3Kイメージとは違う!? 次世代酪農家のリアル
この記事の登場人物
保田 知紀保田牧場
起伏の少ない平坦な地形と穏やかな気候に恵まれ、日本有数の酪農地として知られる茨城県小美玉市。
保田牧場の三代目である保田知紀さんは、美野里酪農業協同組合の青年部のリーダーであり、2018年の10月20日・21日に開催された「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」でも次世代酪農プロジェクトチームのチームリーダーを務めるなど、小美玉の酪農を背負って立つ重要な存在です。
そんな保田さんは、あるアーティストの熱狂的なファンとして、酪農家の仲間内でも有名なのだそう。
実はライブキッズ?酪農家のプライベートはライブ三昧
※ライブキッズとはライブが好きでライブになると子供のようにはしゃいでしまう人たちを表した言葉
もくじ
保田さんは自他ともに認める女性3人組テクノポップユニット、Perfumeの大ファン。ファンクラブにも所属し、ツアーやライブにも年に数回は足を運んでいます。
また、仕事がない日はPerfumeのツアーTを着て食べ歩きをするのがストレス解消なのだそう。
「8年ほど前に知り合いから誘われて初めてアーティストのライブを観に行ったんです。
そこでCDでは味わえないライブならではの魅力にすっかりハマり、それからいろんな人のライブに行くようになりました。特にPerfumeが好きですが、ひたちなか市で開催されるロック・イン・ジャパン・フェスティバルには毎年のように行って新しい注目アーティストを探します。
これまでに北は北海道、南は沖縄まで、旅行を兼ねてライブに足を運びました。
「Perfumeのようにチケットが取りにくい有名なアーティストは、地方で開催される平日の公演が狙い目。酪農家は平日だろうと土日祝日だろうと、忙しさは変わらない仕事なので、どちらでも休みが取りやすい職業なのです。ライブに行く日だけは、酪農のヘルパーさんにお願いをして旅行とライブを思いっきり楽しみます。一緒にライブや旅行を楽しんでくれるパートナーを募集中です!(笑)」
酪農の3Kイメージ払拭を目指して
Perfume大好きを公言している保田さん。
農家の先輩から「またライブに行ってたのかよ┐(´д`)┌ヤレヤレ…」とヤジを飛ばされることもあるそうですが(笑)、その裏には酪農家のネガティブなイメージ払拭の願いもあるようです。
「酪農のことを『すごくきつい仕事』と言う人もいるけど、それってどんな仕事も同じですよね?大変なこともあるけど、楽しいこともあるし、やりがいを感じる瞬間もたくさんある。それに、趣味や家族など、自分にとって大切なもののためなら自分で計画を立ててしっかり休みを取ることもできるんです。」
国産の牛乳は自分たちが守る
自分の趣味も楽しみながら、酪農という仕事に対して確固たるプライドを持つ保田さん。
最後に“日本の酪農家”としての特別な想いを語ってくださいました。
「生乳は品質の保持ができないという理由で輸入ができない、国産100%の食べ物。また現在、国内での乳製品の需要は増しつつあります。」
大先輩で尊敬する酪農家さんの『私たち酪農家は『自分たちが国民の食と健康を支えている』と自覚し、この仕事にもっと誇りを持つべきだ』という言葉を胸に日々精進しています。
「酪農は酪農家が思っている以上にかっこいい仕事。私もその1人として、課せられている使命を全うしたいです。」
小美玉という街から日本の酪農に思いを巡らせる保田さん。
次世代が創る新しい酪農のイメージにより、旧来の“3K”は徐々に払拭され、酪農家が“憧れの仕事”へと変わっていく日も近いかもしれません。
保田牧場
- 営業時間:
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- 定休日:
- アクセス:茨城県小美玉市
●飼養頭数 230頭