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ジビエの名店「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」の人気シェフ神谷氏による家庭でできるスペシャルレシピ  ピクニックに出かけよう「ピアディーナ」

  • #レシピ

この記事の登場人物

神谷 英夫
ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ
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レストランを営むかたわら世界中をめぐり、さまざまな料理と出会ってきた神谷シェフ。今回は、イタリア・ロマーニャ地方でポピュラーな前菜、「ピアディーナ」をご紹介します。

レストランを営むかたわら世界中をめぐり、さまざまな料理と出会ってきた神谷シェフ。今回は、イタリア・ロマーニャ地方でポピュラーな前菜、「ピアディーナ」をご紹介します。

こんがり焼いた薄生地に、シェフいち押しの国産豚肉と彩り野菜を組み合わせ、ボリューミーでヘルシーなレシピに仕上げました。

好きな具材を選び、自分で挟んで食べる楽しさは、お子さんにも大人気! 次の休日は、ピアディーナを持ってピクニックに出かけてみませんか。ひと口食べれば、とびきりの笑顔がみられるはずです。
具材のローストポークは、“低温調理”のひと手間で、驚くほどしっとりしたプロの味に仕上がります。実はとってもカンタンな技ですので、ぜひチャレンジしてみてください。

【今回のいちおし国産食材】

豚肉

日本で流通する国産豚肉の多くは、ランドレース(L)、大ヨークシャー(W)、デュロック(D)という3品種を掛け合わせた三元交雑豚です。今回は、あえて最も一般的なこのLWD国産豚を使いました。くさみがなく、品のよい味わいで、完成した料理もまとまりやすいのが特徴です。飼料や環境、管理によっても味が変わってきますので、いろいろな豚肉を使って、産地や銘柄のバリエーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

【材料(8人分)】

ピアディーナ(生地)

・強力粉 400g
・ベーキングパウダー 大さじ1弱(13g)
・塩  小さじ1弱(4g )
・ラード 65g
・ぬるま湯 250cc

ローストポーク(具材)

・ロース肉 800g
・塩、こしょう 少々
・エルヴドプロヴァンス(ミックスハーブ。タイム、セージ、フェンネル、ローレル、ローズマリーなどを乾燥させて合わせたもの) 適量(赤身全体にまぶす程度)
・オリーブオイル 適量

野菜(具材)

○お好みの野菜でOK!

・アスパラ 4本
・ラディッシュ 4個
・ミニトマト 4個
・空豆(皮付き) 200g
・トレヴィス 4枚
・グリーンカール 4枚
・カリフラワー 8房
・アイスプラント(ソルトリーフ) 1パック
・タマネギ 1個
・ルッコラ 1パック

ソース

・生クリーム 300cc
・ヨーグルト 150cc
・トマトケチャップ 大さじ1.5 (25g)
・エストラゴン・酢漬け(みじん切り) 小さじ1弱(4g)
・パセリ(みじん切り) 小さじ1弱(5g)
・ケイパー(みじん切り) 大さじ1と1/2(24g)
・ピクルス(みじん切り) 大さじ1と1/2(24g)
・レモン汁 大さじ2 (30cc)
・コニャック 大さじ2(30cc)
・タバスコ 少量
・塩、こしょう 適量

【レシピ】

ピアディーナ

①生地の材料をすべてミキサーに入れ、低速で約10分間かけて練る。練り終えたら生地を取り出し、冷蔵庫で1日休ませる。

②1を綿棒で薄くのばす。打ち粉を多めにふっておく。直径20㎝、厚さ5㎜が目安。

③熱したフライパンで、油をひかずに生地を焼く。火力は弱火からスタート。生地を置いて、表面に穴ができて膨らみ始めたら裏返す。さらに膨らんできたら、へらでつぶして空気を抜きながら、まだらに焦げ目がつくまで焼く(約10分間)。

「モチモチした生地よりもクリスピーな生地がお好みの場合は、焼く時に、生地の上に耐熱皿を重し代わりに乗せます。」

④皿にのせて布をかぶせ、粗熱をとってしっとりさせる。このまま保管し、食べる前に再度焼いて温める。

「焼き上がったピアディーナは、冷凍保存も可。休日に作りおきしておけば、調理時間を短縮できます。食べる前にフライパンで温め直してください。」

ローストポーク

①豚ロース肉に塩、こしょう、エルヴドプロヴァンスをまぶす。

②ポリ袋に肉を入れてストローなどで端から空気を抜き、真空パック。

「うまみを閉じ込めるためにも、パッキング時にはしっかり空気を抜いておきましょう。」

③鍋に水をはり、80℃まで加熱する。袋に入った豚肉をそのまま鍋に入れ、1時間10分加熱する。加熱中はとろ火にし、80℃を保つ(鍋に温度計を入れて温度をチェックする)。

「80℃という低温でじっくり加熱することで、肉汁を逃がさず、しっとり仕上げることができます。お湯の温度が上がり過ぎたときは、氷を入れて80℃に戻してください。」

④中心まで火が通ったら、焼き目を付ける。熱したフライパンにオリーブオイルをひき、脂身の面のみ中火で焼く。こんがりきつね色に焼けたら取り出し、食べやすい厚さ(5㎜程度)にスライスする。

野菜の下ごしらえ

①アスパラ、空豆、ブロッコリーは、塩ゆでして氷水にとり、粗熱をとる。タマネギはスライスして水にさらしておく。

②ローストポークと一緒に、大皿に盛り付ける。

ソース

①生クリームをやや硬めに泡立てる(八分立て)。

②ヨーグルトとトマトケチャップを加えて混ぜ合わせる。

③エストラゴン、パセリ、ケイパー、ピクルスを加えて混ぜる。レモン汁、コニャック、タバスコを加え、塩、こしょうで味をととのえる。

綺麗に盛り付けたら完成です。

みなさんも「ピアディーナ」を持ってピクニックに出かけてみてはいかがでしょうか?

シェフの紹介神谷 英生 

Hideo Kamiya

 1967年、新潟県生まれ。東京・目黒で熟成肉やジビエ料理のレストラン「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」、自家製シャルキュトリのテイクアウト専門店「フレンチデリカテッセンカミヤ」を営む。
 高校卒業後、1986年に新潟のフレンチ「マプペイーヴル」に入店。その後上京し、1991年に六本木「住友迎賓館」に入社。1997年より東宝グループの総料理長として数々のパーティーで指揮をとり、そのかたわら、世界各地で料理修行を積む。
 2004年に「ラ・ブーシェリー・デュ・ブッパ」の前身である「トロワピエロ」、2011年には「フレンチデリカテッセンカミヤ」をオープン。
 主な著書に『料理人のためのジビエガイド』(㈱柴田書店)、『ハム&ソーセージ大全』、『これからの新しいシャルキュトリー』(㈱スタジオタッククリエイティブ)、『とっておきの豚肉料理 手軽にできるごちそうレシピ』(㈱緑書房)がある。

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