北海道の畜産・酪農女子のホンネもチラリ。「SAKURA会」セミナー&オンナまつり![前編] | どっこいしょニッポン

北海道の畜産・酪農女子のホンネもチラリ。「SAKURA会」セミナー&オンナまつり![前編]

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北海道の畜産・酪農に携わる女子の集い「SAKURA会」がアツい。そんな噂を聞きつけてやって来たのが、年に一度「セミナー」と「オンナまつり」が開催されるという阿寒湖のハイクラスなホテル。

今回はどっこいしょニッポンがこの会合に密着しました。前編は代表の砂子田円佳さんのインタビューと、セミナーの様子をお届けします。

 

仲間内の集まりから、酪農・畜産の気づきを得る会へ。

「お待ちしてましたっ!」。飛び切りの笑顔と元気な声で迎えてくれたのが「SAKURA会」代表の砂子田さん。
カナダでの酪農実習を経た後、北海道広尾町で2007年に株式会社マドリンを設立し、酪農を営んでいます。さっそく、2019年で8回目を迎えるこの会が、どのようなきっかけで発足したのかお聞きしました。

「最初は本当に仲間内の集まりのつもりだったんです。道東の酪農女子と『今度の土曜日はひな祭りだし、女子同士でどこかに泊まりに行こうか』なんて気軽に話していました。そうこうするうちに、せっかくだから畜産・酪農に携わっている人を紹介し合いたいと盛り上がり、手当たり次第に女子を集めたら面白いんじゃないかって(笑)」

当時の砂子田さんは29歳。畜産・酪農業界でも女性の活躍が目立ってきたものの、まだまだ一つの牧場や職場では女性の姿が多くはありませんでした。仕事の悩み、プライベートの相談、地域や牧場での人間関係…そんな話題を同世代で共有したいという潜在ニーズが高かったのでしょう、初回は20〜30代の女性が28名も集まりました。

「とはいっても、今のようにセミナーを開くワケではなく、女子トークを朝まで繰り広げるだけの会。お婿さんが欲しいけど、どうしたらもらえるんだろうとか(笑)。ただ、仕事の上で抱えている課題を話し合ったり、農協職員が普段どんな業務をしているのか教えてもらったり、畜産・酪農の仕事にプラスになる気づきも多かったんです」

参加メンバーは、生産者だけでなく人工授精師や農協職員、製薬会社や種苗会社といったバラエティに富んだ面々。人工授精師のアドバイスから牛への接し方が変わった人。地域との関わり方を心得て居場所を見つけた人。生業をもとに新たな仕事を生み出した人。そんな好評がまたたく間に伝わり、毎年のように40〜50人が集うようになりました。

 

女子と女子とが輪を広げ、小さなレベルアップを。

砂子田さんは「SAKURA会」の4回目を開催するころに結婚し、農場では牛の頭数も増えてきたことから一度は代表のポジションを降りようと考えたこともあったとか。けれど、参加者から「無理のない範囲で続けてほしい」「自分にはSAKURA会が元気のモト」という声が数多く届き、運営を手分けするスタイルで続けることを決めました。

「明確に役割を分けているわけではありませんが、資料づくりを任せられる人、当日の会場準備を手伝ってくれる人というふうに自発的な適材適所が進んだ感じです。ちなみに、私の担当は得意分野の人のマッチング。3年前からはパネリストを招いたセミナー形式をとることにしたため、仕事の合間を縫ってコネクションづくりにも奔走しています」

この第8回からは企業や関係機関の協賛もあり、ますます会の中身が本格化。これまでも物販ブースや託児スペースを設置するなど少しずつ進化してきましたが、2019年は畜産・酪農女子の働き方を見つめ直すグループワークも行うことにしました。

「SAKURA会の基本コンセプトはゆる〜い集まり(笑)。最初は内容がカタすぎるかな…と不安もありました。けれど、お互いのことを話し合う場を設けることで刺激になりますし、それだけでも世界が広がるはずです。今は畜産・酪農女子に注目が集まりつつあるので、これからの若い世代は人前でトークする機会も多くなると思います。ここをその練習の場にもしてもらいたくて。新しい参加者はもちろんウエルカム。レベルアップというよりも、女子の輪を広げる場として活用してほしいですね」

 

畜産・酪農女子の身近な話題から共感を呼ぶセミナー。

砂子田さんのお話を聞き終えたところで、そろそろ第8回のセミナーがスタートを迎える時間が近づいていました。会場に移動すると、物販ブースの前には畜産・酪農女子の人だかり。チラリと覗いてみると、リアルな牛をモチーフにしたバッヂや愛らしいステッカー、「らくのうかるた」など、参加者によるユニークなグッズが並んでいました。

この日のパネリストのトップを飾ったのは秋田県で農事組合法人新林牧場を運営する柴田瑞穂さん。地元の仲間が砂子田さんの旦那様と友人で、SAKURA会のことを知ったと切り出します。その後は家族のことや都会からUターンして就農した経緯、さらに長寿の牛づくりのヒケツについてお話ししました。

「最近は教育ファームとして幼稚園児の受け入れや農業高校への出前牧場といった取り組みも行っています。秋田は北海道のように平地が多くないため、子どもたちが牛を見る機会はあまりないんですよね。最初は『牛、クッセー』という子も、次第に『牛があったかい。かわいい』という感想に変わります。ちなみに、農業高校の出前牧場では女子のやる気がすごくて、搾乳体験は奪い合いになるんです(笑)」

最後は柴田さんの将来の夢を語って締めくくり。「リタイヤ後は北海道に移住して、のんびり過ごしたいです」というと、会場は大きな拍手の音に包まれました。

続いてのパネリストは佐藤雅子さん。札幌市で保育士として働いた後、広尾町の佐藤牧場の跡継ぎであるご主人と結婚して畜産農家に就農を果たしました。佐藤さんは従業員との接し方や義母様との関係の築き方、子育て中の働き方など、農家に嫁いだ女性ならではの課題をどうクリアしたのかたっぷりとトーク。「とにかく相手を思いやる気持ちが大事。そうしたら、子育てに疲れている時に甘えたってOKなんです」とアドバイスを送りました。

最後にマイクを受け継いだのは実家が酪農を営んでおり、現在は釧路市で販売促進やデザインの仕事に携わる濱野綾香さん。5歳のころから実家の農場を手伝ったり、農場の看板デザインを手がけたことだったり、畜産・酪農のほとりから見た業界の話や家族で働くことの面白さを語ってくれました。

休憩を挟んだ後もパネリストによるトークセッションや参加者の質問タイム、理想の生活リズムとライフスタイルをワークシートに記入するグループワーク、クイズ大会など盛りだくさんの内容。

参加者の女性は真剣な目つきでお話に耳を傾けたり、グループワークでディスカッションを交わしたり、そして初対面でも大笑いして心を通わせるなど大盛況のうちにセミナーが幕を閉じました。

▶SAKURA会のその他の記事はこちらから

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この記事を書いた人有限会社シーズ

北海道札幌市で、取材編集やデザインワークに取り組むプロダクション。

インタビューやルポから、各種誌面・webサイトの企画制作などのオシゴトをアレコレと。近々、酒場にまつわる下世話なハナシをまとめた『サカバナ』という本を出版する予定。お買い求めいただいた方から「なにこれ?」と評されること、必至であります。

有限会社シーズ http://www.cs-sapporo.com/

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