【廣澤家の家族談義】父・母・息子・娘、それぞれの「酪農に身を置くこと」への想い | どっこいしょニッポン

【廣澤家の家族談義】父・母・息子・娘、それぞれの「酪農に身を置くこと」への想い

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株式会社グローリーデーリィファーム代表を務める廣澤友和さんには、奥さまと高校3年生の息子さん、高校1年生の娘さん、小学2年生の娘さんがいらっしゃいます。

現在の畜産業界では、後継者問題を抱える農家さんが多数。そんななかで、おじいちゃんの代からずっと酪農一家である廣澤家のみなさんは、「酪農に身を置くこと」についてどう感じているのでしょうか。

今回は、廣沢家の家族談義におじゃましました。

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参加していただいたのは、廣澤さん(37歳)と、奥さまのミワさん(37歳)、長男のリク君(17歳)、長女のシュリちゃん(15歳)。※次女のリトちゃん(7歳)は、当日ご不在でした。

実は、事前の打ち合わせの際、廣澤さんから、「子どもたちが、牧場を継ぐことについてどう考えているか聞いてみたい」と伺っていました。とても仲の良いご家族ですが、この件について子どもたちとあらたまって話をしたことはほとんどなかったとのこと。そこで、この機会に、それぞれの思いを話してもらうことにしました。

 

子どもたちにとって、「酪農家の子どもであること」とは?

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まずは、お子さんたちと酪農との“距離感”について伺うことに。

 

――お子さんたちは、牧場に普段からよく行くのですか?

「家と牧場が離れているので、めったに行くことはないですね。」と、廣澤さん。

身近に牛がいる環境でもないため、お子さんたちには「牧場に暮らしている」という感覚はほとんどないようです。また、「家が酪農家だから云々……」という「酪農家の子どもあるあるネタ」のようなものも特にないといいます。

「お父さんに、牧場の仕事をちょっと手伝ってと言われたら行く?」という質問には、

リク君「いや~断りますね……」

シュリちゃん「うーん、ちょっとだけだったら……」

と、ドライな回答(笑)。

“お父さんが酪農家の家族の生活”というと、牧歌的な暮らしを想像しがちですが、廣澤家に関しては一般的なサラリーマン家庭となんら変わらないよう。これには、家が牧場と隣接していないということにくわえ、株式会社グローリーデーリィファームが、廣澤さんが代表になってから「家族経営の牧場」ではなく「一企業」としての経営に方向転換したことが関係しているのかもしれません。

 

※株式会社グローリーデーリィファームの経営についてのお話は、「広沢牧場から“グローリーデーリィファーム“へ。3Kイメージを覆す酪農を目指して」で詳しく紹介しています。

 

奥さまにとって、「酪農家の妻であること」とは?

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奥さまのミワさんは、廣澤さんの高校の先輩。酪農家が多い地域に住んでいたため、ミワさんにとって畜産は子どもの頃から身近な存在だったそう。

でも、「結婚するときから、“牧場の仕事は手伝わない”と宣言していました(笑)」とミワさん。

「それに、主人は次男だから家は継がないという話だったんです。だから、主人が家を継いで代表になったのはまさかの出来事でしたね。」

しかし、そんなミワさんも、現在は農場の事務作業や財務管理をされているとのこと。ただし、今後「もっと酪農の仕事に深く関わっていきたいですか?」との質問には、「いいえ、今のままでいいです(笑)」とのことでした。

 

お子さんたちに質問!酪農家になりたいという気持ちはありますか?

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現在、リク君は高校3年生、シュリちゃんは高校1年生。進路に悩む年頃のふたりに「酪農家になりたいという気持ちはありますか?」と、質問してみました。

シュリちゃん、「ないです!」(即答)。

一方のリク君は、「10%くらい。」

この答えに、廣澤さんは、「そうなの?!10%もあるの?びっくりした!!」と喜びを隠し切れないご様子。それを見たリク君、「そう言われると……やっぱ5%くらい(笑)」

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「じゃあ5%くらいは酪農家になりたい気持ちがあるのはどうして?」と聞いてみたところ、「うーん、親が酪農家だから。誰が継ぐのかっていうのは、ちょっと気になります。」とのことでした。

「リクは、小さい頃は牧場にしょっちゅう来ていたもんな。」と、廣澤さん。

当時はおじいちゃん・おばあちゃん(廣澤さんのお父さん・お母さん)が牧場の敷地内に住んでいたため、おじいちゃん・おばあちゃんのことが大好きだったリク君は、しょっちゅう牧場に遊びに行っていました。そして、一緒に牛のお世話をしたり牛に名前をつけたりしていたのだそうです。

リク君は当時のことをおぼろげにしか覚えていないとのことですが、もしかしたら幼少期の牧場での楽しい体験が、今の考えに影響しているのかもしれません。

 

廣澤さんに質問!お子さんに牧場を継いでほしいですか?

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先程の会話の流れから、廣澤さんはやっぱりお子さんに牧場を継いでほしいのでしょうか?そのあたりについて伺ってみました。

「いえ、子どもたちには、酪農に縛られず自分のやりたいことをやってほしいと思っています。」

廣澤さん、リク君に5%でも酪農家になりたい気持ちがあると知ったときは本当に嬉しそうでしたが、お子さんたちには自分が好きなことをやってほしいというのが本音でした。

「ただし、良かれ悪かれ起きることはすべて自分の責任なんだってことを覚えておいてほしい。何かのタイミングでそれを思い出して、それが心の芯のところにストンと落ちたときに、“あっそういうことか”と理解してもらえればいいかなと。」

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――では、牧場の後継者についてはどう考えていますか?

「もともと僕も、“父親や祖父がこの牧場をやってきたから継いだ”わけではなくて、自分がいい仕事だと思えたから継いだんです。だから、やりたいと思ってくれる人にやってもらえばいいかなと思っています。それに、牧場の名前を広沢牧場からグローリーデーリィファームに変えた時点で、廣澤の人間が継がないといけないっていう暗黙のルールみたいなのは取っ払ったつもりです。」

 

――では、もしお子さんが牧場の仕事がしたいと言ってきたらどうしますか?

「自分の子どもたちが“牧場やりたい”って言ってきたら、できるだけ早いうちに代を譲りたいと思います。僕が代表になったのは32歳のときでしたが、それでも、もっともっと若いときになればよかったと思うので。若ければ若いほど失敗してもリカバリーできるし、可能性は無限に広がるでしょう。」

また、「もし子どもが酪農をやりたいと言ってきたら、まずは別の農場に研修に行って、しっかり揉まれてきて欲しいと思ってる(笑)」ともおしゃっていました。

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今回お話を伺った廣澤家は、典型的な「酪農一家」のイメージとは異なるライフスタイルのご家庭でした。家と牧場が隣接していない、家族経営ではなく一企業として経営しているなど、その理由はさまざま考えられますが、廣澤家のような距離感で畜産業と接することも可能なのだなと感じました。

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株式会社 グローリーデーリィファーム

  • 営業時間:要問合せ
  • TEL:0277-74-8050
  • 定休日:要問合せ
  • アクセス:群馬県桐生市新里町赤城山864-19

事業内容:乳牛の飼育、牛乳の生産販売
牛の頭数:合計300頭程度
スタッフ数:役員2名、正社員5名、パート2名

この記事を書いた人どっこいしょニッポン運営事務局

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