牛と人との愛情あふれる暮らし。自家育成を選ぶ理由とは? | どっこいしょニッポン

牛と人との愛情あふれる暮らし。自家育成を選ぶ理由とは?

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多くの日本人にとって身近な食品のひとつ、牛乳。

今回取材に伺ったのは、そんな牛乳を生産する酪農家・木目澤牧場さん。ご家族で経営されるこちらの牧場には、牛と人との愛情あふれる暮らしがありました。

 

自家育成だからこそできる、牛と人との幸せな暮らし。

木目澤牧場にいる牛

「うちの牛は100%自家育成なんです。」

木目澤さんに「酪農に対するこだわり」について聞いてみると、返ってきたのがこの言葉。

自家育成とは、牧場内で種付け・出産・哺育・育成を一貫して行うやり方。

自家育成型・育成預託型・乳牛導入型といった酪農方法がある中で、なぜ木目澤さんはその方法を選んだのでしょうか。

「自家育成を行う一番の理由は、私も牛も産まれたときから一緒なのでお互いをわかっていて、飼いやすいことです。」

時間も手間もかかるため、とても大変な方法。それでも自家育成を選ぶのは、これが最も人にも牛にもやさしい方法だからなんだそう。

「産まれた時から手をかけていると牛は人間に慣れるから、成長して大人の牛になっても人懐こく、いろいろなことをしやすくなります。種付けや発情の時でも、自家育成した子たちは自ら寄ってきて、作業させてくれるんです。」

木目澤牧場の牛舎にいる牛

デリケートな時期にも人に対して警戒心を抱かないらしく、それは牛たちが人に強い信頼を持っているからなのだとか。

また、乳搾りに関しても、自家育成のほうがやりやすいと木目澤さんは言います。

木目澤牧場での乳搾り風景

「我々酪農家は、毎日牛のお乳を搾ります。オートメーション化された酪農システムのところだと3~5回絞るところもありますが、私たちは自分で絞り、2~3回です。牛たちにあまりストレスをあたえず、また自分達のペースも疲れず乱さず、と考えると朝と夜の2回がちょうどいいんです。」

「頭数を増やすという意味で乳牛導入型も悪い方法ではないと思うんですが、(福島県の)気候と合わないんですよ。だいたいが北海道からの牛になるんで、福島だと夏場の暑さにストレスを感じてしまうんです。何回かやったことはあるんですけど、3頭の内1頭でも生き残ればいいそのくらい事故が多いんです。それに、ストレスが多いと乳量も減ってしまいます。」

このように、時間と手間はかかるものの、最もストレスなく牛を育てられ、最も牛を扱いやすいのが、自家育成だと木目澤さんは言います。

 

「交配は慎重に。生まれてきた子牛はとにかく可愛がって育てています」

木目澤牧場の初実さんと牛

自家育成において、交配はとても重要なポイント。交配の仕方次第で、次に生まれてくる牛の性質が大きく変わってくるからです。木目澤牧場では、交配は長女の初実(はつみ)さんの担当。彼女にもお話を聞いてみました。

「どの牛を父親として選ぶかは、家族で相談して決めています。牛にどの種をつけるかにあたって、系統や血筋を見ないといけない。データをしっかり確認して近い血はつくらないようにしています。あとは獣医さんにも発情の状態などを聞いて、候補の中から相性なども含めて選んでいきますね。」

子牛が生まれてきてから世話をするのも初美さんの仕事。

「生まれてきた子牛は、とにかく愛情を注いで可愛がっています。そうしていたら、“(私が)就農する前と後で牛たちの知らない人に対する反応が変わった”、と言われたことがあったんです。前までは知らない人が来ると牛たちが騒いでいたんですけど、今はそれがないんです。」

初美さんをはじめ、ご一家の注ぐ愛情が、牛たちにも伝わっているのでしょう。

木目澤牧場の初実さんと復数の牛

いかがでしたか。
取材時に牛たちは私たちを怖がることなく、むしろ興味津々の様子でした。

木目澤牧場の牛

木目澤さんご一家が日頃から牛たちと心を通わせ、ひとつの家族になっているからではないでしょうか。

木目澤牧場の牛乳と酪王カフェオレ

最後に、取材の際に、福島県民のソウルドリンク「酪王カフェオレ」もいただきました。コーヒーのほのかな苦味と牛乳のミルキーさがマッチして、とても美味しかったです。福島の牛乳とともに、ぜひ一度ご賞味ください。

木目澤牧場の施設内

→「木目澤牧場」のその他の記事はこちらから

木目澤牧場

  • 営業時間:
  • TEL:0248-53-3607
  • 定休日:
  • アクセス:JR泉崎駅から車で約10分  東北道矢吹ICから約10分

木目澤 次男さん・久實子さん   きめざわ つぎおさん・くみこさん

この記事を書いた人松尾 慧

松尾 慧 某ファッション誌の編集、フリーライターを経て、株式会社トソシオに所属。 現在、Do it yourselfの精神を通して、DIYライフクリエーターが未来の暮らしの知恵を発信し共有するプラットフォーム、 DIYer(s)のエディターを担当。 プライベートは専ら日本酒探訪とフットサルに明け暮れる。

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