複合施設「たまご庵」を拠点に、農業による菊池のまちづくりを描く
この記事の登場人物
松岡 義清株式会社 コッコファーム
2011年1月に、養鶏業を核とした株式会社コッコファームの複合施設「たまご庵」が熊本県菊池市にオープンしました。
「人づくり」をテーマに、地域の物産館やレストラン・食品加工室・中央ホール・インキュベーションオフィス・バナナ館などを備え、地域のさまざまなコミュニティの活動拠点となっています。
もくじ
情報の集発信基地としての「たまご庵」
たまご庵には年間100万人のお客様がご来店。
毎日多くのお客さんが訪れ、駐車場は常に車がいっぱい。物産館にはコッコファームの「朝取りたまご」をはじめ、地域の生産者が作る農作物や加工品がどっさりと並びます。
熊本県内外のお客様が菊池の農業を知り、菊池の農作物や加工品に親しめる場なのです。
物産館で人気の手作り菓子工房コーナー。
工房ではコッコファームのたまごをタップリと使ったソフトクリームや作りたてのシュークリーム、菊池地域の生産者の季節のフルーツを活かした期間限定のスイーツがケースに陳列されています。
たまごから生まれる多彩なスイーツの数々に思わず目が奪われます。
たまごや鶏肉を加工した食品やお惣菜も盛りだくさん。
特に細かく刻んだゆでたまごがぎっしりと詰まったたまごサンドと、太すぎるたまご焼きを巻いた太巻きは大人気。たまごの直売店だからできる贅沢なたまごの使い方です。
館内では、たまごイベントが開催されることも。
たまご庵内のレストランは、自社生産の新鮮なたまごと鶏肉、そして地域の生産者の旬の野菜を活かした料理を提供しています。
人気はたまご3個を使ったデミソースオムライス。たまごかけご飯をメインにした定食もあります。
また、レストランはたまごや鶏肉を使った多彩なメニューや料理の工夫を紹介する場でもあります。家庭で作る料理のヒントにもなりそうですね。
たまご庵にバナナ館があるのは、実はバナナとたまごが循環型農園の象徴だそうです。
「養鶏業で無駄なものをなくしたいと思っていました。するとバナナの生育にたまごの殻や鶏糞が肥料としてとても相性が良いことが分かったんです」と、株式会社コッコファームの松岡社長はいいます。
循環型農園として、バナナ館のバナナは2000年から栽培され続けています。
たまご庵の外観は「一軒の農家の直売所」をイメージしてデザインされました。
物産館の前の軒下の空間は、日本家屋の縁側がモチーフ。アルミ製の横格子は軒から吊るしたすだれを表しています。建物の素材や職人の手による造りは、昔の農家が持つ素朴さを感じさせます。
「地域の発展」「人づくり」の拠点としての「たまご庵」
たまご庵の中央ホールは、地域との共生をテーマにコミュニティの場としての役割を担っています。
地域の文化サークルや子どもたちの発表会をしたり、地元青年団の「神楽」を上演したりする、地域の交流や地域文化の発信の場です。
たまご庵の食品の加工やお惣菜作りの中心は、地域の高齢者の女性。
物産館で人気のたまごサンドイッチやたまご焼きの太巻きも、料理上手な地域の女性たちの企画によるもの。高齢者の女性を雇用し、活躍できる場となっています。
たまご庵の2階には「人づくり」の実質的な場として120名まで利用できる貸し会議室や、インキュベーションオフィスがあります。
「コッコファームでは今後『農業によるまちづくり構想』を掲げ、就農者の育成や子どもの食育、農産加工の六次産業化などに取り組み、菊池市の農業の活性化に貢献したい」と、松岡社長。
▲子どもたちへの食育の一環として、収穫体験も行っています
養鶏農家としての枠組みを超え、地域や農業の活性化に務める株式会社コッコファーム。
これから菊池市で展開されるであろう魅力あふれる農業に、注目が集まります。
株式会社コッコファーム
- 営業時間:物産館・中央ホール9:00 ~ 18:00 / レストラン9:00 ~ 17:00(オーダーストップ16:30) / バナナ館9:00 ~ 17:00
- TEL:0968-24-0007(代表)
- 定休日:年始1月1.2日休業
- アクセス:植木インターチェンジより車で約30分 熊本インターチェンジより車で約40分
・事業内容
養鶏を中心にした生産・加工・販売
インキュベーションオフィス(地域活性化事業)
人材育成のための教育事業