牛にとって最高のおもてなしをする牛の五ツ星ホテルを目指す牧場 | どっこいしょニッポン

牛にとって最高のおもてなしをする牛の五ツ星ホテルを目指す牧場

No.13

はたらく

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兵庫県のど真ん中、四方に山々がそびえ立つ多可町の山里にある箸荷(はせがい)牧場。約500頭の乳牛を飼育する兵庫県最大の牧場は、牛のパフォーマンスをアップさせるため「牛の五ツ星ホテル」というユニークな目標を掲げています。その取り組みや成果とは?

 

「牛の五つ星ホテル」を目指す兵庫県一の大牧場

箸荷牧場の牛舎

のどかな山里の中に突然、近代的な牛舎が現れ、においや鳴き声などが気にならないのにも驚くだろう。

牧場では約500頭のホルスタイン牛が飼育され、一度に36頭を搾乳できる超大型のロータリーパーラーで
1日10t以上の牛乳を出荷し、その規模は兵庫県一。

注目すべきはその大きさだけでなく、代表の今中克憲さんが打ち立てるユニークな経営コンセプトにもある。

箸荷牧場の代表の今中克憲さん

「私たちの牧場は1次産業ではなく、3次産業。農業ではなく、サービス業です。牛を牛としてみなすのではなく、大切なお客さまと考え、最高のベッド、食事、サービスを備えた牛の五ツ星ホテルを目指しています」

その対価として得られるのが、品質の高いと定評のある、この牧場の牛乳だ。

 

新しい設備を次々導入し、ストレスフリーの環境で、のびのび暮らす

箸荷牧場のフリーストール式牛舎

牛舎は、牛が自由に歩き回れる広いフリーストール式。
約2mのどデカイ送風機でトンネル換気を行い温度を調節し、超寿命でエコなインダクションライトで光周期コントロール。

柔らかなマットを敷いた清潔なベッドがゆったり配されるなど、お客さまである牛がとことん快適に過ごせるよう、世界随一の新設備が整えられ、気配りもゆき届いている。

大切なお客さまゆえ、過密に詰め込まないことは当然ながら乳牛の世界は女性の社会なので、いじめが発生しないよう、若い牛、お姉さん牛、妊娠中の若い牛、妊娠中のお姉さん牛、出産前の牛、産休中の牛、子牛と大きく7つにグループ分けている。牛舎を移動する時も、ストレスにならないよう5頭以上の部屋にするのが基本だとか。

おかげで牛たちは、初めて会う取材クルーにも怯えることは一切なく、いたってのんびりマイペース。

箸荷牧場にいる子牛

子牛牛舎へ足を運べば「誰が来たの~?」と好奇心に満ちたくりくりした目で迎えてくれ、そのキュートさにハートを打ち抜かれた。

 

栄養だけでなく、なんとミルクの味にもこだわって飼料を配合

箸荷牧場にある巨大なTMR用ミキサー

箸荷牧場の飼料は、群馬県のコンサルタント獣医師により、牛の健康を第一に、牛の好みなども考えられて、内容・配合を決めてもらう。

そして地元農家に、牧場特製の牛ふん堆肥を使って稲WCSなどの食材を育ててもらい、アメリカから取り寄せた巨大なTMR(混合資料)用ミキサーで豪快に混ぜて完成する。

「生き物は大事にすれば、大事に育ちます。健康管理に気をつけ、バランスの取れた食事を取れば、
風味のよい上質な牛乳になります」と今中さんは食の大切さを熱く語った。

良質な飼料作りは手間暇がかかるかるため、小さな牧場では自作がむずかしい。
そんな牧場の作業時間が短縮できるよう、将来、飼料の販売も考えている。
「人も牛もより元気になる貢献ができたらうれしいです」

箸荷牧場内

創業者であるお父様の夢だった「兵庫県最大の牧場」を見事に叶えた今中さんだが、ただ自分たちだけが大きくなればいいとは思ってはいない。

「業界や地域と連携し、みんなが喜んでもらえる牧場になりたいです」

兵庫県で規模ナンバーワンの牧場は、牧場の五ツ星ホテルを目指すことで、牛だけでなく人も笑顔にするオンリーワンの牧場を目指している。

「箸荷牧場」のその他の記事はこちら

箸荷牧場の牛

  • 営業時間:
  • TEL:0795-36-0281
  • 定休日:
  • アクセス:中国自動車道「滝野社」IC 車で50分

この記事を書いた人児島奈美

フリーライター 神戸を拠点に、スポット紹介、人物インタビュー、旅ルポを中心に執筆・撮影。根っからの現場好き&食いしん坊で、関西はもちろん海外へも取材で足を伸ばす。プライベートを含めて訪ねた海外は約40か国と、現地でリアルを見て食べて培った感性が自慢。

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