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一期一会の出会いを最高の時間に。国馬流おもてなしの極意とは

この記事の登場人物

国馬 ヨウ子
国馬牧場
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福島を代表する畜産家、国馬牧場の国馬(こくま)ヨウ子さん。彼女の活動を一度は聞いたことがあるかもしれません。

福島を代表する畜産家、国馬牧場の国馬(こくま)ヨウ子さん。彼女の活動を一度は聞いたことがあるかもしれません。

国馬さんはいつも、いま自分ができる最大限を尽くして物事に取り組み、そして関わる人々と接します。国馬流人間関係の構築の仕方です。

自宅へ国馬さんを尋ねた人へのおもてなしも、もちろん全力です。ゲストをもてなす料理を作り、料理を囲み、談笑する。それが彼女流のおもてなしであり、ここでも国馬流人間関係の構築の仕方が垣間見えます。

どんなときでも素敵な関係を築く、国馬流のハッピーの法則の作り方とは一体なんでしょうか?

ルールに縛られない、国馬流おもてなし

国馬さんの自宅に招かれ、リビングに通された瞬間、我々を驚かせたのは、テーブルの上に並べられた多数の料理。

例えば、「リンゴとシソの漬物」など創作料理がずらり。どれもはじめていただく味だが、とっても美味しい!

多くの方が、ゲストをもてなす場合、つい普段より背伸びをして、「高級なものをお出ししなくちゃ」「粋な演出をしなくちゃ」などと、いわゆる「おもてなしの暗黙のルール」を気にして肩肘を張ってしまいがちではないでしょうか。

でも、そんな「おもてなし」と「国馬さんのおもてなし」は、何かが違います。

国馬流おもてなしのルーツは、「自分が楽しいポイントを探して突き詰める」こと

「“これもやってみたい!あれもやってみたい!”という気持ちから、実際にやってみるんです。新しいアイデアを発見することが大好きなの。」と、国馬さんは言います。

「自分が楽しいポイントを探して、そこを突き詰めていったときの達成感が嬉しい。私が嬉しかったことをみんなに共有しているんです。だから、“人をもてなしている”という感覚はないんですよ。ただただ楽しんでいるだけなんです。」

「“食べながら話す”って、コミュニケーションとしてとても重要なこと。」

国馬さんは、何度も何度も「何か食べながら、リラックスしてしゃべろうね!遠慮しないで!」と呼びかけます。

「気兼ねなくいろんな話をしないと、本当に話したいことも出てこない。」

それが国馬さんの考え。だから、食事を通じて気持ちを和らげるこの“食卓を囲む”という行為をとても大切にしているそうです。

「人の悩みを言ってもらえる人、つまり、人から信じてもらえる人になりたいんです。たくさん相談を受けたいし、話し合いたいし、励まし合いたい、そんなコミュニケーションをするときに食べ物は必要になってきます。食べることはカラダに必要なこと。生きるということ。コミュニケーションも生きていく上で必要なことだと思っています。」

と国馬さんは言います。

国馬流おもてなしは準備から。

「ゲストのために、楽しみながら準備すること」

“ただ何か料理を作る”ということでも、“料理を自慢する”ということでもなく、「誰かを招きたい!一緒に過ごしたい!」という気持ちが強いといいます。

見栄など、肩肘を張ったおもてなしとは違い、自分ができることをできるだけ手間をかけて、一生懸命準備する……そのことが結果的に、相手に気持ちが伝わり、話しやすい環境を作ります。

これこそが、出会いを最高の時間に昇華させているのです。

「みんなに喜んで食べてもらうために、試してみて、食べてみて、楽しみながら作り直したり改善し続けたりすることが、私のおもてなしのモットーです。」と、国馬さん。

「料理の味付けや細かいことって、育ってきた環境や慣れによって千差万別。だから、みんながみんな全員おいしいって思えるものって少ないでしょう。でも、できるだけ、たくさんの友達においしいと思ってもらえるように工夫したいんです。」

テーブルに並んでいる国馬さんお手製の料理は、“もっともっとゲストに喜んでもらえるように”と手間と時間をかけた愛情の軌跡のようです。

国馬流・料理の知恵の一部をご紹介!

そんな国馬さんに、料理に関する知恵を教えていただきました。

・野菜は、干すと食感がよくなり栄養価も増し、保存がきく

・たくあんを漬けるときは、白砂糖よりザラメ砂糖を使った方が保存がきく

・煮ると味がコクなり、柔らかくなる。歯ごたえを求める場合は、煮すぎないで早めに火を止める

こちらはほんの一部。経験に基づくたくさんの知恵が国馬さんの料理には詰まっています。

取材を終えて

取材後、国馬さんは、3日分ほどのお土産まで持たせてくださいました。最後の最後まで、彼女はもてなし尽くしてくれました。

「おせっかいって、どんなにされても嫌なもんじゃないでしょう? 相手が嬉しいと思えることはどんどんした方がいいと思っています。」

国馬さんの笑顔は優しくチャーミングで対応が柔らかいのに、語る言葉には、熱い情熱が練り込まれています。彼女のエネルギーや熱量を持って突き進む姿に、人は魅了されるに違いありません。