獣医師の働き方を変える。工藤代表のマネジメント術。 | どっこいしょニッポン

獣医師の働き方を変える。工藤代表のマネジメント術。

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愛知県半田市にある知多大動物病院は、業界でも最大級の大動物病院。獣医師、削蹄師、授精師などが在籍しており、牧場が抱える悩みをトータルで解消する「牛の総合病院」として、半田市の牧場を支えています。

そんな知多大動物病院の代表が、代表取締役の工藤秀男(ひでお)医院長。大規模な牧場が密集するこの地域の特性に合わせて、現在の運営方法を一から作り上げました。

40名もの従業員を抱え、獣医師、削蹄師、授精師がひとつの病院の中で組織されている病院は、業界全体をみても、ほとんどありません。また知多大動物病院には、さまざまな症状に対応できるオールラウンダーや削蹄のスペシャリストなど、レベルの高いメンバーが揃っています。

工藤さんはどのようにして、従業員たちをまとめ、育て上げていったのでしょうか?

そのマネジメント術について、詳しくお話を伺いました。

 

仕事へのモチベーションを高める「自己重要感」

知多大動物病院の代表取締役の工藤秀男医院長

もともとは個人で活動していた工藤さん。大規模な牧場が密集する半田市で働くうちに、個人の力の限界を感じ、知多大動物病院を開業、増員を図ったといいます。それまで、個人で働いていた工藤さんにとって、マネジメントをするのは初めての体験でした。そんな中、工藤さんが大切にしたのが従業員に「自己重要感」を感じさせることでした。

「お客さんから、先生ありがとう、という言葉をかけてもらえることが重要ですよね。若い人は特に、自分は必要とされているんだって感じることが、仕事のモチベーションにつながるんですよ」。

お客さんからの感謝のことばが、仕事のモチベーションに繋がると工藤さん。そのためには、知識や技術だけでなく、伝える能力を磨くことも重要と考え、症状や治療をわかりやすく説明する方法など、コミュニケーションの重要性について伝えていきました。そのとき、「自分が牧場の人だったら、どのような獣医師に担当してほしいか?」という、お客さんの視点で考えることが大切だと工藤さんはいいます。

お客さんといい関係を作ることが自己重要感に繋がり、仕事のモチベーションを高める。

工藤さんは、従業員たちにそんなことを伝えていきました。

 

待遇と環境整備で従業員一人ひとりのモチベーションを高める

知多大動物病院のガレージ

ガレージの奥にあるのが従業員の車。朝礼後、それぞれが車に乗り込み、担当する牧場に向かう。

仕事へのモチベーションを高めるには、お客さんからの感謝の言葉だけでなく、待遇や環境を充実させることも大切です。工藤さんは、従業員が働きたいと思える職場を作るために、待遇と環境の整備に力を注ぎました。

知多大動物病院

知多大動物病院、最初の事務所。現在は薬の保管庫と従業員の更衣室を兼ねている。

知多大動物病院に増設された施設

従業員の増員に合わせて、正面の建物、左側のガレージを増設。

「お給料があって、休みもしっかりあるっていう基本的なことですね。後は、従業員が増える度に増設・新築して、職場環境を整えています。誰もみすぼらしい事務所で働きたいとは思いませんから、環境を整えるのも大切なことです」。

また、「このチームの一員になった」という実感を持ってほしいという想いから、新人が入る度に机を用意するなど、新人への設備投資も欠かさないとのこと。

広い敷地内には、全員の車が止められる駐車場と、建物が2つ、削蹄枠(さくていわく:牛の爪切り用の機械)などを置く大きな倉庫が1つ。往診が中心となる大動物病院で、ここまで設備の整った病院はほとんどないとのこと。従業員の気持ちを考え大胆に投資するのは、工藤さんのマネジメントの特徴だといえるでしょう。

 

従業員の可能性を伸ばすマネジメント

笑顔の知多大動物病院の工藤医院長

自己重要感や待遇・環境の整備など、さまざまな方法で従業員のモチベーションを高めてきた工藤さん。自身のマネジメントに関して、自分のやり方を押し付けるのではなく従業員がノビノビ働き、成長できる環境を作るように心がけていると語ります。

「私は、昔のようなスパルタ的なことを若い子らに押し付けようとは思っていません。従業員がいいと思える方向に、どんどん変えていけばいいんですよ」。

今では、新人の指導やマネジメントに関して、工藤さんが直接指示することはあまりないとのこと。以前は現場で症例をこなしながら、仕事を教えるという方法を取っていたものの、今は従業員たちが新人教育マニュアルを作り、それを使って指導を行なうようになったといいます。工藤さんはそのマニュアルの内容に関して、すべて従業員たちに任せているとのこと。

「こういうことがしたい、ああいうことがしたいという従業員の要望に、すぐに応えられる環境を作るのが今の私の仕事です。そうすれば、向上心のあるやつは自然に成長していってくれるんですよ」。

 

従業員たちが好きな方向に進めるようにバックアップする。

そんな工藤さんの柔軟なマネジメントの下、コンサルティング獣医など新しいことにチャレンジしたり工藤さんが築き上げたものを受け継ぎたいと考える後輩が現れているといいます。すでに日本有数の規模を誇っている知多大動物病院ですが、その発展は、まだまだ始まったばかりなのかもしれません。

知多大動物病院の工藤医院長

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知多大動物病院

http://www.clac.co.jp/

  • 営業時間:要問合せ
  • TEL:0569-27-7290
  • 定休日:要問合せ
  • アクセス:〒475-0965 愛知県半田市新生町7-53-2

この記事を書いた人児島宏明

株式会社PLAN-B所属のライター。
ジャンルを問わず、さまざまなメディアで原稿を執筆。
現在は、“大人の”堀江を今よりもっと楽しむWEBマガジン「HORIEstyle」の運営に携わり、
解析・企画・撮影など、メディアプランナーとして修行中。
マウンテンバイクにまたがり、野山を駆け巡るのが趣味。

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