北海道で学ぶ酪農・畜産業界のタマゴたち![帯広畜産大学編] | どっこいしょニッポン

北海道で学ぶ酪農・畜産業界のタマゴたち![帯広畜産大学編]

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数多くの酪農・畜産の現場に伺い、農と向き合う人の熱い思いを発信する本サイト。そんな素敵な先輩方に追いつけ、追い越せとばかりに北海道で酪農・畜産を学ぶ「タマゴたち」にスポットを当てました。瞳を輝かせてインタビューに答えてくれたのは、「北海道立農業大学校」「帯広畜産大学」「酪農学園大学」の学生たち。

今回は帯広市の帯広畜産大学を訪れました。メンバーは4年生の澤口裕斗さん(写真左)、小坂和誠さん(写真中央)、尾家晴子さん(写真右)です。


入学してから、いきなり子豚を託される!?

帯広畜産大学は獣医・畜産を専門とする国立単科大学。「食を支え、くらしを守る」人材の育成を通じ、地域や国際社会に貢献することをミッションとしています。研究内容は農業や家畜、食品加工にとどまらず、環境・エネルギー問題、人獣共通感染症、食品衛生といった「農場から食卓まで」を巡る多彩なフィールド。多くの卒業生が国内外で活躍し、各方面から高い評価を得ています。

Q:帯広畜産大学に進学した理由は?

尾家さん中学2年生のころにアメリカのファームステイを経験し、牛やヤギ、羊、鶏を放牧している農場で生きるために大切なことを学びました。その農業地帯が北海道のような環境で、広い大地にあこがれを抱きました。私は大分の普通科高校を卒業後、国立大学のハイレベルな学びも見据えて帯広畜産大学(以下、畜大)に進みました。

澤口さん自分の実家は厚岸の酪農家。牛舎を新しくするためにお金を借りたり、生活が牛に左右されたり、大変な側面は見てきました。父は子どもたちには好きな道を進んでほしいと言っているものの、僕自身はいずれ家業を継ぐためにも畜大で知識や技術を学ぼうと思いました。

小坂さん自分は広島の農業高校に通い、恩師にあこがれて農業高校の教職免許も取れる畜大に進学しようと思いました。その先生はJICAの活動としてパラグアイに営農指導に行ったことも教えてくれ、ゆくゆくは海外に飛び出すこともぼんやりと思い描いたかな。あと、せっかく畜産・酪農を学ぶなら、北海道しかないだろうと(笑)。

Q:入学してからはどのような学びを?

尾家さんクラスごとにいきなり子豚を一頭ずつ託され、お世話をしながら学ぶということに衝撃を受けました(笑)。あと、九州では黒毛和牛のほうが身近ですから、搾乳実習でホルスタインを見た時は大きさに驚いちゃって。

小坂さん1年生のころは飼養管理や繁殖、育種の基礎を知識と実践面から学び、2年生になると環境生態学や植物生産科学といった専門性を高めるユニットに分かれます。僕と尾家さんは家畜生産科学ユニットという生命科学や畜産現場について学べる分野に進みました。

澤口さん僕は農業経済学ユニット。経済学や経営学、さらに農業資源、流通の仕組み、フードシステムといった分野を学んでいます。

大手メーカーとの共同研究や営農モデルの計画に注力中!

Q:現在、力を入れて学んでいることは?

澤口さん研究室の発表に向けて酪農の経営モデルを構想中です。例えば、飼料を自給すると経費がいくらくらい削減でき、どう経済的に牧場を運営できるかといった計画を立ててるイメージでしょうか。粗飼料(生草、サイレージ、干し草、わら類)をメインに与えるとどうしても乳量が減ってしまいますが、その課題を解決しながらいかに経営を向上させるのかというテーマを考えているところです。

尾家さん私は牛の分娩に興味があり、今は研究室と大手メーカーとが共同して妊娠中の母牛にアミノ酸を与える実験に取り組んでいます。成長や初乳の成分がどう変わるか、発情期や排卵のサイクルが早く戻るか…長命でなるべく連続して出産できる牛づくりのために毎日のように経過を細かく見ているところです。

小坂さん3年生の夏に畜大とJICAが連携したプロジェクトに参加し、パラグアイの小規模酪農家に人工受精や搾乳の衛生管理などのポイントを伝えてきました。実践を通して学んできたことが海外で役立つことも知り、今は酪農があまり進んでいない国に、どう経営改善の技術をアドバイスすべきかに興味があります。そのため、少しずつ外国語も身につけているところです。

Q:やっぱり勉強や実習で毎日忙しい?

尾家さんう〜ん…でも、酪農家の搾乳とか、和牛の哺乳とか、野菜の収穫とか、結構バイトもしています。

小坂さんそうそう。畜大生は農業バイトに困らないよね。芋掘りは畜大生の大半がやってると言えるくらいメジャーなバイトですし(笑)。

澤口さんバイト先の農家の方から食材をたくさんもらえるし、十勝は食べることに困らないかも(笑)。スゴい人だと農業バイトで月10万円以上稼いでいると聞いたことがあります。

畜産・酪農を学ぶことで活躍のフィールドが広がる

Q:皆さん、生き生きとしていますね。将来の目標は?

尾家さん今は道内の農業関係の企業に目標を定めて就職活動中です。私は畜大に進んだら牧場で働くのが王道だと思っていましたが、年次が上がるにつれて視野が広がりました。人工授精師の資格が取れるので、それを生かして凍結精液や育種を行う企業に就職するのも良いですし、医薬品や飼料系の会社に進むのもアリ。未来のフィールドは広いと感じています。

澤口さん僕はいずれ実家の酪農を継ぎますが、まずは社会勉強のために別の企業に就職しようと思っています。将来的には畜大で学んだ経営のノウハウをウチに取り入れ、さらに収益性の高い営農モデルを作りたいです。

小坂さん最初は農業高校の教師を目指して教職免許も現在取得していますが…畜大で農業に携わったことで現場で働くのも面白いと思いました。でも、JICAとのプロジェクトで海外に行ったことでやっぱり外国で仕事をするのも良いなあと…ブレブレの状態(笑)。卒業後の進路としては、パラグアイに2年間滞在して営農指導を行うプロジェクトに参加する予定です!

帯広畜産大学

https://www.obihiro.ac.jp/

  • 営業時間:ー
  • TEL:0155-49-5216
  • 定休日:ー
  • アクセス:北海道帯広市稲田町西2線11番地

この記事を書いた人有限会社シーズ

北海道札幌市で、取材編集やデザインワークに取り組むプロダクション。

インタビューやルポから、各種誌面・webサイトの企画制作などのオシゴトをアレコレと。近々、酒場にまつわる下世話なハナシをまとめた『サカバナ』という本を出版する予定。お買い求めいただいた方から「なにこれ?」と評されること、必至であります。

有限会社シーズ http://www.cs-sapporo.com/

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