読みもの

短角牛の素晴らしさを「共有」する場所。

  • #食レポ
  • #和牛

この記事の登場人物

高橋 秀子
短角王国 高橋ファーム
" alt="">

北海道襟裳岬の美しい風景が望める丘の上。ここに「短角王国高橋ファーム」で育てた短角牛を見て、味わって、知ることができるファームイン「守人(まぶりっと)」と焼肉小屋「短々(たんたん)」が肩を並べています。代表の高橋祐之さんとともに、二つの施設を切り盛りしている奥様の秀子さんにお話を伺いました。

いくらでも食べられそうと評判の赤身肉。

高橋さんご夫妻がファームインと焼肉小屋をオープンさせたのは平成14年。短角牛の飼育が軌道に乗り始めたことで、今度は自分たちの取り組みや学んできたこと、そして短角牛の素晴らしさを一人でも多くの人と分かち合いたいと考えてのことです。

「とはいっても、初めはお客さんが来てくれるかどうかも分からず手探りの日々。焼肉小屋のメニューは牛丼からスタートさせて、徐々に品数を増やしていきました」

今はステーキやハンバーグ、ソーセージなどメニューは多種多彩。中でも人気なのは短角牛のおいしさをシンプルに味わえる「短角牛焼肉コース」です。

「手塩にかけて育てた短角牛だから、おいしく食べてほしいって気持ちが強くて。あまり焼きすぎないようにレクチャーするのも私の役目です。オススメの焼き加減はお肉がほのかにピンク色に変わってきたころ…ですが、もちろんお好みに合わせます(笑)」

短角牛の特徴はサシが少ない赤身肉でさっぱりとした味わい。80代のご年配や胃腸の弱いお客様でさえ「いくらでも食べられる」と感想を漏らす人が多いそうです。秀子さんに焼き方を教わり、試しに味わってみると、お、お、おいしい~!噛みしめるほどに短角牛の肉の濃い味が口一杯に広がります!

「そう言ってもらえると生産者冥利に尽きます。おいしい、おいしいって言ってくれるお客さんの笑顔を見られるから、大変だけどやってこられるんですよ」

子どもたちや若者が成長する姿を見るのが嬉しくて。

ファームイン守人には、道内外を問わず多くのお客様が宿泊します。ご家族連れや毎年必ず訪れる常連さんはもちろん、最近では女性一人で泊まっていくというケースも増えています。

「ファームインの“夜の部”は夫が担当なの(笑)。焼肉小屋で夕食を済ませたら、交流スペースで談笑するのがいつものパターンです」

「夜の部」は押しつけも説教もなく、観光客の家族や旅人たちとくつろぎながら、これまで経験したことを滔々と伝える時間。内容は襟裳砂漠や緑化の話、短角牛の歩みの話、餌やお産や屠殺の話と多岐に渡ります。

都会では得られない「生々しい」経験に最初はたじろぐ人も、いつしか自分が自然の循環の中で尊い命をいただきながら生きていることに気づいていくとか。少々荒療治な感じもあるけれど、だからこそ一人ひとりが口にする「いただきます」や「ごちそうさま」に心がこもると秀子さんは微笑みます。

「特に子どもたちや若者。星を観たり牧場を歩いたり牛に触れたりする、その時々でみるみる成長していくんです。その様子を見るのが何より嬉しいの。ここを開いてよかったと思う瞬間よね」

→「高橋ファーム」のその他の記事はこちらから。

短角王国 高橋ファーム

http://www.erimotankaku.jp 

  • 営業時間:要問い合わせ
  • TEL:(01466)3-1129 
  • 定休日:要問い合わせ
  • アクセス:〒058-0342 北海道幌泉郡えりも町えりも岬406-1 

焼肉小屋 短々
http://www.erimotankaku.jp/tantan/index.html

ファームイン守人
http://www.erimotankaku.jp/maburitto/index.html

// こちらもオススメ