あの「牛とろフレーク」の製造工場に潜入!
この記事の登場人物
石井 政幸有限会社 十勝スロウフード
有限会社十勝スロウフードが手がける「牛とろフレーク」。凍ったままアツアツご飯にのせてほおばると、牛肉の甘みと旨みが口いっぱいに広がります。その美味しさが噂を呼び、今ではメディアでも多数取り上げられる大人気商品に。
今回は、そんな牛とろフレークの加工現場を見せてもらいました。
もくじ
工場内は手術室と同じくらいの無菌状態!?
向かったのは、製造元の有限会社十勝スロウフード。さっそく工場内を案内してもらおうとしたところ、今回の案内役にして製造スタッフの石井政幸さんが注意を呼びかけます。
「当社の牛とろフレークは非加熱食肉製品。ちょっとでも雑菌がつくと大変ですから、衛生管理が何よりも大切なんです」
なるほど、アルコール消毒しなければ扉が開かない場所もあり、清潔さを徹底していることが伝わってきます。
取材陣の衛生面をしっかり整えてから、いざ工場内へ。牛肉を扱うだけあって作業場は肌寒いくらいの温度ですが、製造スタッフの皆さんは不思議なことに半袖の作業着で立ち働いています。
「作業着が長袖だと、肉に袖がふれて雑菌がついてしまうかもしれません。リスクを極力回避する意味でもウチの工場では半袖着用が義務なんです。包丁やボウルなどの調理器具は使用するたびに必ず二度洗いますし、熱湯消毒も欠かしません。工場内は手術室のような衛生状態を保っていると思います」
ココまで衛生管理を徹底しているとはビックリ! それだけ牛とろフレークの製造には慎重さが求められるのでしょう。
肉のトリミングは包丁一本で立ち向かう真剣勝負
牛とろフレークづくりのポイントを尋ねると、石井さんはニッコリ笑って「トリミング」と答えました。聞けば、と畜場から届くお肉は微生物(ばい菌)に汚染されている可能性があるため、表面を削り取らなければならないのだそうです。
「できる限り肉に手を触れないよう表面をうす~く削ぎ、赤身、脂身、すじ肉に分けていきます。この作業は包丁一本で勝負する職人技。一人前になるには10年ほどかかりますね」
表面を削がれた牛肉は一定期間塩漬けした後、サイレントカッターという機械で細かく切り刻まれてパッケージング。出来上がった商品は素早く冷凍されていきます。
味つけの極意もあるかと思いきや、「僕らが扱っている肉は関連牧場のボーンフリーファームで健康に育てられた牛。余計な味つけは逆に旨みを壊してしまうんですよ」と石井さんは教えてくれました。
愛があるから牛とろフレークはウマイのだ~!
牛とろフレークは慎重な手作業を重ねて製造する商品。200gのカップで換算すると1日に400~500個を手がけるのが精一杯なのだそうです。とはいえ、製造スタッフは10名ほどですから、少人数ながら効率よく商品を作っていることがうかがえます。
「この仕事は立ちっ放しですし、肉の鮮度を保つためにも工場内の温度は低め。決してラクとはいいませんが、僕は楽しんで働いています。牛とろフレークは当社しか手がけられない商品ですから、『コレを作れるのは世界で僕らだけ!』というプライドを持って仕事と向き合えるんです」
ほかの製造スタッフも、「こんなにおいしい商品を自分も作ってみたい」と入社してきた牛とろフレークのファンがほとんど。牛とろフレークがおいしい理由は、自分が手がける商品に並々ならぬ愛情を持っている人たちが作るからなのですね。
有限会社十勝スロウフード
- 営業時間:直売所営業時間:月~金曜/10:00~17:00 土曜/10:00~12:30
- TEL:0156-63-3011
- 定休日:日・祝日
- アクセス:北海道上川郡清水町御影499-8