札幌の隣町で生産されるプレミアムビーフとは? | どっこいしょニッポン

札幌の隣町で生産されるプレミアムビーフとは?

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札幌の隣まち江別。煉瓦や陶芸、さらに小麦やそれを活かした麺製造などで知られていますが、1971年から兵庫県但馬牛系統を導入し、地域の中で改良増殖してきた希少価値の高い黒毛和牛「えぞ但馬牛」の産地でもあるのです。

およそ半世紀前に兵庫から導入された希少種。


今回お話を伺ったのは、この和牛の生産者や行政担当者で構成される『えぞ但馬ビーフクラブ』の会長、松下博樹さん。

「私の父が組合の役員をしており、兵庫の生産者の方々と繋がったのがきっかけです。江別で10ヶ月間ほど仔牛を育てた後、兵庫で肥育し、地域のブランド牛に育て上げていました。当初は飼育法がなかなか安定せず、またその後も農畜産物自由化や世界的な経済不況のあおりを受けるなど、父親世代や諸先輩たちは相当な苦労を重ねたようです」

導入から約半世紀の時を経た現在では飼育法も確立され、全国にその名が知られるほどのブランド牛に。

「江別和牛生産改良組合によって6ヶ月以上飼育された黒毛和種未経産牛(または去勢牛)で、日本食肉格付協会による格付で歩留等級AまたはBに加え、肉質等級3以上の牛肉だけが『えぞ但馬牛』の称号を得ることができます。

牛たちの持つ貴重なDNAを継いでいくこと。

現在の生産者は江別市内で14軒で、飼育されているえぞ但馬牛は450頭。このうち流通するのは一年間でわずか30頭。生まれた仔牛は母牛と一緒に、夏は広大な牧場、冬は暖かい牛舎の中で大切に育てられます。

「肉として出荷できるまでには肥育に30ヶ月を要します。また育成牛として10ヶ月齢で出荷される頭数の方が圧倒的に多いため、市場に出回るえぞ但馬牛はかなり希少なんです」

加えてこの品種は通常の和牛より一回り小さいという特徴も。

「少しでも大きく、少しでも多くの食肉を…というのが畜産家の本音。そのための改良に心血を注ぐのが一般的なスタンスです。しかしえぞ但馬牛の飼育に関しては、そのデメリットに屈せず、この牛たちの持つ貴重なDNAを紡いでいくことを第一としました。そのこだわりが、今日の高評価につながっていると感じています」

えぞ但馬牛の食肉はその90%以上が個人客の他、全国の小売店や高級レストランへの直販。わずかに確保されたものは、江別市民会館で行われる直売会や農業まつり等のイベントで提供されています。まさにプレミアビーフという名にふさわしいといえるでしょう。

赤身の中に細やかなサシが入る美しい霜降り肉。

では最後に気になる味わいについて…

「肉質の最大の特徴は、良質な脂肪交雑と驚くほどやわらかな食感。赤身の中に良質な“こざし(細やかなサシ)”が筋肉の中に入った実に色鮮やかな霜降り肉です。これに熱を加えると、さっぱりした脂と旨味が濃縮した赤身、歯触りが絶妙な繊維質が相まって、極上のおいしさを醸成していくんです

なるほど!…と、聞いているだけではやはり物足りない!これはぜひ食べてみなければ。ところで札幌ならどこで食べることができるのでしょう?

「すき焼き・ステーキ・焼肉の名店『いしざき』さんです。お店とは本当に長いお付き合い。私自身も自分の舌でえぞ但馬牛の味わいを再認識するために、年に何度か足を運んでいます。実にうまいですよ(笑)」

 

※記事中に一部事実誤認がありましたため修正いたしました。訂正してお詫びいたします。

えぞ但馬ビーフ・クラブ(事務局:道央農業協同組合 営農生産事業本部 畜産課)

  • 営業時間:
  • TEL:011-370-1613
  • 定休日:
  • アクセス:北海道北広島市中央1丁目2-1

この記事を書いた人有限会社シーズ

北海道札幌市で、取材編集やデザインワークに取り組むプロダクション。

インタビューやルポから、各種誌面・webサイトの企画制作などのオシゴトをアレコレと。近々、酒場にまつわる下世話なハナシをまとめた『サカバナ』という本を出版する予定。お買い求めいただいた方から「なにこれ?」と評されること、必至であります。

有限会社シーズ http://www.cs-sapporo.com/

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