昭和36年創業。伝統を受け継ぐ養鶏家が見据える未来とは? | どっこいしょニッポン

昭和36年創業。伝統を受け継ぐ養鶏家が見据える未来とは?

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サカイフーズグループは、有限会社酒井養鶏場・有限会社松川養鶏場のほか、5つの事業所を持つ福島県の養鶏グループ。

現社長の前の代から始まり、今年で創業56年。家の軒先での数羽の飼育から始まり、現在では合計45万羽(ひなを含む)を飼育するまでに成長しました。

創業からこれまで、サカイフーズはどのような道を歩んできたのでしょうか?また、どのような未来を見据えているのでしょうか?

 

創業50年、サカイフーズの伝統とは?

サカイフーズ

まずはサカイフーズのこれまでについて、代表取締役社長の酒井毅さんと専務取締役の酒井裕之さんご兄弟に伺いました。

サカイフーズはどのようにして、ここまで規模を拡大してきたのでしょうか?

私の父親の代からはじまって、私たちで2代目です。この辺りは山ばっかりで、農業をやる環境としてはあまり適していません。昔はタバコの葉っぱが主要産業としてあったんですが、少ないスペースを有効活用して行うには養鶏がいいのではないかとなったようです」と、毅さん。

元々自宅でも数十羽を養鶏しており、ある程度の慣れやノウハウがあったことから、小さい面積でもビジネスチャンスのある養鶏を行うことになったとのこと。

昭和36年に農業近代化資金を利用してお金を借り、最初は3千羽からスタートしました。

その後、少しずつ規模を拡大。

代表取締役社長の酒井毅さんと専務取締役の酒井裕之さん

当初父親が大切にしていたのは、規模を大きくするというよりは身の丈に合った商売をするっていうことでした。だから今みたいにスーパーに卸すとかではなくて、近所の卵屋さんとかに売っていたんですよ。家族が食っていく分には問題ないのですが、やっぱり時代が変わると小規模では少し辛いところもありました。閉店する卵屋さんも増えていきましたし、規模を大きくしてスーパーとかさまざまな所で販売できるようにしなければ生き残れないと感じました

酒井養鶏場

このような経緯があって、創業から20年あまり、昭和61年の9月に規模の拡大のため法人化。「有限会社 酒井養鶏場」を設立しました。以降、土地を買い取り、複数の農場を運営するようになったといいます。

酒井養鶏場外観

ずっと1農場体制でやっていたのが手狭になってきたので、3倍あまりの土地を買って2農場体制にしました。ここの場所(酒井養鶏場)に移ってきたのは平成5年くらいで、現在では関連会社や育成農場を含めて6つの施設を持っているグループ会社になっています。

なかでも、規模拡大への突破口となったのが霊山育成農場を設立したことでした。
この地域にはたくさんの養鶏場があり、「東北の関所」と呼ばれるほどに影響力のある地域だといわれています。実際、この地域とのコネクションができたことで、北関東や東北への出荷の足がかりになったとのこと。

このようにして、サカイフーズは養鶏から育成まで養鶏をトップダウンで行えるグループへと進化してきたのです。

赤鶏の飼育の様子

▲赤鶏の飼育の様子

現在では、会津地鶏・赤鶏・白鶏の卵を取り扱っており、それぞれ高い評価を得ています。

白鶏はあっさりとした味わいが特長で、多くのパティシエに利用されているとのこと。また、会津の地域ブランドである会津地鶏は、福島内外を含めてさまざまな場所で販売されています。

 

第一次産業活性化、福島ブランド「会津地鶏」の普及活動も

代表取締役社長の酒井毅さんと専務取締役の酒井裕之さん

サカイフーズは、増え続ける日本の食料自給率を上げ、農家さんを助けるためのプロジェクトFOOD ACTION NIPPONに参加しています。

これは農家さんが作ったお米を飼料米にして鶏に与えるという取り組みです。震災前には400トン近くの飼料米をエサとして活用していました。このプロジェクトの意味は食料自供率をあげることと、米農家を助けることの2つです。鶏に米を食べさせて、その鶏を人間が食べることで食料自給率を上げることができます。また、農家は米が余っても家畜を扱う業者が大量に買ってくれるので、安心してたくさんの米を作ることができるんです

さらに、お二人が現在構想中のプロジェクトがあります。
それは、「サカイフーズの卵を東京オリンピックの選手村に出す」というもの。国内外の方にサカイフーズの卵の魅力を知ってほしいとのこと。

代表取締役社長の酒井毅さんと専務取締役の酒井裕之さん

オリンピックでPRとか宣伝は無理なので大々的に売り出すことはできませんが、世界中の人にサカイフーズの卵の魅力を伝えられるチャンスだと思っています。正式に採用されるためには、GAP(農業者第三者認証機関)の採用など、いくつかの工程があるので、採用されるために早めに準備をしていきたいと思っています

そのための準備のひとつが、「平飼い」施設の完備。

ゲージと呼ばれる狭い飼育室ではなく、より健康で美味しく育つ「平飼い」の設備を現在建設中。欧米では平飼いで育った鶏肉や卵でなければ嫌がられる傾向もあり、オリンピックの時期に向けて多くなっていく外国人観光客にも平飼いで育てたサカイフーズの卵をPRしたいとのこと。

レストランやホテルとか平飼いの鶏がほしいっていうニーズがどんどん高くなっているんですよ。オリンピックに向けて、このニーズはさらに高くなることが予想されるので、思い切って平飼いを建て、時代に合わせた養鶏を行いたいと思っています

 

FOOD ACTION NIPPONや会津地鶏の普及活動など、さまざまな取り組みを通して養鶏や第1次産業の活性化に取り組むサカイフーズ。

今後の取組みが期待されます。

サカイフーズのおふたり

 

 

▶有限会社サカイフーズのその他の記事はこちらから

有限会社サカイフーズ

http://www.sakai-egg.co.jp/

  • 営業時間:ー
  • TEL:0247-36-1145
  • 定休日:ー
  • アクセス:福島県石川郡浅川町大字山白石字本内23

この記事を書いた人児島宏明

株式会社PLAN-B所属のライター。
ジャンルを問わず、さまざまなメディアで原稿を執筆。
現在は、“大人の”堀江を今よりもっと楽しむWEBマガジン「HORIEstyle」の運営に携わり、
解析・企画・撮影など、メディアプランナーとして修行中。
マウンテンバイクにまたがり、野山を駆け巡るのが趣味。

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