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北海道の畜産・酪農女子のホンネもチラリ。「SAKURA会」セミナー&オンナまつり![後編]

  • #畜産女子

この記事の登場人物

SAKURA会
SAKURA会
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*一層理解が深まります。ぜひ前編からお読みください。

SAKURA会はご主人とのキューピッド!?

北海道の畜産・酪農に携わる女子の集い「SAKURA会」。

年に一度の「セミナー」が終了した後は、ホテルの宴会場に場所を移して恒例の「オンナまつり」に突入しました。乾杯の合図とともに、あちらこちらから女子トークがスタート。おいしい料理とお酒を楽しみ、ほんの少し頬が赤らみ始めたころ、どっこいしょニッポンがホンネを聞こうとプチインタビューを実施しました。

まずは、札幌出身で、現在は熊本在住の高木真美さん。東京の大学を卒業後、都会のコンクリートジャングルや人々のせわしなさに「ウンザリ」し、北海道にUターンしてきたといいます。

「知り合いの実家が中標津町で酪農を営んでいて、実習生として飛び込んでみたんです。けれど、北海道は夏でも想像以上に寒いし、牛のお世話には体力も使うし、こんなに大変な仕事なんだって改めて気づかされました」

▲写真右:高木真美さん

実習先の経営者ご夫婦はやさしく接してくれましたが、高木さんが他の女性農業者と顔を合わせる機会はあまりありませんでした。そんな時、知り合いから第2回「SAKURA会」に誘ってもらい、何気なく参加したと振り返ります。

「参加メンバーは牛オタクばっかり(笑)。お尻のプリッとしたところがカワイイ、喉のタルタルがポイントなどなど、とにかく牛の話題で盛り上がったんです。本当は日頃の悩みも相談したいと思っていましたが、笑い合っているうちにストレスもすっ飛んじゃって」

「SAKURA会」に参加したことにより、趣味で作っていた牛の付せんやステッカーを披露するようにもなったとか。参加者の「こんなにクオリティが高いなら売ったらいいのに」の一言から販売もスタートし、思わぬ副業も手にできました。

「あと、私は一度北海道を離れて婚活をしていたんです。そうしたら代表のマドリン(砂子田円佳さん)の実家で実習をしていたという熊本の酪農家と出会い、一気に話題が広がりました。で、彼の牧場に嫁いだんです(笑)。大げさにいえば、SAKURA会は私たちのキューピッドなんですよね。子どもも生まれてしばらく参加していませんでしたが、今回は2年ぶりに皆と再会。とにかく楽しんで帰ります!」

ストレス発散&仕事に役立つ畜産・酪農女子の交流。 

続いて声をかけたのは農協職員の玉置瑠美さん。「SAKURA会」に参加したきっかけは、同じ職場で働く片岡さん(後ほどインタビューに登場)に誘ってもらったことだといいます。

「私の実家は酪農家。休みの日には家業を手伝うことも多いですし、何より牛が好きなので参加してみました。正直なところ、本職の酪農家ではないので躊躇もありましたが、皆さん、女性の活躍の仕方や休みが意外と取れることなどをざっくばらんに語り合っていたので、共感できることが多かったんです」

▲写真中央:農協職員の玉置瑠美さん

農協職員という仕事柄、畜産・酪農女子の話を聞くのは役立つ上、実家の牧場にプラスに働く情報も仕入れられたとか。セミナーで得た子牛に少しずつミルクを与える「ちびちび哺乳」という保育方法を実践したところ、以前よりも大きく育ったことを実感したと語気を強めます。

「人工授精師や獣医の他、今回は農業関連のアプリを開発する十勝のIT企業の方も参加しています。同じ農業の世界で働いていても、それぞれ違った視点から畜産・酪農を見ているので自分の視野も広がるんです。もちろん、食べて飲んで笑って、明日からの活力になるという点も素敵だと思います」

お次は上士幌町の酪農家の高木亜里彩さんと、旭川の酪農家に嫁いだ加藤真奈美さん。お二人は姉妹で、どちらもお子さんを連れて参加しました。

▲上士幌町の酪農家の高木亜里彩さん

「もともとマドリンと知り合いで第2回から参加しています。実家の酪農を継いだ途端に人との交流がガクンと減って、一人でいることが多かったんです。こういう場で知り合いが増えると、女性同士の会話から共感したり、心が軽くなることが魅力だと思います(高木さん)」

▲旭川の酪農家に嫁いだ加藤真奈美さん

一方、加藤さんは、妹の高木さんの結婚式で砂子田さんと出会い、「SAKURA会」に誘われたそうです。けれど、子育て中ということもあり参加を迷っていたといいます。

「そうこうするうちに、マドリンから託児スペースもあるからと、パネリスト側として参加を依頼されました。本当にいきなり懐に飛び込んでくるというか(笑)。だけど、私が嫁いだ旭川市は稲作農家が多く、酪農の情報交換の場がほとんどありません。ここで、いろんな畜産・酪農女子の餌やりや哺乳の仕方を聞くことで、自分の仕事にも張りが出ました」

営農指導やより良い牧場経営のヒント…オチのない話も大歓迎。

「オンナまつり」の最後にインタビューのマイクを向けたのは「SAKURA会」の事務局を務める片岡美幸さん。農協職員として人工授精の部署を7年半ほど経験し、今は営農指導の部門を担当しています。

「もともと勉強会や交流会には積極的に顔を出すタイプでした。この会も集まりがあるなら行ってみようという軽い気持ちで参加したんです。温泉に入っておいしい料理を食べるのは自分にとってもご褒美だって(笑)」

▲「SAKURA会」の事務局を務める片岡美幸さん

片岡さんは第1回からの参加者。同じ年代の畜産・酪農女子が集まり、新しい出会いを果たすことで仕事への向き合い方にも変化が出てきたといいます。

「営農指導は極端にいえばヨソ様の酪農=人生・生活にアドバイスを送る仕事。教科書通りには行きませんし、時にはライフスタイルにも口を挟まなくてはなりません。それを上手く進めるには知識や技術ではなく人と人との信頼関係が大切。SAKURA会の女子に相談することで、畜産・酪農の実情にふれられ、スムーズな指導に向けたヒントをたくさんもらえました」

ここ最近は、学生や若い女子の参加者も増え、世代の幅が広がってきているとも。ベテランの域に入ってきた畜産・酪農女子の経験やノウハウを聞いたり、母の立場になった時の仕事とプライベートのバランスのとり方を教わったり、プラスアルファの魅力が増えてきていると笑います。

「農家の方は自分のやり方を大切にするのが一般的ですが、こういう場で新しい技術や働き方にふれ、多くの人脈を築くことで、より良い経営につながるかもしれません。そういう意味でも有意義な場だと思います。と、マジメなことばかり話してしまいましたが、地域では大きな声でいえないこと、オチのない話、旦那さんへの不満…それを吐き出すだけでも全然ウエルカムですよ(笑)」

SAKURA会

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