形になっているようです。

有限会社十勝しんむら牧場

http://milkjam.net/ 

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  • TEL: 01564-2-3923 FAX 01564-2-3919
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  • アクセス:〒080-1407 北海道河東郡上士幌町字上音更西1線261番地

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