畜産を学ぶ

父も祖父も酪農家!牛に囲まれて育った二人の若者が夢見る未来とは?

大学 北海道
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北海道江別市にある酪農学園大学は、酪農を始め農業や自然環境、食、生命などについて総合的に学ぶことができる、国内では数少ない大学のひとつ。キャンパス内には先端技術を駆使した「インテリジェント牛舎」や農場、動物病院などを備え、その広さは約135ha(東京ドーム28個分以上)!

のんびりと草を食む牛たちを間近で見られる「まさに北海道!」という雰囲気に憧れて入学する道外からの入学者も少なくありません。

▲すぐそばには住宅が広がる酪農学園大学

生まれた時から牛と一緒!清水町出身の竹中さんと常呂町出身の大江さん。

▲高校入学時から共に歩んできた二人

全体的な傾向としては、酪農家や農家ではなく、一般家庭で育った学生の割合が多いそう。
とはいえ、ここは「酪農大国・北海道」。生まれた時から牛に囲まれて育ったという酪農家の子弟が入学するケースも多く、将来家業を担うために専門知識や技術の習得に励んでいます。

そんな未来の酪農家の中から、今回話を聞かせてくれたのが北海道清水町出身の竹中章博さんと常呂町(現・北見市)出身の大江海都さん。共に大学2年生。地元の中学校を卒業後、どちらも大学付属にする「とわの森三愛高等学校」に入学し、親元を離れて寮生活をスタートしました。高校時代は同部屋だったこともあるという仲の良い二人です。

▲十勝平野の西部に位置する清水町出身の竹中章博さん

竹中さんの実家は4代続く酪農家で、本人は5代目の牧場主となる予定。父も祖父も酪農学園大学の卒業生です。

 生まれた時から牛に囲まれ、牛の世話をするのが当たり前の生活でした。僕ははっきり覚えていないんですけど、お気に入りの牛にエサをやるまで保育園に行かないと駄々をこねたこともあったそう(笑)。自然が身近にある生活が好きだったし、酪農家以外の職業は考えたことがなかったです。

▲北海道東部、オホーツク海に面する常呂町出身の大江海都さん

一方の大江さんは祖父の代から酪農に取り組み、本人は3代目。とわの森三愛高校に進学したのは地元を離れたかったからだと素直な思いを語ってくれました。

 僕はそれほど家の仕事を手伝っていたわけじゃないんです。中学を卒業するころには都会に対する憧れがあって、とわの森に入学すれば札幌に行けると思って(笑)。同じ年の仲間と過ごす寮生活も楽しそうだなって。

初めて見る実家以外の牛舎。「酪農家の息子」だからこその戸惑いも。

▲大学での実習風景

高校時代は、大学と連携して高大一貫教育が行われる「機農コース」で学んだ二人。竹中さんは初めて見る実家以外の牛舎に戸惑いながら、「酪農家の息子」であることにプレッシャーを感じたこともあったと振り返ります。

 学校で飼っている乳牛の搾乳は高校生が担当するんです。実家以外で仕事をするのは初めてなので、正直かなり戸惑っていたんですが、『酪農家の息子だから他の人より上手にやらなきゃ!』って変なプライドが邪魔して、『できません』『わかりません』って言えないんですよね・・・。きちんと先生の説明を聞かずに、失敗したことも多かったなぁ~(苦笑)

▲牛の扱いも手慣れた様子の二人。

高校のカリキュラムには農家への実習も組み込まれ、その時の経験が大江さんに酪農家になる決心をさせたと言います。

 入学当初はそこまで強く酪農家になろうと思っていなかったんです。でも、僕が実習させてもらった牧場のオーナーがすごく魅力的で、家族の仲もすごく良かったんです。みんなで助け合って暮らしていて、将来、こんな生活が出来たらって憧れから、酪農家になることを決心しました。

大学の授業や牧場バイト、実習先での経験を将来の家業に生かしたい。

▲高校卒業と共に寮を出て、現在はそれぞれ一人暮らしをしている

大学に進んでからは循環農学類の酪農学コースで学んでいる二人。学ぶ内容もぐっと高度になり、酪農の歴史や品種ごとの特徴など、実戦に直結する知識を学べるのは面白いと声をそろえます。

3年生になるとゼミに所属します。竹中さんは、牛にとって居心地の良い牛舎の研究や家畜の行動管理について学びたいのだそう。一方、大江さんは作業の省力化や経営の効率化に繋がる、設備の近代化などについて学んでみたいと意気込みを話してくれました。

▲校内ではさまざまな実習が行われている

最後に将来の夢や目標について、二人に語ってもらいました。

 アルバイト先の牧場では共進会に出品していて、僕もそのお手伝いをしているんです。実家では出品していなかったので、最初は分からないことばかりだったんですが、キレイな牛を育てる努力は牛の生育環境を整えることに繋がり、乳量を増やす努力でもあることが分かってきたんです。将来は学校やバイト先で学んだ知識を活かして、生育環境の改良や乳牛改良に取り組み、共進会にも出品できるような牛を育てていければと思っています。

▲自分の家で育てた牛を引き共進会に出るのが目標だそう

 うちの牧場は小規模なので、どれだけ効率よく作業できるかが重要なんです。なので大学に入ってからは、積極的に搾乳ロボットなどを導入している牧場に見学に行っています。将来は実家の牧場にも搾乳ロボットを導入して、経営効率を高めるのが目標です。そして、実習でお世話になった牧場の皆さんのようなステキな家庭を持ちたいなと思っています」
 

▲しっかりと経営を安定させて好きな車を買いたいと大江さん

酪農学園大学

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