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新規就農だから固定観念がない。良かれと思ったことはなんでも試してみる

  • #和牛

この記事の登場人物

南 隼人
株式会社 KANEHO
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株式会社KANEHOの牛舎は清潔な環境の維持を心がけている。

「生き物を飼っているのだから多少の臭気はあって当然」とは隼人さんは考えない。何より、清潔な環境を保つことは牛のストレスを減らし、飼育にも好結果をもたらす。畜産家である以前に、自分自身がきれい好きであったから、その感性が畜産経営にも生きているのだ。

若者らしい“見栄”が、畜産の当たり前を当たり前でなくした

青森県大間町の繁殖農家である株式会社KANEHOの牛舎は、一般的な畜産の現場に比べて臭気が少ない。
牛舎のある場所が海にも近い丘陵地帯で、風通しが良く臭気がこもらないという立地環境にも恵まれたが、畜産をやっていれば臭くて当たり前とは考えたくないという、隼人さんの思いも強い。

隼人さん自身も「いくら畜産農家でも、人に会ったときに匂いのする自分ではいたくない。」と、一日に三回も風呂に入るというこだわりを見せる。

牛舎を清潔にするのにはワケがある。工夫と努力は結果になって返ってくる 

そもそも、牛舎を清潔に保つのは、繁殖農家としての周到な経営戦略の一つでもある。それは、受胎率の安定化だ。親牛は、人工授精をしても必ずしも受胎するものではなく、ストレスなどにより、受胎率が落ち込む。

「周りを少しでもきれいにしてやると、ストレスもなくなるんじゃないかと思うんです。」と、隼人さん。

そこで、ベルトコンベア式に牛舎内の糞尿と敷きわらを搬出するバーンクリーナーを青森県でいち早く導入し、朝と晩の一日二回、糞尿をかき出している。

この装置により、牛舎内をとても綺麗な状態に保つことができる。牛舎内の消毒をまめに行ったり、蜘蛛の巣の掃除も欠かさない。隼人さんは、牛の健康についてアドバイスを受けたことは何でも試している。

畜産家は休めない。でもたまには休みたい…では、どうすれば? 

畜産は、生き物を扱うだけになかなか大変で、休むこともままならないというイメージもあるかもしれないが、信頼できる協力者を確保できれば、休みだってとれる。

南家では年に2回、一週間の休みを取って家族全員で旅行に出かけている。休みを取って英気を養えば、その先のモチベーションにもつながる。

隼人さんによれば、畜産はしっかり計画的にやれば儲けを出せる仕事だという。新規就農の最初は資金面の苦労もあると思うので、バックアップしてくれる人を見つけることも鍵になる。隼人さんの場合は、最初に父親が後押ししてくれた。

休みもとれ、儲けられるというこんな魅力的な仕事がほかにあるだろうか。

株式会社 KANEHO 

〒039-4601青森県下北郡大間町大字大間字大間平38-685

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