「どきどきモーモースクール」を主催する関東クラブユース 一般消費者への酪農普及にかける熱い想いを聞く
この記事の登場人物
須藤 健太株式会社 須藤牧場
小学生対象の酪農体験アクティビティー「どきどきモーモースクール」は、「関東クラブユース」主催のイベント。この団体は一般消費者との交流を通して酪農の魅力を知ってもらうことを目的に、さまざまな活動を行っています。クラブを代表して、株式会社須藤牧場 須藤健太さんにクラブの取り組みや酪農に対する想いをうかがいました。
もくじ
酪農の魅力を広める伝道師に!地域や子どもたちへのアピール力を磨くための活動をスタート
「関東クラブユース」は、「地域交流牧場全国連絡会」に属す団体で、関東ブロック管内の40歳以下の酪農関係者、いわば若手が中心となって活動するクラブです。
これまでは若手酪農家の勉強会・交流会が活動の中心でしたが、最近ではそこから一歩進んで、一般消費者に酪農への理解を深めてもらうための活動のスキルアップを目指しています。
そんななか、今回初めて主催したのが「どきどきモーモースクール」。
「イベントの開催が目的ではなく、酪農関係者がアピール力をどう高めるかに重点を置いた」と、須藤さんは語ります。
「本番の1ヶ月前から準備し、活動の狙いを共有するために台本やセリフを考え、主催者側の目的意識の意思統一を図りました。イベント中には動画を撮影して記録し、皆で見てよかった点や改善すべき点の意見を出し合う、反省会を行います。若手酪農家たちがこのイベントで学んだことにより、それぞれの酪農拠点に戻った時に、地域や子どもたちとの交流時のアピール力が高まり、より効果的に酪農の魅力を伝えていけたらと思っています」。
教育ファームのカリキュラム作成により、目指す方向が見えてきた
須藤さんによれば、「どきどきモーモースクール」は、教育ファームの側面をもっていることから、文部科学省発行の現行学習指導要領を入手してカリキュラムを熟考したそうです。
学習指導要領にある「生きる力を養う」というテーマに、まさに酪農体験はぴったりだと確信。1年生から6年生まで、それぞれに適した台本やセリフ、カリキュラムを構成しました。
「これまで学校に赴いて酪農の魅力を訴える機会はありましたが、やはり牧場に来てもらって実際に子どもたちが牛とふれあう機会をつくりたいという強い想いがこの企画を前進させました」と、須藤さんはいいます。
「この勉強会を開いたことで、酪農家たちが“何を伝えるべきか”が明確になりました。それだけでも一歩前進だと捉えています」
このイベントに手応えを感じたため、1年に1回は事業として継続していきたいとのこと。また、今後は教員や表現のプロである演劇関係者なども講師として招くことも計画中で、クラブ活動の一層の活性化を目指しています。
若手酪農家が結束して就農減少を食い止めるべき。クラブの会員を増やし、より充実した活動を
「どきどきモーモースクール」には、「関東クラブユース」会員の酪農家5人のほか、外部スタッフとして日本獣医生命大学、日本大学、東京農業大学の大学生、神奈川中央農業高校の高校生、そして非会員の酪農家も参加しています。
「現場のスキルを学んでもらえたら」と学生たちを勧誘したところ、約20人もの参加者が集まったそうです。
また、非会員の酪農家に門戸を開いたのは、よりネットワークを広げて会員数を広げていければと考えてのこと。
「クラブ会員だけでなく、学生や非会員の外部スタッフと一緒にイベントを行うことで、互いに切磋琢磨するとともに活動の認知を高めてもらい、ひいては会員になって一緒に活動してもらえたら」
と須藤さん。
「酪農従事者が10年前に比べて半分に減っている現状の打開を目指し、より酪農の魅力を広めるために、若手の仲間とともにクラブ活動を充実させていきたい」と、熱い想いを語っていただきました。