農場HACCP取得第1号農場! 安心安全のミルク
この記事の登場人物
佐野 将史佐野牧場
「佐野牧場」は、平成24年4月付にて、国内第一号農場HACCP認証を受けました。農場HACCPとは、畜産物の飼育衛生管理を向上させ、農場段階で危害要因をコントロールすることを目的に、農林水産省が推進している制度。厳しい衛生管理審査に合格した農場だけが認証されるため、安心安全のお墨付きを得たというわけです。
もくじ
国内ではじめて厳しい衛生管理基準をクリアした安心安全な牧場。
佐野牧場では2年の準備期間をかけて、取得に成功。それ以前は経験に基づいた感覚的な管理でしたが、畜産技術研究所の協力を得て、管理体制の改革を行ったことが足がかりとなりました。
「日々の温度、洗浄水の管理、分娩、検査結果など細かく記録をつけ、データを集めて分析するうちに、効率のよい作業法や守るべきルールが見えるようになり、新しい管理の仕組みづくりにつながりました」と、佐野さん。
結果として悩みの種だった病気、乳房炎の発生が抑えられ、管理も楽に。乳房炎の克服は、甘くて品質のよい生乳を得られることを意味します。
佐野牧場では、農場HACCP第一号認証のプライドを胸に、生産量よりも品質のよさを追求する経営にこだわっています。
農場HACCP第一号認証のプライドを糧に、牛乳のさらなる品質向上を追及。
品質のよい生乳を得るためには、牛の健康な状態を保つことが大切です。佐野牧場では、キャパの最大限まで搾乳して牛を酷使することはせずに、健康状態の記録や血液検査によって日頃の体調管理に努めています。また、牛舎の糞尿処理や牛床の清掃を十分に行ってストレスを与えない清潔な環境に整備。餌は良質な生乳がとれる最もグレードの高い上質な草「チモシー・スーパープレミアム」をメインとし、配合飼料も適度なバランスを考え与えています。
手厚いケアができるのは、観光農場で有名な「馬飼野牧場」に指定生産牧場として生乳を納めていることも一因。馬飼野牧場では佐野牧場の生乳を使って、牛乳や乳製品に加工して販売しており、「ウィン・ウィンの関係」を重視する経営方針で、生乳の品質のよさを理解し高値で買い取っているのです。
「馬飼野牧場の心意気に応えるためにも良質な生乳を、と励みになります」と佐野さん。
佐野牧場の直営店も馬飼野牧場敷地内に入っているので、買い求めるお客様の声がダイレクトに届くのも励みになるといいます。
2017年には国際的に高い評価を受けるも、さらなる高みを目指す
馬飼野牧場は、2017年にベルギーの国際味覚審査機構にて行われる食品コンクールに、佐野牧場の生乳を原料とした牛乳とヨーグルトを出品しました。
審査の結果、ヨーグルトは最高位3ツ星、牛乳は2ツ星の優秀味覚賞をダブル受賞。世界レベルで高い評価を受けたことは、日本人としても誇らしいものです。
▶掲載ページ https://www.makaino.com/?p=15708
「常に良質な生乳を追い求めて、気が抜けないプレッシャーがありますが、プライドもありますから、それを励みに今後も努力を続けます」と佐野さんは語ります。
佐野牧場
- 営業時間:要問合せ
- TEL:ー
- 定休日:月曜日
- アクセス: 静岡県富士宮市下条282
飼育頭数:成牛57頭、育成牛15頭