六次産業化は海外戦略!開拓者精神で海外市場へ。 | どっこいしょニッポン

六次産業化は海外戦略!開拓者精神で海外市場へ。

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「長期的に見ると、国内の牛乳需要は右肩さがり。海外に販路を求めていくのは当然のこと」。

北海道富良野市にある有限会社藤井牧場の代表、藤井雄一郎さんはそう断言します。

ヨーグルトドリンクをはじめとした加工品での六次産業化は、そのための戦略なのだとか。飼養総数約900頭、最先端の技術を取り入れ、高泌乳型の経営でのさらなる規模拡大を図っている藤井牧場。自社ブランド商品と海外への思いを伺いました。

 

 

ヨーグルトドリンク、ソフトクリーム……加工品で第六次産業に注力

富良野市にある藤井牧場

藤井牧場がある富良野市は、年間200万人が訪れる観光地。中でも、季節を問わず多くの人が訪れている場所が、地域の農産物・加工品やお土産物が集まっている「フラノマルシェ」です。

藤井牧場のヨーグルトドリンク

ここでの人気商品の一つが、藤井牧場のヨーグルトドリンク。さわやかな飲み口とその場でも味わえる手軽さから、販売を開始した当初は品切れが出てしまうほどの人気ぶりでした。「もっとたくさん飲みたい、家の冷蔵庫に入れて分け合いたい」との声に応えて、平成28年には900mlサイズの販売も開始しています。

藤井牧場の移動販売車

藤井牧場のソフトクリーム

藤井牧場の商品は、現在のところ、牧場のホームページとフラノマルシェなどで販売しているチーズとヨーグルトドリンク、主にイベントで販売するソフトクリーム、海外向けに開発したジェラートなどの商品があります。

 

 

畜産部門では日本初。農場HACCP認証の取得で海外進出を

藤井牧場の藤井さん

「六次産業化×海外、これで一旗揚げたい、という想いがある」と意欲を語る藤井さん。

藤井牧場では平成21年、畜産部門では日本初となる農場HACCP認証を取得。実は、これも海外での展開が念頭にあったそう。日本には牛の質を担保する認証がないため、農場HACCP認証がひとまずの対応策と考えたといいます。

 

 

消費者の笑顔がやりがいになる効果も

チーズを作っている藤井牧場のスタッフ

お餅のような食感が楽しめる「モッチャレラチーズ」、自慢の新鮮牛乳をギュッと10倍に濃縮して2カ月間熟成させた「さいしょはゴンダチーズ」、ばらつきも手作りならではの「ふぞろいな さけるチーズたち」。

加工中のチーズ

藤井牧場の六次産業化への挑戦は平成23年、チーズの加工・販売への着手から始まりました。背景には、「牛乳価格の低迷が続く中で、価格決定権を持てる商品をつくりたい」という狙いがあったといいます。

また、これには嬉しい効果がありました。

「チーズの加工・販売を始めたことで、スタッフが生乳の質に気を配るようになりました。さらに、お客様の顔が見えたことで仕事にやりがいを持ち、『おいしい!』と言ってもらえたことで、牧場に誇りを持つようになったんです」

 

酪農を継続して発展する産業に

物産展に参加している藤井牧場

平成28年7月、藤井牧場は台湾の高雄市で行われた物産展に参加。自社ブランドのソフトクリームを販売しました。濃厚な味わいは台湾の人たちにも大好評で、北海道への憧れや、実際に訪れたときの思い出を語るお客様も多くいらっしゃったとか。北海道のさわやかなイメージと共に、道産加工品が良い印象で受け入れられている手応えがあったそうです。

海外への出荷は、流通や商習慣の違い、人材確保などさまざまな課題があります。輸送コストなどもあるため、今のところは利益が薄くリスクが大きい、というのが現状です。

それでも、「道を拓いておくことで、子どもの代には経営の柱になるかもしれない」と藤井さんは考えています。

 

先祖から受け継いだフロンティアスピリットで、農業の可能性を開拓し続ける

広大な藤井牧場

藤井さんの祖先は未開の北海道に入植し、五代にわたって富良野での酪農に取り組んできました。

「先祖も、子や孫の代での実りを願って、開拓に汗を流したはず。それを思えば、僕らが今持っているものに安住していてはいけない。継続的に発展する産業としての酪農をこの地に築くまで、開拓は終わっていないんです」

藤井牧場は現在、原乳流通企業である株式会社MMJへの出荷を行っています。いずれは海外で牛乳を販売することを視野に入れての決断です。

「海外への販路開拓は、うちのような農業法人が先駆者・開拓者となってやるしかない。北海道の農業者はフロンティアスピリットを忘れていないことを見せたい」

時代の先を見据え、藤井牧場の代々の挑戦は続いていきます。

藤井牧場の飲むヨーグルト

→「有限会社藤井牧場」のその他の記事はこちらから。

有限会社藤井牧場

http://www.fujii-bokujo.com/

  • 営業時間:要問合せ
  • TEL:0167-29-2342
  • 定休日:要問合せ
  • アクセス:〒076-0184 北海道富良野市八幡丘

この記事を書いた人有限会社シーズ

北海道札幌市で、取材編集やデザインワークに取り組むプロダクション。

インタビューやルポから、各種誌面・webサイトの企画制作などのオシゴトをアレコレと。近々、酒場にまつわる下世話なハナシをまとめた『サカバナ』という本を出版する予定。お買い求めいただいた方から「なにこれ?」と評されること、必至であります。

有限会社シーズ http://www.cs-sapporo.com/

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